公開日2024年10月30日

頭のかたちが気になるなら早めの相談を—加藤院長がヘルメット治療のリアルを解説

かとうこどもクリニック
加藤 理佐先生
「かとうこどもクリニック」の加藤先生は、子育てを行う中で頭の形の変化に気付き、さらにそれを研究できる機会に恵まれたと話されています。そこで得た知識を活かしながら、赤ちゃんの頭の形に関する親御さんの悩みに応えるべく、専門外来を開設しています。今回のインタビューでは、クリニックの特徴や頭の形外来の詳細についてお話をお伺いしました。(取材日2024年7月2日)

まず、大学卒業後のご経歴についてお聞かせください。

大学卒業後は、母校の大学附属病院で初期研修を2年間行いました。その後、同じ大学の小児科教室に入局しました。主に大学附属病院で勤務しながら、より幅広い小児医療を学ぶため、地域の一般病院やクリニックなど、複数の医療機関で経験を積みました。様々な病院を回り、多様な環境で働く機会を得ました。

医師を目指されたきっかけは何だったのでしょうか?

小さな頃から、さまざまな職業を知る度に「これも面白そう、あれも素敵だな」と思っていました。進路を決める際に、その時かっこいいと思ったのが小児科医だったという単純な理由からでした。最近は、子育てを通じて接した小学校の先生、このクリニックを開院するにあたり建築士さんや内装業者の方のかっこ良さに感動しました。誰かが夢中になったり、一生懸命に取り組んだりされている姿を見る度に感動しています。

その中で小児科を選ばれた理由は?

高校生の頃、不思議と小児科に関するテレビ番組をよく目にしました。また医局の小児科の先生方の一生懸命な姿や、子どもたちと接する際の真剣な眼差しに惹かれました。「自分もこうなりたい」と思い、先輩方の後を追うことにしました。

クリニック開業時に、どのような点を意識されましたか?

内観

地域の子どもたちとそのご家族の皆さまが安心して相談でき、気軽にご受診頂けるクリニックです。クリニックの設計では、木のぬくもりがあり、患者さんが居心地良く過ごせる空間と、スタッフの動線が効率的であることを重視しました。全て建築設計士さんの力量によるものですが、とても素敵で優しい空間になりました。 

診察時に心がけていることはありますか?

保護者の方の考えや気持ちにできるだけ寄り添うことを心がけています。言葉だけでなく表情や姿勢からも多くのことを読み取ろうと努めています。各ご家族の背景が異なるため、お話しいただいた内容や表情から、言葉の奥にある意味を理解することが重要だと考えています。それを踏まえて、薬の処方や発達チェックなどをどのように進めるか考えます。一律の対応ではなく、それぞれのご家族の事情を考慮して、柔軟な対応ができるように心がけています。


「頭の形外来」を始められたきっかけを教えてください。

私自身も長女の出産後に、寝かせる向きと頭の形の変化に関連があることを目の当たりにしました。その後、母校に戻った際、同じように頭の形に関心を持つ先生と出会い、研究に誘われたのがきっかけです。そこから夢中になって研究を始めました。研究に参加して下さるご家族がいらっしゃるか不安でしたが、お声掛けしたご家族のほぼ全ての方々から同意を得られるほど、潜在的な関心の高さに驚きました。研究を進めるうちに、他の小児科の先生からも相談を受けるようになりました。これからは、頭の形に関する情報をもっと広く社会に伝えていけたらと思っています。

ヘルメット治療の効果についてはいかがでしょうか?

ヘルメット治療は効果的だと実感しています。ヘルメット治療の大きな利点は、長時間の装着が可能なため、頭の形を元に戻すアプローチの時間が長く取れることです。そのため、他の方法と比べてより効果的に治療できると感じています。

みなさんの治療後の反応はいかがですか?

ほとんどの方に満足いただいていると思います。特に、頭蓋変形が強く、月齢が進んでからのヘルメット治療を導入された方の喜びは、とても大きく感じます。私もとてもうれしいです。 

ヘルメット治療で親御さんが大変に感じる点はどこでしょうか?

おそらく、お手入れが一番大変だと思います。ヘルメットの装着自体は比較的簡単なのですが、日々のお手入れには手間がかかります。ただ、ベビーバンドは簡単にお手入れできるようになっているので、以前よりかなり楽になったと思います。クッションを洗って簡単に交換でき、親御さんの負担はかなり軽減されています。

頭の形外来の初診の流れを教えてください。

ホームページからのご予約が可能です。予約時に事前問診票にご記入いただくので、来院時は待ち時間を少なくすることができています。身体計測と頭の歪みの評価・説明を行い、全体で30分程度で終わるよう努めています。評価にはノギスによる評価やアルジェンタ分類による評価を使用してお話しています。必要に応じて3D撮影を実施します。

受診される方の月齢は主にいつ頃が多いですか?

