公開日2025年3月31日

赤ちゃんの頭の形に悩む保護者へ - 吉田先生がすすめる早期相談と治療の選択肢

松波総合病院
吉田 茂先生
「松波総合病院」は岐阜県の民間病院において最大規模であり、地域中核の病院として「地域住民の皆様に安全で質の高い医療・福祉を効率的かつ継続的に提供する」ことを理念に掲げている。数多くの専門外来を開いており、2024年より「あたまのかたち外来」を新たに開設した。今回は、あたまのかたち外来を牽引する吉田先生に、小児科医を目指したきっかけから、病院の特徴やあたまのかたち外来についてお話を伺いました。

先生のご経歴についてお聞かせください。

昭和62年、つまり1987年に神戸大学の医学部を卒業しました。当時はまだ今のような臨床研修制度がなかったので卒業後1年は大学に残り、その後、兵庫県立こども病院で新生児医療の研修を行いました。それから広島県の呉共済病院でも2年間研修を積みました。

小児科医になろうと思ったのはなぜですか?

学生時代に、なんとなく内科系に進むことを考えていたんですが、周囲の人から「小児科が向いている」と言われることがだんだん多くなったんです。また、実習でいろんな科を回ったとき、小児科、特に新生児医療には未来を感じました。新生児医療では生まれたばかりの赤ちゃんが危険な状態に陥ることもあって、その命を救うことができれば、その後の長い一生を元気に過ごすことができる。この魅力に惹かれて、小児科医の道に進みました。

先生自身が大切にされている診療の姿勢についても教えていただけますか?

小児科医は、ただ子供が好きなだけでは務まりません。まず、親御さんときちんとコミュニケーションをとれることが重要です。そのうえで、子供の目線でも話をすることが大切で、診療の際は親御さんとお子さんの両方を同じくらい見ながら話をすることを心がけています。

あたまのかたち外来を始めたきっかけを教えてください。

きっかけは、名古屋にある企業の方が、ヘルメット治療を手掛けているBerryさんを紹介してくれたんです。ヘルメット治療があることは知っていましたが、当時は特に興味はありませんでした。しかし、日大の小児科医の先生が東京で熱心に取り組んでいると聞き、彼が神戸大学の後輩でもあったことから見学に行くことにしました。

そこで、日本でのヘルメット治療が急速に広がっているものの、脳神経外科や形成外科が主導している現状に疑問を持ったんです。赤ちゃんのことを一番よく知っているのは小児科医のはずなのに、小児科医は頭の形に関心がなく、「様子を見ていれば治る」と言い続けてきた。それは問題だと感じ、小児科医ももっと関心を持つべきだと思い取り組みを始めることにしました。まずは、2023年4月から私の常勤先である医療法人葵鐘会(ベルネット)の小児科であたまのかたち外来を開設し、軌道に乗った段階で、もともと非常勤医師として夜尿症外来を開設していた松波総合病院(まつなみ健康増進クリニック)小児科で、あたまのかたち外来を始めることになりました。

やはり、赤ちゃんのことに一番詳しい小児科医が頭の形に取り組んでいくことが非常に重要だと思いますね。

頭の形についてのご相談は多いですか?

はい、まだ知名度は低いと思われますが、週に数名の相談があり、2024年10月以降、現在(2025年2月)までに、ヘルメット治療をされた方も10名を超えました。

岐阜県では、まだ本格的なあたまのかたち外来というのは少なく、愛知県(特に名古屋市)の施設まで通われる方も多いと思われるので、知名度を上げて、患者さんが遠くまで受診しないで済むようにしたいと思います。

外来を始めてみて、どのような感想をお持ちですか?

