公開日2025年1月21日
清宮先生が語る “頭のかたち外来” とヘルメット治療の重要性
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まずはじめに、先生の大学ご卒業からのご経歴をお伺いできればと思っています。
北京大学医学部を卒業後、1年間そのまま大学病院でインターンをして、中国の医師国家試験を受けました。その後日本に戻って日本の国家試験も受けました。北京大学在学中に日本大学の小児科で選択実習を行った経験があり、そのご縁もあり日本大学板橋病院で初期研修を行い、小児科に入局しました。
なぜ北京大学に行こうと思ったんですか?
実はもともと文系で大学を卒業していましたが、留学をしたいと考えていました。当時は中国の成長が著しく、中国でのキャリアが将来的にプラスになると思いました。また、医学を通じて国際貢献をしたいという気持ちがあり、医学部を選択しました。
小児科医を選んだ理由は?
もともと子どもが好きで、研修中も小児科医しか考えていませんでした。サブスペシャリティーとして新生児を選んだのは、研修期間中の出張先がNICU(新生児集中治療室)だったこともありますが、海外を考えたときに、出生時は文化や生活環境などの違いが比較的少なく、日本での医療経験が活かせて、国際貢献がしやすいと思ったことも一つです。
先生が診察時に心がけていることは?
特に小さいお子さんの場合、ご家族がその治療や診察にどれくらい納得されるかが一番重要だと考えています。お子さんの診察と同じくらい、ご家族とのコミュニケーションを大切にしています。頭のかたち外来には、ご両親で来られることも多いですが、ご提供する治療は、自費で高額ですので、結果をご説明した後に治療に進むかどうか悩まれる場合もとても多いです。そのため、一旦も持ち帰って相談いただくよう、ご提案しています。
この病院の特徴や強みについて教えてください。
小児科は常勤医が13名おり、二次医療を行っております。高度な医療が必要な場合は、大学病院等に送っていますが、それ以外のお子さんたちは積極的に診ています。24時間365日の救急診療体制もとっています。小児の一般外来に加え、専門外来(神経、腎臓、循環器、アレルギー、心身症、新生児、頭のかたち外来など)も多く行っています。また、小児外科医も常勤で2名おり、連携して小児の診療にあたっています。2024年4月からは分娩も始まり、周産期医療にも力を入れています。周産期専門の新棟を開設し、1階が外来、2階が分娩のエリア、緊急手術にも対応しています、3階が病棟、4階が産後ケア施設になっています。一つの棟で、妊娠期から出産後のお母さんと赤ちゃんの健康管理が行えるのが特徴です。また、乳児健診、予防接種が新棟で行えるようになり、感染症の受診と分けられるようになりました。院内院外での出産を問わず、継続的に安全かつ快適な環境で母子のサポートを行っています。
頭のかたち外来を始めようと思ったきっかけは?
日本大学板橋病院でヘルメット治療を導入していたので、身近で見聞きしていたのと、実際に乳児健診などで頭のかたちの相談をされる方が多くいらっしゃり、お悩みに対応できるようにしたいなと思っていました。また、近隣ではまだ頭のかたちの外来を開設している施設がなかったので、当院で始める意義があるかと思い、開設いたしました。
実際始められてみて反響はどうでしょうか?
非常に多くの方からご相談をいただいています。想像以上にすぐに予約が埋まってしまいました。当初はどの程度の患者さまが来られるかわからなかったため、月2回から始めてみましたが、すぐに予約が埋まってしまったので、現在では週に1回まで増やしています。6か月以上のお子様からの相談も多く、ご受診を急いだほうがよいケースもありますので、対応できるように予約枠を拡充しています。
頭のかたち外来の初診の流れを教えてください。
初診は2名のドクターで行っていることが多いです。頭のかたちの歪みやヘルメット治療の詳細などの説明を行い、3Dカメラで撮影をします。3Dスキャンのデータのが出来上がるのを待つ間に、レントゲン撮影を行い、癒合症などの確認を行います。その後、データとレントゲン結果をお見せして、重症度や治療適応などについてご説明しています。
予約はどのようにとればいいですか?
電話での予約を受け付けています。予約が1か月以上先になってしまうこともあるので、特にお子さんが生後6か月以降の場合には、個別に調整を行うこともあります。紹介状なしでも予約可能です。
ヘルメット治療の効果はどうですか?
ヘルメット治療の効果は実感しますね。ご家族からも、「効果ありますね」、「きれいになってきました」などのお言葉をいただいています。
ヘルメット治療中の注意点や大変なことはありますか?
装着当初はヘルメット内部の空間が大きいので、ズレやすいです。頭の成長と共にフィットしてくるとお伝えしています。あと夏場はやっぱり汗ですかね。長時間装着していると、クッションに汗が溜まってきますので、適宜洗ってあげることが必要です。
月齢が経っているお子さんもいるので、最初は結構いやがるかなって思っていましたが、みんなあまり嫌がらずに被っているので、安堵しています。
最後に、読者の方へのメッセージをお願いします。
2024年4月の周産期棟を開設にあたり、特に1歳までの乳児期のお子さんにできることを新たに行っていきたいと思っていました。そのひとつとして、頭のかたち外来を始めましたので、お気軽に相談に来ていただきたいです。お子さんの予防接種や健診、また分娩から産後ケアまでひとつの周産期棟で行っていますので、ぜひ、そちらもご利用いただけると嬉しいです。
ヘルメット治療について
治療の流れ
初診では、頭の変形についてご説明し、頭の形の撮影後に歪みの程度をお伝えします。 ご希望の場合はヘルメット治療に進みます。
費用
38.5万円(税込)
診察日時
毎週金曜日 診療受付時間 13:30~16:00 (診療開始 14:00~)
予約
電話にてご予約可能です。お気軽にお越しください。
相談窓口
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アクセス
電車・バスでお越しの方: 東武東上線「鶴瀬駅」より 無料送迎バス 約10分
お車でお越しの方: 患者さま優先の一般駐車場をご利用ください。