公開日2024年11月26日
赤ちゃんの頭のゆがみを早期改善|秋山先生が語る頭のかたち外来とヘルメット治療
先生のこれまでのご経歴をお聞かせください。
昭和大学を卒業して、最初は青森県の八戸市民病院で研修医として働きました。研修医の2年間はいろんな診療科をぐるぐる回って、3年目は小児科で1年間みっちり勉強させていただきました。その後、横浜市にある昭和大学藤が丘病院の小児科に入局して、主に小児血液疾患の診療に携わってきました。
医師を目指されたきっかけを教えていただけますか?
中学2、3年生の頃なんですが、仲の良かった友人が白血病になってしまって。一度は良くなったんですけど、残念ながら再発して亡くなってしまったんです。その経験から、白血病の治療に携わりたい、この病気をなくしたいという思いで医師を目指すことにしました。
小児医療を選ばれた理由についてお聞かせください。
実は最初は大人の血液内科医になろうと思っていたんです。でも大学の実習で昭和大学藤が丘病院の小児科を回った時に、小児科病棟で白血病やがんと闘っているお子さんたちと出会って。そこで「あ、自分が目指すべきはここだな」って強く感じました。
診察時に心がけていらっしゃることはありますか?
初めて来てくださるお子さんやご家族は、どうしても緊張されているんですよね。ですから、いきなり病気の話をするんじゃなくて、お子さんの好きなことを聞いたり、可愛い服を着ていたらそれを褒めたり。そうやってリラックスした雰囲気を作ることを大切にしています。
病院の特徴や強みを教えていただけますか?
当院は伊勢原市と秦野市の中核病院として地域の医療を担っているんです。お隣には東海大学病院という大きな病院があるんですけど、そことも連携しながら、地域の皆さんの医療ニーズにお応えしています。小児科に関して言えば、この秦野・伊勢原地区の小児医療の中心的な役割を担っていて、365日体制で診療を行っています。
頭のかたち外来を始められたきっかけを教えていただけますか?
去年この病院に着任して、地域の皆さんのために何か新しいことができないかなって考えていたんです。いろいろ探している中で、ヘルメット治療について詳しく知る機会があって。この地域ではまだ実施している医療機関が少なかったこともあり、「これは取り入れてみよう」と思ったんです。
患者さんからのご相談は多いのでしょうか?
多いですね。実は頭のかたち外来を始める前から、乳幼児健診の時などに「うちの子の頭の形、気になるんですけど...」というご相談をよく受けていました。実際に赤ちゃんの頭の変形について勉強してみると、自然に改善しないケースも結構あることが分かってきて。それで、きちんと対応する必要性を感じました。
外来を始められてからの反響はいかがですか?
正直、最初は「患者さんって来てくださるのかな」って不安だったんです。でも、始めてみたらあっという間に予約が埋まっていって。今では初診も再診も予約がいっぱいの状態で、こんなに忙しくなるとは思っていませんでした。これからは診療枠を増やすことも検討しているところです。
ヘルメット治療の効果についてはいかがでしょうか?
効果はとても良好です。特に治療開始後すぐの時期に大きな改善が見られる方が多いんですよ。ただ、お子さんによって効果の出方には個人差があって、特に頭の歪みが大きい場合は、最初のうちはヘルメットが合わなかったり、ずれやすかったりすることもあります。そういう時は、より丁寧なサポートを心がけています。
治療効果に影響する要因はありますか?
大きく影響するのは装着時間です。アプリで装着時間を記録していただいているんですが、やはり装着時間が短いと、効果が出にくい傾向にあります。また、重症度が高い場合や、治療開始が遅くなってしまった場合は、改善に時間がかかることが多いですね。
治療を終了される方の反応はどうですか?
多くの方に満足していただけています。ほとんどの方が「ここまで綺麗になって本当に良かった」「治療を受けて良かった」とおっしゃってくださいます。
治療中の大変な点について教えてください。
特に夏は大変ですね。汗をかきやすいので、こまめにヘルメットを外して拭いたり洗ったりする必要があります。また、重症度が高いお子さんの場合は、ヘルメットがずれやすかったり外れやすかったりするので、その都度直していただく必要があります。
初診の流れを教えていただけますか?
まずは電話で予約をしていただくところから始まります。実際に来ていただいたら、いつ頃から気になり始めたのかとか、どんなところが心配なのかとか、じっくりお話を聞かせていただきます。それから診察をして、頭の骨の様子を確認した後で、3D撮影という特殊な写真撮影をするという流れになります。
撮影はどのように行われているんですか?
3人の看護師でチームを組んで対応しています。お子さんを抱っこする係、寝かせるのを手伝う係、撮影する係に分かれて、できるだけスムーズに進められるように工夫しています。おもちゃを使って気を紛らわせたり、泣いてしまっても短時間で終われるように心がけています。
測定結果をご覧になった時の保護者の方の反応はいかがですか?
3D画像を見せると、みなさん驚かれますね。「こんなふうに立体的に見られるんですね」という声をよくいただきます。実際に画面で頭の形を確認できることで、「やっぱり」という反応が多いです。心配されていた部分が視覚的に確認できるので、ご理解いただきやすいようです。
受診の時期について、アドバイスをいただけますか?
3~4か月頃の受診をお勧めしています。2か月頃からでも大丈夫なんですが、その時期はまだ首がすわっていないお子さんも多いので、主にタミータイムなどをご指導させていただくことが中心になります。
治療期間はどのくらいになりますか?
だいたい3~4か月くらいの方が多いですね。開始する月齢や重症度によっては、半年以上続ける方もいらっしゃいます。
最後に、読者の方へメッセージをお願いします。
頭の形のことで気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。診察させていただいて、もし治療が必要そうでしたらその時にご提案させていただきます。でも、必ずしも全てのお子さんに治療が必要というわけではありませんので、まずは気軽に来ていただければと思います。ご心配なことがありましたら、いつでもご相談ください。
ヘルメット治療について
治療の流れ
診察を行い、ヘルメット治療の適応可否を診断します。(保険診療) 治療に関する説明を受けヘルメット治療に同意した場合、2回目の診察からヘルメット作成を開始します。
費用
41.8万円(税込)
診察日時
毎週火曜日 14:00~15:30 ※完全予約制
予約
お電話にてご予約ください。 電話受付:平日 15:30~16:30
相談窓口
0463-94-2111
アクセス
電車・バスでお越しの方: <電車でお越しの方> 小田急小田原線「伊勢原駅」下車徒歩15分 ※無料シャトルバスを運行しています。 <路線バスでお越しの方> 伊勢原駅南口4番線「東海大学病院行き」乗車 「行政センター前」下車、徒歩3分 伊勢原駅北口2番線「愛甲石田駅行き」乗車 「伊勢原市役所北口」下車、徒歩3分
お車でお越しの方: <車でお越しの方> 東京方面から・静岡方面から 東名「厚木IC」から国道246号線 経由 約20分 小田原方面から 小田原厚木道路上り線「伊勢原IC」から約15分