公開日2025年3月21日

赤ちゃんの頭の形のゆがみ、いつ相談するべき?山本先生が語る早期相談の重要性

やまもと小児科
山本 尚先生
「やまもと小児科」は、開院して以降、地域の子どもたちが赤ちゃんから大人になるまで、子どもたちの健康を守ってきました。院長の山本先生は、勤務医時代から新生児医療に携わってこられ、赤ちゃんの診療経験が大変豊富です。そんな山本先生に、クリニックのこだわりや診療への思い、ヘルメット治療について詳しくお話を伺いました。

先生のこれまでのご経歴について、簡単にお伺いできますでしょうか。

私は滋賀県出身で、石川県の金沢大学を1981年に卒業しました。卒業後は郷里の滋賀医科大学に入局しました。当時は現在と異なり、大学を卒業した時点で専門科を選択するシステムで、ローテーション制などはまだ導入されていませんでしたので卒業後すぐ小児科に入局し、小児科医としてのキャリアをスタートしました。

小児科を選ばれたきっかけについてお聞かせいただけますか。

大学在学中に臨床研修、ベッドサイドティーチングでさまざまな診療科を回る中で、自分の興味や適性について考える機会がありました。当時、子どもたちを診療することに将来性ややりがいを感じたことが小児科を選んだ大きな理由です。

医師を志したきっかけを教えてください。

科学に興味があって幼い頃は宇宙や宇宙飛行士に憧れていましたが、次第に現実的な進路を考えるようになり、理科系の分野で人体に関心を持つようになりました。また、母が体調を崩しやすかったことも医師を志す一因だったかもしれません。未知の分野への探究心や知識欲が動機の一部でした。

開業したきっかけについてお聞かせください。

勤務医時代から新生児医療に携わっており、赤ちゃんの診療を多く行っていました。開業に際しては、産婦人科の先生から、併設して小児科を開業しないかとお声掛けいただき、この地域では産科・小児科一体型のクリニックの先駆けとして開業することになりました。これにより、他の小児科クリニックより多くの新生児や 赤ちゃんの診療を続けてこられたと考えています。

病院の特徴や工夫についてお聞かせください。

やまもと小児科 内観

小児科を開業していると風邪やアレルギー疾患の患者さんが多いですが、そのようなありふれた病気の中に重篤な病気が隠れていたり、始まりの症状であることがあるので、それを見逃さないように、メリハリのある診察を心掛けています。また、来院時に受診の主な訴えとは別の相談を親御さんからいただくことがあり、時にはそちらの方が問題が大きいことがあります。ですので、そのような際にも患者さんや親御さんの話をできる限り丁寧に聞き、時間をかけて説明することを心がけています。

赤ちゃんの頭の形に関する診察を始められたきっかけについて教えてください。

以前から産科との一貫診療を通じて赤ちゃんの向き癖や頭の歪みについては気になっていました。その頃は、ご両親には向き癖に対しての一般的指導はしていましたが、他の多くの先生方と同じように「発達にはまず影響しないので、そのうち徐々に良くなるだろう」と説明していました。しかし、数年前に学会の展示ブースでヘルメット治療のことを知り、その効果にインパクトを受けました。しかし、当初はヘルメット治療の原理についての理解が不十分であったり、患者さんの負担が高額であったことから導入には慎重になっていました。その後、比較的費用が安価なベビーバンドについて知り、また、時期を同じくして当院に通院していた赤ちゃんの一人が県外の医療機関でヘルメット治療を受け、治療後頭の形が非常に良くなったのを見て、当院でも頭のかたち外来の開設、導入を決めました。

頭の形に関する診療を始められてからのご感想などがあればお伺いできますでしょうか。

予想以上に多くのご相談をいただいています。最近では患者さんご自身が事前に情報を調べた上で、積極的に治療を希望されるケースが増えています。ホームページやインターネット検索を利用して「頭の形外来」について調べてから来院される方が多い印象です。軽度の歪みで治療の必要がないケースでも、診察や説明を通じて「将来的には目立たなくなる」とご理解いただき、安心して帰られる親御さんもいらっしゃいます。そういった安心感を提供できることは非常に重要だと感じています。また、希望される方には3Dスキャンを用いて評価を行い、治療が必要かどうかを判断することもあります。

ヘルメット治療の効果について教えてください。

個人差はあるものの、ほとんどのケースで最終的には2段階以上の改善が見られています。特に最初の1ヶ月で急速に改善が進むため、その効果は親御さんにとって非常にインパクトが大きいです。親御さんからの満足度も高いケースが多いです。改善のスピードや結果には個人差があり、短期間でかなり良くなるお子さんもいれば、時間がかかるケースもあります。一般的には、変形の程度が軽く、治療開始が早い場合は治療期間が短く、重症で治療開始月齢が遅いと治療期間が長くなる傾向があります。ヘルメット治療も万能ではありません。ヘルメット治療の効果が十分得られるためにも、最重症にならないように早期介入が重要だと感じています。

やまもと小児科におけるヘルメット治療の経過
ヘルメット治療による改善経過(短期)

