公開日2025年3月19日

赤ちゃんの頭の形外来とは?ヘルメット治療について脇田浩正先生が解説

愛育こどもクリニック
脇田 浩正先生
「愛育こどもクリニック」は一般的な診療に加え、赤ちゃんのケアを得意としています。院長の脇田先生は、長らく新生児集中治療室(NICU)で新生児科医として働いていた新生児医療のスペシャリストです。そんな脇田先生に、クリニックの特徴や診療への思い、頭の形外来について詳しくお話を伺いました。

先生のご経歴についてお聞かせいただけますでしょうか。

北海道大学を卒業した後、横浜に移り、初期研修を経て横浜市立大学の小児科に入局しました。藤沢市民病院で研修し、その後東邦大学医療センター大森病院のNICUで研修を受けることになりました。その後、横浜市立大学附属センター病院のNICUに移りました。そこで約3年間勤務した後、名古屋大学に国内留学として行き1年間勉強し、神奈川に戻って、大和市立病院に勤務しました。大和市立病院では、小規模ながらNICUを任されておりました。そして、現在の愛育こどもクリニックに至ります。

医師を志したきっかけを教えてください。

小さな頃からお医者さんを目指していたわけではなく、高校時代に進路を考える中で決めました。僕が通っていた高校では、熱い将来の夢を持つ友達が多くいました。例えば、「ヨーロッパで料理人として活躍したい」とか「アメリカの孤児院でバスケットボールを教えたい」という壮大な夢を持つ人が多かったんです。そんな環境の中で自分自身の将来について考えたとき、特にやりたいことが見つからなかったんですが、そういった人たちが体調を崩した際、その才能を発揮できなくなることがもったいないと感じました。そこで、「自分は医師として、そういう人々を支える側に回るのがよいのではないか」と考えて、医学部を志望することにしました。

新生児医療の道を選ばれたきっかけは何だったのでしょうか?

大学で臨床実習を行う中で決めました。どの科も魅力的だなと思いながら診療科を回る中でNICUを経験しました。いろんな診療科を回る中で、NICUにいるときは不思議と時間を忘れ、朝から晩まで病棟にいることがまったく苦ではなかったため、自分に合っているんだろうなと直感的に思いました。

クリニックの特徴や、工夫されている点についてお聞かせいただけますでしょうか。

産科病院が併設されているのが特徴です。そのため新生児を見る機会が多く、新生児期~乳幼児期の診療全般を得意としています。出産から途切れることなく、「困ったことがあればとりあえずここにくれば安心」と思っていただけるようなクリニックであることを目指しています。また、親御さんが通院しなくても子育てに関する悩みを解決できるような仕組み作りにも力を入れています。特に、育児中の保護者の方は非常に忙しく、病院へ足を運ぶこと自体が負担になることもあります。インスタグラムやYouTubeといったSNSを活用し、医療情報の発信やお悩み相談を行っています。

先生が目指すクリニックのあり方について、お考えをお聞かせください。

「楽しいクリニック」、そして「何でも相談できるクリニック」でありたいと思っています。敷居が低く、気軽に訪れることができる場所が理想です。

当院はもともと長年地域に根ざしたクリニックで、どこか「実家」のような親しみやすい雰囲気があるのが特徴です。患者さんにとっても居心地の良い空間となるように、そうした昔ながらの雰囲気を大切にしたいと考えています。また、病院側が医療を提供し、患者さんがそれを受けるという一方的な関係ではなく、みんなで子どもたちを大切に育てていくという雰囲気を作っていきたいですね。

頭の形外来を始めようと思われたきっかけをお聞かせいただけますでしょうか。

もともと新生児を診る機会が多いこともあり、赤ちゃんの頭の形に関する相談を受けることが多くありました。ですが、悩んでいる親御さんに十分な情報提供ができていないという状況でした。そんな中、日本周産期・新生児医学会でヘルメット治療について詳しく知って興味を持ちました。それをきっかけに導入を決めました。

頭の形に関する診療を始めて、どのような印象を持たれましたか?