4か月前後が最も多いです。ただ、1・2か月くらいで来てくださる方も増えています。そのくらいの早い段階ですと、ヘルメット治療ではなく、ベッドやタオルを使った体位変換などの指導で対応できることも多いです。このクリニックでは、そのような早めのご来院も歓迎しています。

診察の回数と頻度はどのくらいですか?

ヘルメット治療を始めてからは、だいたい4、5回の診察を想定しています。頻度としては1か月に1回くらいです。4か月齢くらいの方で4、5回の診察を行うイメージです。

治療期間はどのくらいですか?

通常は4、5か月程度ですが、成長が早い赤ちゃんですと2か月程度で終わるケースもあります。

良くならないケースについて教えてください。

良くならない主な要因は、ヘルメットの装着時間が十分に確保できないことです。ヘルメットの装着時間が十分に確保できていれば、基本的には改善していきます。

ヘルメット治療中の注意点はありますか?

患者さんには、目や耳が圧迫されていないか、特定の箇所に過度な負担がかかっていないかを確認するようお伝えしています。何か気になることがあれば、早めに来院するよう促しています。

最後に、読者の皆様へメッセージをお願いします。

些細なことでも気軽にご相談いただければと思います。ヘルメット治療に限らず、育児で気になることがあればいつでもお越しください。当クリニックのスタッフは皆明るい方々で、偶然にも全員がママさんなので、気軽に相談できる環境だと思います。お子様の育児にお役立てるきっかけになれば幸いです。遠慮なくご相談ください。

ヘルメット治療について

治療の流れ

ノギスで頭の形を計測し、その結果を元に今後の方針を相談します。

費用

37.4万円(税込)

診察日時

月~木曜日(13:00~15:00)

予約

当院のホームページの予約サイトからご予約ください。

相談窓口

048-782-6731

アクセス

電車・バスでお越しの方: 大宮駅東口から徒歩6分

お車でお越しの方: 近隣のコインパーキングをご利用ください。

公開日2024年10月30日

頭のかたちが気になるなら早めの相談を—加藤院長がヘルメット治療のリアルを解説

かとうこどもクリニック
加藤 理佐先生
「かとうこどもクリニック」の加藤先生は、子育てを行う中で頭の形の変化に気付き、さらにそれを研究できる機会に恵まれたと話されています。そこで得た知識を活かしながら、赤ちゃんの頭の形に関する親御さんの悩みに応えるべく、専門外来を開設しています。今回のインタビューでは、クリニックの特徴や頭の形外来の詳細についてお話をお伺いしました。(取材日2024年7月2日)

まず、大学卒業後のご経歴についてお聞かせください。

大学卒業後は、母校の大学附属病院で初期研修を2年間行いました。その後、同じ大学の小児科教室に入局しました。主に大学附属病院で勤務しながら、より幅広い小児医療を学ぶため、地域の一般病院やクリニックなど、複数の医療機関で経験を積みました。様々な病院を回り、多様な環境で働く機会を得ました。

医師を目指されたきっかけは何だったのでしょうか?

小さな頃から、さまざまな職業を知る度に「これも面白そう、あれも素敵だな」と思っていました。進路を決める際に、その時かっこいいと思ったのが小児科医だったという単純な理由からでした。最近は、子育てを通じて接した小学校の先生、このクリニックを開院するにあたり建築士さんや内装業者の方のかっこ良さに感動しました。誰かが夢中になったり、一生懸命に取り組んだりされている姿を見る度に感動しています。

その中で小児科を選ばれた理由は?

高校生の頃、不思議と小児科に関するテレビ番組をよく目にしました。また医局の小児科の先生方の一生懸命な姿や、子どもたちと接する際の真剣な眼差しに惹かれました。「自分もこうなりたい」と思い、先輩方の後を追うことにしました。

クリニック開業時に、どのような点を意識されましたか?

内観

地域の子どもたちとそのご家族の皆さまが安心して相談でき、気軽にご受診頂けるクリニックです。クリニックの設計では、木のぬくもりがあり、患者さんが居心地良く過ごせる空間と、スタッフの動線が効率的であることを重視しました。全て建築設計士さんの力量によるものですが、とても素敵で優しい空間になりました。 

診察時に心がけていることはありますか?