初診の流れについて教えてください。

頭のかたち外来は電話で予約を受け付けていますが、受診前の情報として受付スタッフが患者さんの月齢や、受診の経緯(紹介の有無、ご両親が心配してか)、変形に対する心配の程度、具体的にヘルメット治療の希望をお考えかなどをお聞きし、予約を入れています。初診では妊娠、出産の状況や育児の環境などを確認し、発達、発育、頭囲などの全体的な診察したうえで、必要に応じて3Dスキャンを行います。その後、3Dスキャンの結果も提示しながら、3ヶ月以降の赤ちゃんではヘルメット治療についての説明をさせていただくことが多いです。

月齢1~2か月の赤ちゃんについては、基本的には理学的アプローチをお伝えし、1ヶ月毎に経過を観察することにしています。4ヶ月になっても改善が見られない場合には、ヘルメット治療を検討するケースもあります。受診する月齢に関しては特に制限を設けていません。むしろ現在は、早期介入の重要性を考え。新生児期から向き癖の強い赤ちゃんや今年の4月から始まる公的な1か月健診で指摘された赤ちゃんについては、寝かせ 方やタミータイムなどの理学的アプローチをしっかり行うことで改善が期待できるので、放置せずに積極的に相談していただくよう案内しています。

最後に、親御さんへのメッセージをお願いします。

頭の形の変形は、脳の発達や成長に基本的には悪影響を及ぼすものではありませんが、見た目を気にすることは決しておかしいことではありません。早期に相談いただければ、理学的アプローチで改善できる場合もあります。それが難しい場合にはヘルメット治療という選択肢もありますので、ぜひご相談ください。また、頭の変形に対して一般の小児科の先生方にも問題意識を持っていただき、予防的な指導などに積極的に関与いただくことで、より多くの赤ちゃんが治療を必要とせずに済むようになると考えています。

ヘルメット治療について

治療の流れ

初診では必要に応じて3Dスキャンを行います。 その後、患者さんの状態に応じて説明を行います。 理学的アプローチで改善できる場合もあります。 難しい場合にはヘルメット治療をご提案します。

費用

33万円(税込)

診察日時

水曜日・金曜日

予約

お電話でのご予約をお願いいたします。

相談窓口

077-581-2375

アクセス

電車・バスでお越しの方: 大宝循環線[くるっとバス] バス停「守山高校西」から徒歩1分

お車でお越しの方: 医院の敷地内の9台と向かいの薬局隣の6台、計15台が当院の無料駐車場です。

公開日2025年3月21日

赤ちゃんの頭の形のゆがみ、いつ相談するべき?山本先生が語る早期相談の重要性

やまもと小児科
山本 尚先生
「やまもと小児科」は、開院して以降、地域の子どもたちが赤ちゃんから大人になるまで、子どもたちの健康を守ってきました。院長の山本先生は、勤務医時代から新生児医療に携わってこられ、赤ちゃんの診療経験が大変豊富です。そんな山本先生に、クリニックのこだわりや診療への思い、ヘルメット治療について詳しくお話を伺いました。

先生のこれまでのご経歴について、簡単にお伺いできますでしょうか。

私は滋賀県出身で、石川県の金沢大学を1981年に卒業しました。卒業後は郷里の滋賀医科大学に入局しました。当時は現在と異なり、大学を卒業した時点で専門科を選択するシステムで、ローテーション制などはまだ導入されていませんでしたので卒業後すぐ小児科に入局し、小児科医としてのキャリアをスタートしました。

小児科を選ばれたきっかけについてお聞かせいただけますか。

大学在学中に臨床研修、ベッドサイドティーチングでさまざまな診療科を回る中で、自分の興味や適性について考える機会がありました。当時、子どもたちを診療することに将来性ややりがいを感じたことが小児科を選んだ大きな理由です。

医師を志したきっかけを教えてください。

科学に興味があって幼い頃は宇宙や宇宙飛行士に憧れていましたが、次第に現実的な進路を考えるようになり、理科系の分野で人体に関心を持つようになりました。また、母が体調を崩しやすかったことも医師を志す一因だったかもしれません。未知の分野への探究心や知識欲が動機の一部でした。

開業したきっかけについてお聞かせください。

勤務医時代から新生児医療に携わっており、赤ちゃんの診療を多く行っていました。開業に際しては、産婦人科の先生から、併設して小児科を開業しないかとお声掛けいただき、この地域では産科・小児科一体型のクリニックの先駆けとして開業することになりました。これにより、他の小児科クリニックより多くの新生児や 赤ちゃんの診療を続けてこられたと考えています。

病院の特徴や工夫についてお聞かせください。

やまもと小児科 内観

小児科を開業していると風邪やアレルギー疾患の患者さんが多いですが、そのようなありふれた病気の中に重篤な病気が隠れていたり、始まりの症状であることがあるので、それを見逃さないように、メリハリのある診察を心掛けています。また、来院時に受診の主な訴えとは別の相談を親御さんからいただくことがあり、時にはそちらの方が問題が大きいことがあります。ですので、そのような際にも患者さんや親御さんの話をできる限り丁寧に聞き、時間をかけて説明することを心がけています。