まず一番の驚きは想像以上に需要があったということです。正直なところ、相談は数ヶ月に一回ある程度だろうなと考えていたんですが、当院のホームページに診療開始の案内を掲載したところ、すぐに多くの相談が寄せられ、毎日のように問い合わせが来る状況になりました。こんなに多くの方が悩んでいたのかと改めて実感しました。

また、「治療をしたほうがよいか?」という質問をされる親御さんが非常に多いことも印象的でした。頭のゆがみには、軽症・中等症・重症といった重症度分類があるため、それを基準に判断しようとされる方も多いですが、実際には数値化されたデータよりも、親御さんが気にされているかどうかが重要になります。「数値はあくまで目安であり、ご自身がどのように感じるかのほうが大切です」と説明するようにしています。

ヘルメット治療の効果についてはどのように感じていらっしゃいますか?

ヘルメット治療の効果は、全体的に良好だと感じています。治療を受けた親御さんの多くは、すごく喜んでいただいています。外来で治療を受けている方々を見ても、暗い表情の方はほとんどいません。むしろ、楽しんで治療を進めている方が多い印象です。初診の時にヘルメットのサンプルをお見せすると、「かわいいですね」というようなポジティブな反応を頂きます。

治療を進める中で大変なことはありますか?

治療中のご相談としては、「ヘルメットがずれてしまう」という声などがあります。頭の形状の関係でどうしても脱げやすいケースもありますが、フィット感を調整するために補助パッドを使用して微調整を行うことで対応しています。成長とともにフィットしやすくなることが多いため、最初のうちは多少のズレがあっても問題ないことをお伝えしています。

診察の流れを教えてください。

まずは通常の診療枠で来院していただきます。その際、頭の形の異常が病的なものでないかをチェックし、必要に応じて簡易計測を行います。そして、ご希望があれば治療のご紹介を行います。頭の形に関する相談は個人差が大きく、ヘルメット治療の対象となる「斜頭」ではなく、「おでこが出ているのが気になる」というような別の悩みを持たれている方も多いです。そのため、まずは親御さんのお話をしっかり伺いながら、それがヘルメット治療の対象となるものかどうかを丁寧に説明します。

次のステップとして、当院では火曜日の午前中に赤ちゃんの頭の形外来を設けています。ヘルメット治療を希望される方は、この外来で3D撮影を行い、そのデータを解析してヘルメットを作成し、治療を開始するという流れになります。

読者の方へのメッセージをお願いいたします。

お子さんの頭の形について少しでも気になることがあれば、いつでもご相談ください。悩んでいることを一人で抱え込まず、まずは話を聞かせていただければと思います。もちろん、頭の形だけでなくお子さんに関するさまざまなご相談もお受けしています。気になることがあれば、ぜひお気軽にご来院ください。

また、InstagramなどのSNSで育児に関する情報発信も行っていますので、ぜひフォローしていただき、日々の子育てに役立てていただければと思います。

▼インスタグラムのフォローはこちら

インスタグラムURL

ヘルメット治療について

治療の流れ

頭の形の異常が病的なものでないかチェックし、必要に応じて簡易計測を行います。 ヘルメット治療を希望される方は、赤ちゃんの頭の形外来で3D撮影を行います。

費用

33万円(税込)