医療者としての満足度も高いですね。患者さんが喜んでくれるのを見ると、嬉しいですし、やってよかったと思います。「卒業」という概念があって、治療が終わる際に卒業証書を渡すのですが、患者さんが卒業する時すごく喜んでくれるので、自分も嬉しくなります。

頭の形に悩み、落ち込んで暗い表情をされているお母さんも、卒業する時には別人のように晴れやかな顔になっています。中には、ご両親の間で意見が対立することもあり、そこは難しいところだと感じますね。

あたまのかたち外来の初診の流れを教えてください。

まずは、小児科外来にお電話をいただき、初診日を決めていただきます。初診の日には診察を行い、ヘルメット治療を希望される場合はその日に3Dカメラによる赤ちゃんの頭の撮影をします。原則として、ヘルメット治療を強く希望される方には、ご両親で来ていただくようにお願いしています。ご両親が納得した上で治療を始めていただくようにしています。

最後に、読者の方へのメッセージをお願いします。

迷ったら、すぐに小児科医に相談してください。ヘルメットを作るかどうかにかかわらず、早めの対処が重要です。頭の形に関心を持っている小児科医を見つけて、ぜひ相談してみてください。

小児科医としては、もっと赤ちゃんの頭の形に関心を持つことが重要ですね。日本全国の小児科医がもっとこの問題に関心を持ち、適切な対応ができるようになればと思っています。

ヘルメット治療について

治療の流れ

診察を行い、レントゲンを撮って、頭蓋骨の病気がないことを確認します。 ヘルメット治療を希望される場合は3Dスキャンをします。

費用

35万円(税込)

診察日時

毎週火曜日 9:00~11:30

予約

電話にてご予約ください。

相談窓口

058-388-0111

アクセス

電車・バスでお越しの方: 【電車でお越しの方】 名鉄「笠松駅」下車、徒歩約20分 名鉄「西笠松駅」下車、徒歩約10分 【バスでお越しの方】 「名鉄笠松駅前」から『下門間』行き乗車、 「松波総合病院前」下車

お車でお越しの方: 立体駐車場への入庫は、左折のみとさせていただきます。 右折入庫は渋滞の原因ともなりますので、右折入庫をなさらないよう、ご理解とご協力をお願いいたします。

公開日2025年3月31日

赤ちゃんの頭の形に悩む保護者へ - 吉田先生がすすめる早期相談と治療の選択肢

松波総合病院
吉田 茂先生
「松波総合病院」は岐阜県の民間病院において最大規模であり、地域中核の病院として「地域住民の皆様に安全で質の高い医療・福祉を効率的かつ継続的に提供する」ことを理念に掲げている。数多くの専門外来を開いており、2024年より「あたまのかたち外来」を新たに開設した。今回は、あたまのかたち外来を牽引する吉田先生に、小児科医を目指したきっかけから、病院の特徴やあたまのかたち外来についてお話を伺いました。

先生のご経歴についてお聞かせください。

昭和62年、つまり1987年に神戸大学の医学部を卒業しました。当時はまだ今のような臨床研修制度がなかったので卒業後1年は大学に残り、その後、兵庫県立こども病院で新生児医療の研修を行いました。それから広島県の呉共済病院でも2年間研修を積みました。

小児科医になろうと思ったのはなぜですか?

学生時代に、なんとなく内科系に進むことを考えていたんですが、周囲の人から「小児科が向いている」と言われることがだんだん多くなったんです。また、実習でいろんな科を回ったとき、小児科、特に新生児医療には未来を感じました。新生児医療では生まれたばかりの赤ちゃんが危険な状態に陥ることもあって、その命を救うことができれば、その後の長い一生を元気に過ごすことができる。この魅力に惹かれて、小児科医の道に進みました。

先生自身が大切にされている診療の姿勢についても教えていただけますか?