赤ちゃんの頭の形に関する診察を始められたきっかけについて教えてください。

以前から産科との一貫診療を通じて赤ちゃんの向き癖や頭の歪みについては気になっていました。その頃は、ご両親には向き癖に対しての一般的指導はしていましたが、他の多くの先生方と同じように「発達にはまず影響しないので、そのうち徐々に良くなるだろう」と説明していました。しかし、数年前に学会の展示ブースでヘルメット治療のことを知り、その効果にインパクトを受けました。しかし、当初はヘルメット治療の原理についての理解が不十分であったり、患者さんの負担が高額であったことから導入には慎重になっていました。その後、比較的費用が安価なベビーバンドについて知り、また、時期を同じくして当院に通院していた赤ちゃんの一人が県外の医療機関でヘルメット治療を受け、治療後頭の形が非常に良くなったのを見て、当院でも頭のかたち外来の開設、導入を決めました。

頭の形に関する診療を始められてからのご感想などがあればお伺いできますでしょうか。

予想以上に多くのご相談をいただいています。最近では患者さんご自身が事前に情報を調べた上で、積極的に治療を希望されるケースが増えています。ホームページやインターネット検索を利用して「頭の形外来」について調べてから来院される方が多い印象です。軽度の歪みで治療の必要がないケースでも、診察や説明を通じて「将来的には目立たなくなる」とご理解いただき、安心して帰られる親御さんもいらっしゃいます。そういった安心感を提供できることは非常に重要だと感じています。また、希望される方には3Dスキャンを用いて評価を行い、治療が必要かどうかを判断することもあります。

ヘルメット治療の効果について教えてください。

個人差はあるものの、ほとんどのケースで最終的には2段階以上の改善が見られています。特に最初の1ヶ月で急速に改善が進むため、その効果は親御さんにとって非常にインパクトが大きいです。親御さんからの満足度も高いケースが多いです。改善のスピードや結果には個人差があり、短期間でかなり良くなるお子さんもいれば、時間がかかるケースもあります。一般的には、変形の程度が軽く、治療開始が早い場合は治療期間が短く、重症で治療開始月齢が遅いと治療期間が長くなる傾向があります。ヘルメット治療も万能ではありません。ヘルメット治療の効果が十分得られるためにも、最重症にならないように早期介入が重要だと感じています。

やまもと小児科におけるヘルメット治療の経過
ヘルメット治療による改善経過(短期)

初診の流れについて教えてください。

頭のかたち外来は電話で予約を受け付けていますが、受診前の情報として受付スタッフが患者さんの月齢や、受診の経緯(紹介の有無、ご両親が心配してか)、変形に対する心配の程度、具体的にヘルメット治療の希望をお考えかなどをお聞きし、予約を入れています。初診では妊娠、出産の状況や育児の環境などを確認し、発達、発育、頭囲などの全体的な診察したうえで、必要に応じて3Dスキャンを行います。その後、3Dスキャンの結果も提示しながら、3ヶ月以降の赤ちゃんではヘルメット治療についての説明をさせていただくことが多いです。

月齢1~2か月の赤ちゃんについては、基本的には理学的アプローチをお伝えし、1ヶ月毎に経過を観察することにしています。4ヶ月になっても改善が見られない場合には、ヘルメット治療を検討するケースもあります。受診する月齢に関しては特に制限を設けていません。むしろ現在は、早期介入の重要性を考え。新生児期から向き癖の強い赤ちゃんや今年の4月から始まる公的な1か月健診で指摘された赤ちゃんについては、寝かせ 方やタミータイムなどの理学的アプローチをしっかり行うことで改善が期待できるので、放置せずに積極的に相談していただくよう案内しています。

最後に、親御さんへのメッセージをお願いします。

頭の形の変形は、脳の発達や成長に基本的には悪影響を及ぼすものではありませんが、見た目を気にすることは決しておかしいことではありません。早期に相談いただければ、理学的アプローチで改善できる場合もあります。それが難しい場合にはヘルメット治療という選択肢もありますので、ぜひご相談ください。また、頭の変形に対して一般の小児科の先生方にも問題意識を持っていただき、予防的な指導などに積極的に関与いただくことで、より多くの赤ちゃんが治療を必要とせずに済むようになると考えています。

ヘルメット治療について

治療の流れ

初診では必要に応じて3Dスキャンを行います。 その後、患者さんの状態に応じて説明を行います。 理学的アプローチで改善できる場合もあります。 難しい場合にはヘルメット治療をご提案します。

費用

33万円(税込)

診察日時

水曜日・金曜日

予約

お電話でのご予約をお願いいたします。

相談窓口

077-581-2375

アクセス

電車・バスでお越しの方: 大宝循環線[くるっとバス] バス停「守山高校西」から徒歩1分

お車でお越しの方: 医院の敷地内の9台と向かいの薬局隣の6台、計15台が当院の無料駐車場です。