診察日時

初診:月~木・土曜日 再診:火曜日 午前

予約

まずは一般外来へお越しください。 当日web予約、翌日以降のお電話での予約が可能です。

相談窓口

046-278-3221

アクセス

電車・バスでお越しの方: 小田急江ノ島線 南林間駅から徒歩5分

お車でお越しの方: クリニックを出て右手に進んでいただき、3つ目の十字路の左側に駐車場があります。 1,3,4,5,11番の5か所のみ使用可能です。

公開日2025年3月19日

赤ちゃんの頭の形外来とは?ヘルメット治療について脇田浩正先生が解説

愛育こどもクリニック
脇田 浩正先生
「愛育こどもクリニック」は一般的な診療に加え、赤ちゃんのケアを得意としています。院長の脇田先生は、長らく新生児集中治療室(NICU)で新生児科医として働いていた新生児医療のスペシャリストです。そんな脇田先生に、クリニックの特徴や診療への思い、頭の形外来について詳しくお話を伺いました。

先生のご経歴についてお聞かせいただけますでしょうか。

北海道大学を卒業した後、横浜に移り、初期研修を経て横浜市立大学の小児科に入局しました。藤沢市民病院で研修し、その後東邦大学医療センター大森病院のNICUで研修を受けることになりました。その後、横浜市立大学附属センター病院のNICUに移りました。そこで約3年間勤務した後、名古屋大学に国内留学として行き1年間勉強し、神奈川に戻って、大和市立病院に勤務しました。大和市立病院では、小規模ながらNICUを任されておりました。そして、現在の愛育こどもクリニックに至ります。

医師を志したきっかけを教えてください。

小さな頃からお医者さんを目指していたわけではなく、高校時代に進路を考える中で決めました。僕が通っていた高校では、熱い将来の夢を持つ友達が多くいました。例えば、「ヨーロッパで料理人として活躍したい」とか「アメリカの孤児院でバスケットボールを教えたい」という壮大な夢を持つ人が多かったんです。そんな環境の中で自分自身の将来について考えたとき、特にやりたいことが見つからなかったんですが、そういった人たちが体調を崩した際、その才能を発揮できなくなることがもったいないと感じました。そこで、「自分は医師として、そういう人々を支える側に回るのがよいのではないか」と考えて、医学部を志望することにしました。

新生児医療の道を選ばれたきっかけは何だったのでしょうか?

大学で臨床実習を行う中で決めました。どの科も魅力的だなと思いながら診療科を回る中でNICUを経験しました。いろんな診療科を回る中で、NICUにいるときは不思議と時間を忘れ、朝から晩まで病棟にいることがまったく苦ではなかったため、自分に合っているんだろうなと直感的に思いました。

クリニックの特徴や、工夫されている点についてお聞かせいただけますでしょうか。

産科病院が併設されているのが特徴です。そのため新生児を見る機会が多く、新生児期~乳幼児期の診療全般を得意としています。出産から途切れることなく、「困ったことがあればとりあえずここにくれば安心」と思っていただけるようなクリニックであることを目指しています。また、親御さんが通院しなくても子育てに関する悩みを解決できるような仕組み作りにも力を入れています。特に、育児中の保護者の方は非常に忙しく、病院へ足を運ぶこと自体が負担になることもあります。インスタグラムやYouTubeといったSNSを活用し、医療情報の発信やお悩み相談を行っています。

先生が目指すクリニックのあり方について、お考えをお聞かせください。

「楽しいクリニック」、そして「何でも相談できるクリニック」でありたいと思っています。敷居が低く、気軽に訪れることができる場所が理想です。

当院はもともと長年地域に根ざしたクリニックで、どこか「実家」のような親しみやすい雰囲気があるのが特徴です。患者さんにとっても居心地の良い空間となるように、そうした昔ながらの雰囲気を大切にしたいと考えています。また、病院側が医療を提供し、患者さんがそれを受けるという一方的な関係ではなく、みんなで子どもたちを大切に育てていくという雰囲気を作っていきたいですね。

頭の形外来を始めようと思われたきっかけをお聞かせいただけますでしょうか。

もともと新生児を診る機会が多いこともあり、赤ちゃんの頭の形に関する相談を受けることが多くありました。ですが、悩んでいる親御さんに十分な情報提供ができていないという状況でした。そんな中、日本周産期・新生児医学会でヘルメット治療について詳しく知って興味を持ちました。それをきっかけに導入を決めました。

頭の形に関する診療を始めて、どのような印象を持たれましたか?

