公開日2025年3月3日

【向田先生に聞く】赤ちゃんの頭のゆがみ、いつ相談する?ヘルメット治療の流れと効果

むかいだ小児科
向田 隆通先生
「むかいだ小児科」は、一般診療の小児病棟と、健康診断・予防接種などを受けたい健康な方のためのキッズハウスという建物の2棟で診療を行っています。「病気だけでなく、お子さんの全てをみてあげたい」という想いから、病児保育にも取り組み、地域の子どもたちやそのご家族を見守ってきました。今回は院長の向田先生に、医師を志したきっかけや診療への思い、ヘルメット治療について詳しくお話を伺いました。

先生のこれまでのご経歴について簡単にお聞かせください。

大学を卒業後、すぐに愛媛大学の小児科に入局しました。その後、約2年間で小児の循環器疾患をサブスペシャリティとして学びました。4年後に3か月間、市中病院で勤務した経験がありますが、それ以外はほぼ大学病院で勤務を続け、平成4年11月に開業し、現在に至ります。

医師を志したきっかけについて教えてください。

中学生のときにネフローゼ症候群という腎臓の病気を患い小児科に入院しました。その際、同室でさまざまな患者さんと出会いました。例えば、先天的な障害を持つ子どもを育てるお母さんの苦労していた姿や、同室の白血病の女の子が懸命に治療を受けながらも亡くなってしまったことなどが印象に残っています。女の子の体調はだんだん悪くなって、ある夜、医療スタッフがバタバタと病室に出入りし、私はベッドごと別の部屋に移動することになりました。その日は誰もいない4人部屋で一人過ごしたのですが、翌日にはもうその女の子がいなくなっていました。

その時点で医師という職業をはっきりと意識したわけではありませんでしたが、強く印象に残っていて、高校2年生頃から医師、それも小児科医という道を考えるようになりました。

開業されたきっかけについてお聞かせください。

実は、もともとは開業するつもりはなかったんです。小児循環器を専門として先天性心疾患や川崎病の診療に従事しながら、県内の病院や大学病院で勤務を続けており、これからも県立病院のような公的機関に勤めキャリアを積んでいくものだと考えていました。しかし、ある時父が風邪による高熱で入院した際、たまたま肝臓癌が見つかったことが大きな転機となりました。私も医師ですから、検査データを確認して先が長くないことが分かり、見舞いの帰路の車の中で考えたのは、貧しいながらも大学まで送り出してくれた両親への恩返しでした。県内の病院を転々とする勤務医の生活では、両親と一緒に暮らすことが難しくなります。そこで、家を建てることも視野に入れ、いっそのこと開業するのが良いのではないかと考えました。

翌日には教授のもとを訪ね、『開業したい』と伝えました。決断は非常に早かったですね。人生にはなにが起こるかわからないものだなと実感しました。

開業に際して、どのような病院を目指そうと考えましたか?

むかいだ小児科 外観

大学病院で勤務していた頃から、患者さんと密に関わる診療スタイルをとっていました。開業後も同じように患者さんやそのご家族の状況を考え、しっかりと診療を行う医師であり続けたいなと考えました。

診療の際に心がけていることはありますか?

どのような患者さんであっても一度診ると決めたからには、誠意をもって対応することを心がけています。

あとは、年齢の小さい子には小さい子なりに、大きい子には大きい子なりに、なるべくその子と同じ立場、同じ目線に立って話すようにしています。患者さんにいじられながらも、本当に楽しくやっています。小児科って楽しいですよ。

頭の形の診療を始めようと思われたきっかけは何だったのでしょうか?

頭の形が気になるという理由で紹介を希望する患者さんが来院したことがあり、初めのうちは『こういうことを気にする親御さんもいるのだな』と珍しく感じていました。しかし、その後立て続けに同じような相談があったことや、実際に県外の他院に紹介し治療を受けた患者さんの頭の形がとてもきれいになっていたことから、頭の形に関心を持ち始めました。

そんな折に参加した学会にて、ヘルメット治療に関して詳しく知る機会があり、自分のところでも導入してみようと決意しました。

頭の形に関する診療を続けてこられて、どのようなことを感じましたか?

実際に診療を始めてみて、想像以上に頭の形に悩む親御さんが多いことに気づきました。あとは、医師側の認識がまだ十分に広まっていないとも感じています。多くの親御さんはかかりつけ医で相談した際に『そのうち良くなるよ』と言われるようです。相談があった際に、適切な治療に繋げることができる体制が整っていることが大切だと思います。

ヘルメット治療の効果について、どのように感じられていますか?

