公開日2025年1月27日
気になる赤ちゃんの頭の形 ー 中野院長が教える相談タイミングとヘルメット治療について
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先生のご経歴について、簡単に教えてください。
北海道にある旭川医科大学で学びました。産婦人科からキャリアをスタートし、2年後に小児科に転向いたしました。その後、現在に至っております。
医師になろうと思ったきっかけは何だったのでしょうか?
幼い頃に家庭で頼りにしていたホームドクターに憧れを抱いたことが一つのきっかけでした。また、友人が医師を目指すと話しているのを聞いて、「自分にもその道があるのかも」と選択肢が広がって、挑戦する気持ちが芽生えました。
そこから、地域医療に携わりみんなから信頼される、何でも相談できる医師になりたいと考えるようになったんです。
産婦人科から小児科も診られるようになった背景を教えていただけますか?
産婦人科は今でこそ女性についてトータルで診るようになってきましたが、以前は主な業務が「お産」、子宮や卵巣といった「女性器の診療」、「生殖医療」でしたので、総合的に患者を診るという感覚があまりありませんでした。小児科は、いわば「何でも屋さん」のような側面があり、患者やその家族からの相談窓口としての役割を果たせる点に魅力を感じました。また、お産に携わる中で赤ちゃんの治療に魅力を感じたというのも理由の一つです。
結果として、現在の自分にとても合っていると感じています。
どのようなクリニックを目指して開業されましたか?
開業にあたってクリニックを「何でも相談できる窓口」として位置づけたいと考えました。「何でも聞いてくださいね」という姿勢を大切にしながら運営しています。もちろん、私自身も学びながらではありますが、子育ての孤立感を抱える方々が安心して相談できる場所でありたいと思っています。かつては、祖父母が近くで子育てを支える環境が一般的でしたが、現在では親だけで子育てをする家庭が多くなっています。そうした中で、「大丈夫ですよ」「これは少し注意が必要ですね」など、些細な言葉をかけるだけでも安心感を持ってもらえるのではないかと考えています。
クリニック内で特にこだわりのある場所や工夫されている点について教えていただけますか?

院内のインテリアや設備には特にこだわっています。例えば、壁の方を向いて座れるカフェのカウンターのような席を設けて、思春期のお子さんにも来やすい雰囲気を意識しています。気になったときに情報が集められるよう、ニキビや海外渡航用ワクチンの資料なども置いています。開業したのはコロナ禍の時期で、その頃接触感染防止のために多くの小児科でおもちゃや絵本を置かなくなったのですが、当院にはボールが転がっていくキッズコーナーの壁の仕掛けを設けました。ボールなら一人に一つ渡して使用後に消毒できます。子どもたちにとっても楽しい時間となるよう工夫しています。
ヘルメット治療を始めようと思ったきっかけは?
頭の歪みについて興味を持って勉強していたのですが、元々は、相談を受けて予防についての指導をしたり、必要があれば別の病院に連携したりする橋渡し役のようなことができればよいかなと考えていました。ただ、当時京都にはまだヘルメット治療を行っている施設が多くなかったため、自身でもやってみようと思うようになりました。
頭の形についての診療の流れについて、簡単にご説明いただけますか?
初診はまず問診票をご記入いただいて、その内容をもとにお話を丁寧に伺います。対象となる月齢のお子様については、スキャンによる計測を行います。それ以前の月齢のお子様は、頭の歪みの予防について資料をお渡ししてお伝えし、対象月齢になってもまだ歪みが気になるようであれば来ていただくようにしています。
スキャンで計測した結果に基づき、頭の歪みの状態が中等症から最重症に当たる場合は、ヘルメット治療についてご説明いたします。軽症の場合は、予防のための対処法をご説明し、それを実践していただく形で対応しています。
診療にあたっては、必ずしもヘルメット治療を受ける必要はありません。予防的な観点からのアドバイスもとても重要だと考えており、頭の形や発育に関する相談窓口として、患者様やご家族を支えることが医療のこれからの在り方だと思っています。
受診する時期はいつ頃が良いですか?
受診のタイミングとしては、月齢4か月頃が最適です。ただし、それより早い時期のご相談も歓迎しています。2か月健診のような感覚でご来院いただければ、現時点で可能な対処法をお伝えするようにしています。
ヘルメット治療の効果について、実感されている点はございますか?
特に治療の前半に大きく変化が起こりやすいと感じています。患者様の満足度については、直接的に伺うことはあまりありませんが、あるお母様から「先生がいてくださって本当に助かりました。この治療をもっと広めてほしい」というお言葉をいただいた際は、とても励みになりました。
ヘルメット治療を行う中で、大変なことはございますか?
以前は、赤み等の問題が発生することもあったのですが、ヘルメットが改良されたことで、かなり改善されています。当院での工夫として、蒸れによるあせもやズレのある患者さんには薄い綿のキャップを被せてからヘルメットを被せてそれらの予防をすることもあります。患者様の状態やニーズに合わせて工夫を重ねています。試行錯誤を通じて、患者様が快適に治療を受けられるよう努めています。
読者の方々へのメッセージをお願いします。
頭の形が気になる場合、どうぞお気軽にご相談ください。「歪みが大したことないかもしれない」と思われる方でも、気になったらまず相談してみることをお勧めします。頭の形以外の育児の悩みについても、ぜひお話しください。ほとんどの場合助産師が同席していますので、頭の形のご相談だけでなく、授乳や兄弟関係、育児全般のお悩みについてもお手伝いしております。一緒に育児のお困りごとを解決する場としてご活用いただければと思います。
当院では、スタッフ全員でお困りごとを解決していくという姿勢を大切にしています。解決が難しいことでも、一緒に悩んで試行錯誤していきます。一人で育児の悩みを抱え込まず、話してみてください。
ヘルメット治療について
治療の流れ
問診票の内容をもとにお話を伺います。対象月齢のお子様については、計測を行います。 頭の歪みの状態が中等症から最重症に当たる場合は、ヘルメット治療についてご説明いたします。
費用
39万円(税込)
診察日時
月曜日
予約
電話でご予約を承っています。
相談窓口
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アクセス
電車・バスでお越しの方: JR円町駅 徒歩9分 JR二条駅 徒歩13分
お車でお越しの方: 無料駐車場 31台