まず一番の驚きは想像以上に需要があったということです。正直なところ、相談は数ヶ月に一回ある程度だろうなと考えていたんですが、当院のホームページに診療開始の案内を掲載したところ、すぐに多くの相談が寄せられ、毎日のように問い合わせが来る状況になりました。こんなに多くの方が悩んでいたのかと改めて実感しました。

また、「治療をしたほうがよいか?」という質問をされる親御さんが非常に多いことも印象的でした。頭のゆがみには、軽症・中等症・重症といった重症度分類があるため、それを基準に判断しようとされる方も多いですが、実際には数値化されたデータよりも、親御さんが気にされているかどうかが重要になります。「数値はあくまで目安であり、ご自身がどのように感じるかのほうが大切です」と説明するようにしています。

ヘルメット治療の効果についてはどのように感じていらっしゃいますか?

ヘルメット治療の効果は、全体的に良好だと感じています。治療を受けた親御さんの多くは、すごく喜んでいただいています。外来で治療を受けている方々を見ても、暗い表情の方はほとんどいません。むしろ、楽しんで治療を進めている方が多い印象です。初診の時にヘルメットのサンプルをお見せすると、「かわいいですね」というようなポジティブな反応を頂きます。

治療を進める中で大変なことはありますか?

治療中のご相談としては、「ヘルメットがずれてしまう」という声などがあります。頭の形状の関係でどうしても脱げやすいケースもありますが、フィット感を調整するために補助パッドを使用して微調整を行うことで対応しています。成長とともにフィットしやすくなることが多いため、最初のうちは多少のズレがあっても問題ないことをお伝えしています。

診察の流れを教えてください。

まずは通常の診療枠で来院していただきます。その際、頭の形の異常が病的なものでないかをチェックし、必要に応じて簡易計測を行います。そして、ご希望があれば治療のご紹介を行います。頭の形に関する相談は個人差が大きく、ヘルメット治療の対象となる「斜頭」ではなく、「おでこが出ているのが気になる」というような別の悩みを持たれている方も多いです。そのため、まずは親御さんのお話をしっかり伺いながら、それがヘルメット治療の対象となるものかどうかを丁寧に説明します。

次のステップとして、当院では火曜日の午前中に赤ちゃんの頭の形外来を設けています。ヘルメット治療を希望される方は、この外来で3D撮影を行い、そのデータを解析してヘルメットを作成し、治療を開始するという流れになります。

読者の方へのメッセージをお願いいたします。

お子さんの頭の形について少しでも気になることがあれば、いつでもご相談ください。悩んでいることを一人で抱え込まず、まずは話を聞かせていただければと思います。もちろん、頭の形だけでなくお子さんに関するさまざまなご相談もお受けしています。気になることがあれば、ぜひお気軽にご来院ください。

また、InstagramなどのSNSで育児に関する情報発信も行っていますので、ぜひフォローしていただき、日々の子育てに役立てていただければと思います。

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インスタグラムURL

ヘルメット治療について

治療の流れ

頭の形の異常が病的なものでないかチェックし、必要に応じて簡易計測を行います。 ヘルメット治療を希望される方は、赤ちゃんの頭の形外来で3D撮影を行います。

費用

33万円(税込)

診察日時

初診:月~木・土曜日 再診:火曜日 午前

予約

まずは一般外来へお越しください。 当日web予約、翌日以降のお電話での予約が可能です。

相談窓口

046-278-3221

アクセス

電車・バスでお越しの方: 小田急江ノ島線 南林間駅から徒歩5分

お車でお越しの方: クリニックを出て右手に進んでいただき、3つ目の十字路の左側に駐車場があります。 1,3,4,5,11番の5か所のみ使用可能です。