効果が出るのが早い方では、開始から2か月ほどで大きな改善が見られることもあります。早期に治療を始められると目標の形に変化するまでの期間が短く済みますし、開始月齢が遅いと、最終的な改善の程度にも多少影響することもありますので、できるだけ早期に治療を開始することが望ましいと考えています。

患者様には個人差があり、すべての方に同じ効果が得られるわけではないですが、満足度は高い傾向にあります。少しでも改善が見られると、ほとんどの方が安心されるようです。

ヘルメット治療の初診では、どのような流れで診療を進めていますか?

予約のお電話の時点でも、いつ頃から頭の形が気になり始めたかなど伺っていますが、初診でも簡単な問診を行います。問診の後は、できるだけ早く3Dデータ作成のための写真撮影を行います。データの作成に30分ほど時間がかかるため、初めに撮影した方が早く診察が終わります。結果が出るまでの待ち時間に詳しい説明を行います。この際、過去の治療データを参考に、類似の症例と比較しながら説明をします。

予約の取り方について教えてください。

基本的にはお電話での予約となります。その際に、患者さんの症状やお困りの内容についてお伺いし、どのような経緯で当院を受診されることになったのか、また、かかりつけ医がどこなのかを確認しています。

読者の方へのメッセージ

気になることがあれば、どうぞ気軽にご相談ください。あまり気構えずにご連絡いただければと思います。予約の際に初めてお電話をされる方の多くが、『作るかどうか分からないけれど、診てもらえますか?』と尋ねられます。ヘルメットを作るかどうかに関わらず、現在の頭の形がどのような状態かについてしっかりと説明します。

月齢7か月を過ぎてからご連絡をいただくよりも、できるだけ早い段階でコンタクトを取っていただけると、より良い結果が期待できます。時々、『1歳でも間に合いますか?』というご相談を受けますが、その頃には矯正の効果が期待できる時期を過ぎてしまっていることが多いです。後悔しないためにも、少しでも気になった段階で早めにご相談いただければと思います。

ヘルメット治療について

治療の流れ

問診と3Dデータ作成のための写真撮影を行います。 結果が出るまでの待ち時間に詳しい説明を行います。

費用

33万円(税込)

診察日時

診療の状況により予約対応します。

予約

完全予約制です。 電話でのご予約をお願いいたします。

相談窓口

089-985-0115

公式サイト

https://mukaida.or.jp/

アクセス

電車・バスでお越しの方: 伊予鉄郡中線岡田駅より徒歩3分

お車でお越しの方:国道56号線から昌農内交差点の信号を東へ曲がり、2車線の道路に入ります。 すぐに「むかいだ小児科」がありますので、前面の駐車場にお車を駐車してください。

公開日2025年3月3日

【向田先生に聞く】赤ちゃんの頭のゆがみ、いつ相談する?ヘルメット治療の流れと効果

むかいだ小児科
向田 隆通先生
「むかいだ小児科」は、一般診療の小児病棟と、健康診断・予防接種などを受けたい健康な方のためのキッズハウスという建物の2棟で診療を行っています。「病気だけでなく、お子さんの全てをみてあげたい」という想いから、病児保育にも取り組み、地域の子どもたちやそのご家族を見守ってきました。今回は院長の向田先生に、医師を志したきっかけや診療への思い、ヘルメット治療について詳しくお話を伺いました。

先生のこれまでのご経歴について簡単にお聞かせください。

大学を卒業後、すぐに愛媛大学の小児科に入局しました。その後、約2年間で小児の循環器疾患をサブスペシャリティとして学びました。4年後に3か月間、市中病院で勤務した経験がありますが、それ以外はほぼ大学病院で勤務を続け、平成4年11月に開業し、現在に至ります。

医師を志したきっかけについて教えてください。

中学生のときにネフローゼ症候群という腎臓の病気を患い小児科に入院しました。その際、同室でさまざまな患者さんと出会いました。例えば、先天的な障害を持つ子どもを育てるお母さんの苦労していた姿や、同室の白血病の女の子が懸命に治療を受けながらも亡くなってしまったことなどが印象に残っています。女の子の体調はだんだん悪くなって、ある夜、医療スタッフがバタバタと病室に出入りし、私はベッドごと別の部屋に移動することになりました。その日は誰もいない4人部屋で一人過ごしたのですが、翌日にはもうその女の子がいなくなっていました。

その時点で医師という職業をはっきりと意識したわけではありませんでしたが、強く印象に残っていて、高校2年生頃から医師、それも小児科医という道を考えるようになりました。

開業されたきっかけについてお聞かせください。

実は、もともとは開業するつもりはなかったんです。小児循環器を専門として先天性心疾患や川崎病の診療に従事しながら、県内の病院や大学病院で勤務を続けており、これからも県立病院のような公的機関に勤めキャリアを積んでいくものだと考えていました。しかし、ある時父が風邪による高熱で入院した際、たまたま肝臓癌が見つかったことが大きな転機となりました。私も医師ですから、検査データを確認して先が長くないことが分かり、見舞いの帰路の車の中で考えたのは、貧しいながらも大学まで送り出してくれた両親への恩返しでした。県内の病院を転々とする勤務医の生活では、両親と一緒に暮らすことが難しくなります。そこで、家を建てることも視野に入れ、いっそのこと開業するのが良いのではないかと考えました。

翌日には教授のもとを訪ね、『開業したい』と伝えました。決断は非常に早かったですね。人生にはなにが起こるかわからないものだなと実感しました。

開業に際して、どのような病院を目指そうと考えましたか?