小児科医は、ただ子供が好きなだけでは務まりません。まず、親御さんときちんとコミュニケーションをとれることが重要です。そのうえで、子供の目線でも話をすることが大切で、診療の際は親御さんとお子さんの両方を同じくらい見ながら話をすることを心がけています。

あたまのかたち外来を始めたきっかけを教えてください。

きっかけは、名古屋にある企業の方が、ヘルメット治療を手掛けているBerryさんを紹介してくれたんです。ヘルメット治療があることは知っていましたが、当時は特に興味はありませんでした。しかし、日大の小児科医の先生が東京で熱心に取り組んでいると聞き、彼が神戸大学の後輩でもあったことから見学に行くことにしました。

そこで、日本でのヘルメット治療が急速に広がっているものの、脳神経外科や形成外科が主導している現状に疑問を持ったんです。赤ちゃんのことを一番よく知っているのは小児科医のはずなのに、小児科医は頭の形に関心がなく、「様子を見ていれば治る」と言い続けてきた。それは問題だと感じ、小児科医ももっと関心を持つべきだと思い取り組みを始めることにしました。まずは、2023年4月から私の常勤先である医療法人葵鐘会(ベルネット)の小児科であたまのかたち外来を開設し、軌道に乗った段階で、もともと非常勤医師として夜尿症外来を開設していた松波総合病院(まつなみ健康増進クリニック)小児科で、あたまのかたち外来を始めることになりました。

やはり、赤ちゃんのことに一番詳しい小児科医が頭の形に取り組んでいくことが非常に重要だと思いますね。

頭の形についてのご相談は多いですか?

はい、まだ知名度は低いと思われますが、週に数名の相談があり、2024年10月以降、現在(2025年2月)までに、ヘルメット治療をされた方も10名を超えました。

岐阜県では、まだ本格的なあたまのかたち外来というのは少なく、愛知県(特に名古屋市)の施設まで通われる方も多いと思われるので、知名度を上げて、患者さんが遠くまで受診しないで済むようにしたいと思います。

外来を始めてみて、どのような感想をお持ちですか?

医療者としての満足度も高いですね。患者さんが喜んでくれるのを見ると、嬉しいですし、やってよかったと思います。「卒業」という概念があって、治療が終わる際に卒業証書を渡すのですが、患者さんが卒業する時すごく喜んでくれるので、自分も嬉しくなります。

頭の形に悩み、落ち込んで暗い表情をされているお母さんも、卒業する時には別人のように晴れやかな顔になっています。中には、ご両親の間で意見が対立することもあり、そこは難しいところだと感じますね。

あたまのかたち外来の初診の流れを教えてください。

まずは、小児科外来にお電話をいただき、初診日を決めていただきます。初診の日には診察を行い、ヘルメット治療を希望される場合はその日に3Dカメラによる赤ちゃんの頭の撮影をします。原則として、ヘルメット治療を強く希望される方には、ご両親で来ていただくようにお願いしています。ご両親が納得した上で治療を始めていただくようにしています。

最後に、読者の方へのメッセージをお願いします。

迷ったら、すぐに小児科医に相談してください。ヘルメットを作るかどうかにかかわらず、早めの対処が重要です。頭の形に関心を持っている小児科医を見つけて、ぜひ相談してみてください。

小児科医としては、もっと赤ちゃんの頭の形に関心を持つことが重要ですね。日本全国の小児科医がもっとこの問題に関心を持ち、適切な対応ができるようになればと思っています。

ヘルメット治療について

治療の流れ

診察を行い、レントゲンを撮って、頭蓋骨の病気がないことを確認します。 ヘルメット治療を希望される場合は3Dスキャンをします。

費用

35万円(税込)

診察日時

毎週火曜日 9:00~11:30

予約

電話にてご予約ください。

相談窓口

058-388-0111

アクセス

電車・バスでお越しの方: 【電車でお越しの方】 名鉄「笠松駅」下車、徒歩約20分 名鉄「西笠松駅」下車、徒歩約10分 【バスでお越しの方】 「名鉄笠松駅前」から『下門間』行き乗車、 「松波総合病院前」下車

お車でお越しの方: 立体駐車場への入庫は、左折のみとさせていただきます。 右折入庫は渋滞の原因ともなりますので、右折入庫をなさらないよう、ご理解とご協力をお願いいたします。