保護者の方の考えや気持ちにできるだけ寄り添うことを心がけています。言葉だけでなく表情や姿勢からも多くのことを読み取ろうと努めています。各ご家族の背景が異なるため、お話しいただいた内容や表情から、言葉の奥にある意味を理解することが重要だと考えています。それを踏まえて、薬の処方や発達チェックなどをどのように進めるか考えます。一律の対応ではなく、それぞれのご家族の事情を考慮して、柔軟な対応ができるように心がけています。


「頭の形外来」を始められたきっかけを教えてください。

私自身も長女の出産後に、寝かせる向きと頭の形の変化に関連があることを目の当たりにしました。その後、母校に戻った際、同じように頭の形に関心を持つ先生と出会い、研究に誘われたのがきっかけです。そこから夢中になって研究を始めました。研究に参加して下さるご家族がいらっしゃるか不安でしたが、お声掛けしたご家族のほぼ全ての方々から同意を得られるほど、潜在的な関心の高さに驚きました。研究を進めるうちに、他の小児科の先生からも相談を受けるようになりました。これからは、頭の形に関する情報をもっと広く社会に伝えていけたらと思っています。

ヘルメット治療の効果についてはいかがでしょうか?

ヘルメット治療は効果的だと実感しています。ヘルメット治療の大きな利点は、長時間の装着が可能なため、頭の形を元に戻すアプローチの時間が長く取れることです。そのため、他の方法と比べてより効果的に治療できると感じています。

みなさんの治療後の反応はいかがですか?

ほとんどの方に満足いただいていると思います。特に、頭蓋変形が強く、月齢が進んでからのヘルメット治療を導入された方の喜びは、とても大きく感じます。私もとてもうれしいです。 

ヘルメット治療で親御さんが大変に感じる点はどこでしょうか?

おそらく、お手入れが一番大変だと思います。ヘルメットの装着自体は比較的簡単なのですが、日々のお手入れには手間がかかります。ただ、ベビーバンドは簡単にお手入れできるようになっているので、以前よりかなり楽になったと思います。クッションを洗って簡単に交換でき、親御さんの負担はかなり軽減されています。

頭の形外来の初診の流れを教えてください。

ホームページからのご予約が可能です。予約時に事前問診票にご記入いただくので、来院時は待ち時間を少なくすることができています。身体計測と頭の歪みの評価・説明を行い、全体で30分程度で終わるよう努めています。評価にはノギスによる評価やアルジェンタ分類による評価を使用してお話しています。必要に応じて3D撮影を実施します。

受診される方の月齢は主にいつ頃が多いですか?

4か月前後が最も多いです。ただ、1・2か月くらいで来てくださる方も増えています。そのくらいの早い段階ですと、ヘルメット治療ではなく、ベッドやタオルを使った体位変換などの指導で対応できることも多いです。このクリニックでは、そのような早めのご来院も歓迎しています。

診察の回数と頻度はどのくらいですか?

ヘルメット治療を始めてからは、だいたい4、5回の診察を想定しています。頻度としては1か月に1回くらいです。4か月齢くらいの方で4、5回の診察を行うイメージです。

治療期間はどのくらいですか?

通常は4、5か月程度ですが、成長が早い赤ちゃんですと2か月程度で終わるケースもあります。

良くならないケースについて教えてください。

良くならない主な要因は、ヘルメットの装着時間が十分に確保できないことです。ヘルメットの装着時間が十分に確保できていれば、基本的には改善していきます。

ヘルメット治療中の注意点はありますか?

患者さんには、目や耳が圧迫されていないか、特定の箇所に過度な負担がかかっていないかを確認するようお伝えしています。何か気になることがあれば、早めに来院するよう促しています。

最後に、読者の皆様へメッセージをお願いします。

些細なことでも気軽にご相談いただければと思います。ヘルメット治療に限らず、育児で気になることがあればいつでもお越しください。当クリニックのスタッフは皆明るい方々で、偶然にも全員がママさんなので、気軽に相談できる環境だと思います。お子様の育児にお役立てるきっかけになれば幸いです。遠慮なくご相談ください。

ヘルメット治療について

治療の流れ

ノギスで頭の形を計測し、その結果を元に今後の方針を相談します。

費用

37.4万円(税込)

診察日時

月~木曜日(13:00~15:00)

予約

当院のホームページの予約サイトからご予約ください。

相談窓口

048-782-6731

アクセス

電車・バスでお越しの方: 大宮駅東口から徒歩6分

お車でお越しの方: 近隣のコインパーキングをご利用ください。