公開日2025年2月20日
【浅井院長が解説】赤ちゃんの頭の形とヘルメット治療|頭のかたち外来でできること
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先生のこれまでの歩みについてお伺いできますでしょうか。
私は幼少期から勉強やスポーツが得意ではなく、小学校の進学塾にも合格できないほど勉強ができませんでした。中学・高校の受験にも失敗し、公立高校に進学しましたが、そのような状況の中で人生に悩み、「人を助ける仕事に就きたい」という目標を持つようになりました。
そこで、勉強を一からやり直す決意をし、9年をかけてようやく国立の徳島大学に入学することができました。
その過程で気づいたことは、感謝の気持ちを持つことが大切だということでした。当初、受験に失敗し続ける自分を嘆いていましたが、あるとき「自分のやりたいことのために苦しむのは、本当の苦しみではない」と気づきました。一方、私がこれから支援することになる人々、つまり病気や事故、怪我など避けられない困難を抱える人々は、望まずに苦しんでいるのです。そのように考えると、私の状況は非常に恵まれており、勉強させてもらっているということに感謝の念を持つようになりました。この気づきは、特に両親を含めた周囲への感謝を強く意識するきっかけとなりました。
小児科医を選んだ理由とその思いを聞かせていただけますか?
私が医師を志した当初は、特に小児科に進みたいという目標はありませんでしたが、そのような中で小児科を選んだ理由の一つは、小児科医として子どもたちを全力で助けるという使命感が、自分に合っていると感じたからです。
小児科は子供を診ることは当たり前ですが、お母さんを見ることがすごく大切だと考えています。お母さんやご家族の不安に寄り添うことが非常に重要です。たとえば救急外来においても、入院が必要な重症患者は多くはありません。それでも、多くのご家族は不安を抱えて来院されるのです。そういった不安に対して寄り添い、適切に対応することが小児科医の大切な役割だと思っています。
どんなクリニックにしたいという思いがありますか?
私がクリニックを運営する上で大切にしているのは、3つの目標です。「こどもがこわがらない小児科」、「言葉を大切にする小児科」、「なんでも相談できる小児科」です。目の前の患者さん一人ひとりに喜んでいただけるよう、その場その場で全力を尽くすことを大切にしています。
医療とは、ただ体の治療を行うだけでなく、患者さんやその家族の心に寄り添い、不安を軽減することが本質だと私は信じています。そのため、患者さんに向き合う際の環境や心配りを常に大切にしています。
クリニックの特徴を教えてください。
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現在、小児医療において、風邪やワクチン、健康診断などの基本的な医療活動を超えて、新たな取り組みにも力を入れています。例えば、発達障害に関する療育施設の運営や、赤ちゃんの頭の形に関する治療も行っています。
頭のかたち外来を始めたきっかけを教えてください。
赤ちゃんの頭の形についてのご相談があった際、以前は京都の病院をご紹介していましたが、移動時間や費用の負担を考慮し、当院でも対応できる体制を整えることにしました。相談を受ける体制が整った結果、重症度に応じて適切な対応を行うことで多くの方が安心し、治療に満足されています。診察を受けた結果としてヘルメット治療を行わなかったとしても、患者さんに安心していただくためには、客観的なデータを提示することが重要だということが分かりました。
頭のかたち外来を始めてみて何かご感想があれば教えてください。
頭の形の治療を始めてから、多くのご家族から喜びの声をいただいています。「治療を受けてよかった」と感じていただけることが、私たちの励みとなっています。
嫌がってヘルメットを着けられない子がいないか不安だったのですが、実際にやってみて、装着できないケースは今のところ無く、安心しています。
初診の流れと治療の進め方について教えてください。
頭の形に関する初診では、まず向き癖の有無を確認します。また、大泉門や骨の形、筋性斜頸の有無などを診察します。あわせて、他にお困りのことがないかをお伺いした上で、カメラ撮影により重症度を5段階で評価します。重症以上のケースでは歪みが進行する可能性が高いため、ヘルメット治療を選択肢の一つとしてご提案いたします。重症でない場合は様子を見ていただくようお話しし、必要であれば1ヶ月後に再度カメラでの撮影する形をとっています。
読者の皆さまへのメッセージ
当院では、赤ちゃんの頭の形についてご相談いただく際、単にヘルメット治療を提案するだけでなく、現状や重症度を客観的に評価し、ご家族の不安や心配に寄り添うことを大切にしています。
頭の形については、できるだけ早い段階での評価が非常に重要です。特に生後4~6ヶ月頃は、頭の成長が著しく、治療の効果を最大限に引き出せる時期です。そのため、「もう少し様子を見ましょう」と言われている場合でも、気になる点があれば早めにご相談いただければと思います。撮影による客観的なデータを基に現状を確認することで、適切な対応が可能になります。
たとえヘルメット治療が必要ない場合であっても、現状を知ることで安心して子育てを進めていただけると思います。どうぞお気軽にご相談ください。
ヘルメット治療について
治療の流れ
向き癖、筋性斜頸の有無、頭蓋骨の診察をします。 あわせて、撮影により重症度を5段階で評価します。 重症以上のケースでは、ヘルメット治療を選択肢の一つとしてご提案いたします。
費用
29.9万円(税込)
診察日時
火曜11:30~ 水曜16:30~
予約
枠に限りがありますので、必ずお電話でご予約ください。
相談窓口
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アクセス
電車・バスでお越しの方: 琵琶湖線 瀬田駅: 南口から 徒歩 23分
お車でお越しの方: 薬局、眼科さんと共用しております。クリニック玄関前ですので、待ち時間を車内でもお待ちいただけます。