むかいだ小児科 外観

大学病院で勤務していた頃から、患者さんと密に関わる診療スタイルをとっていました。開業後も同じように患者さんやそのご家族の状況を考え、しっかりと診療を行う医師であり続けたいなと考えました。

診療の際に心がけていることはありますか?

どのような患者さんであっても一度診ると決めたからには、誠意をもって対応することを心がけています。

あとは、年齢の小さい子には小さい子なりに、大きい子には大きい子なりに、なるべくその子と同じ立場、同じ目線に立って話すようにしています。患者さんにいじられながらも、本当に楽しくやっています。小児科って楽しいですよ。

頭の形の診療を始めようと思われたきっかけは何だったのでしょうか?

頭の形が気になるという理由で紹介を希望する患者さんが来院したことがあり、初めのうちは『こういうことを気にする親御さんもいるのだな』と珍しく感じていました。しかし、その後立て続けに同じような相談があったことや、実際に県外の他院に紹介し治療を受けた患者さんの頭の形がとてもきれいになっていたことから、頭の形に関心を持ち始めました。

そんな折に参加した学会にて、ヘルメット治療に関して詳しく知る機会があり、自分のところでも導入してみようと決意しました。

頭の形に関する診療を続けてこられて、どのようなことを感じましたか?

実際に診療を始めてみて、想像以上に頭の形に悩む親御さんが多いことに気づきました。あとは、医師側の認識がまだ十分に広まっていないとも感じています。多くの親御さんはかかりつけ医で相談した際に『そのうち良くなるよ』と言われるようです。相談があった際に、適切な治療に繋げることができる体制が整っていることが大切だと思います。

ヘルメット治療の効果について、どのように感じられていますか?

効果が出るのが早い方では、開始から2か月ほどで大きな改善が見られることもあります。早期に治療を始められると目標の形に変化するまでの期間が短く済みますし、開始月齢が遅いと、最終的な改善の程度にも多少影響することもありますので、できるだけ早期に治療を開始することが望ましいと考えています。

患者様には個人差があり、すべての方に同じ効果が得られるわけではないですが、満足度は高い傾向にあります。少しでも改善が見られると、ほとんどの方が安心されるようです。

ヘルメット治療の初診では、どのような流れで診療を進めていますか?

予約のお電話の時点でも、いつ頃から頭の形が気になり始めたかなど伺っていますが、初診でも簡単な問診を行います。問診の後は、できるだけ早く3Dデータ作成のための写真撮影を行います。データの作成に30分ほど時間がかかるため、初めに撮影した方が早く診察が終わります。結果が出るまでの待ち時間に詳しい説明を行います。この際、過去の治療データを参考に、類似の症例と比較しながら説明をします。

予約の取り方について教えてください。

基本的にはお電話での予約となります。その際に、患者さんの症状やお困りの内容についてお伺いし、どのような経緯で当院を受診されることになったのか、また、かかりつけ医がどこなのかを確認しています。

読者の方へのメッセージ

気になることがあれば、どうぞ気軽にご相談ください。あまり気構えずにご連絡いただければと思います。予約の際に初めてお電話をされる方の多くが、『作るかどうか分からないけれど、診てもらえますか?』と尋ねられます。ヘルメットを作るかどうかに関わらず、現在の頭の形がどのような状態かについてしっかりと説明します。

月齢7か月を過ぎてからご連絡をいただくよりも、できるだけ早い段階でコンタクトを取っていただけると、より良い結果が期待できます。時々、『1歳でも間に合いますか?』というご相談を受けますが、その頃には矯正の効果が期待できる時期を過ぎてしまっていることが多いです。後悔しないためにも、少しでも気になった段階で早めにご相談いただければと思います。

ヘルメット治療について

治療の流れ

問診と3Dデータ作成のための写真撮影を行います。 結果が出るまでの待ち時間に詳しい説明を行います。

費用

33万円(税込)

診察日時

診療の状況により予約対応します。

予約

完全予約制です。 電話でのご予約をお願いいたします。

相談窓口

089-985-0115

公式サイト

https://mukaida.or.jp/

アクセス

電車・バスでお越しの方: 伊予鉄郡中線岡田駅より徒歩3分

お車でお越しの方: 国道56号線から昌農内交差点の信号を東へ曲がり、2車線の道路に入ります。 すぐに「むかいだ小児科」がありますので、前面の駐車場にお車を駐車してください。