公開日2024年10月22日

頭の形の悩みは早期相談がカギ。一和多先生が語る赤ちゃんの頭蓋変形と治療のタイミング

公立阿伎留医療センター
一和多 信孝先生
「公立阿伎留医療センター」は大正12年から長きにわたって地域住民の健康を守り続けてきた。小児科の一和多信孝先生は、頭蓋変形外来を担当し多くの子供たちの頭の形を診察している。そんな一和多先生に病院の特徴や頭蓋変形外来についていろいろと教えていただきました。(取材日2024年6月17日)

先生のこれまでのご経歴を教えてください。

出身大学は獨協医科大学で、卒業後は板橋区医師会病院で研修を行いました。その後日大の板橋病院に入局し、2年間初期研修を行った後、小張総合病院で4年間勤務しました。現在は小張総合病院と公立阿伎留医療センターの両院で診療を行っています。

公立阿伎留医療センター

医師を目指したきっかけを教えてください。

両親が医師であったため、自然と医師を目指すようになりました。特に父の病院を引き継ぐことが大きな動機となりましたね。小児科医を目指したのは、子供たちのために働きたいという思いが強かったからです。子供たちは自分よりも将来長く生きていくことになりますので、彼らを治療することはこれからの未来を見据えることだと思っています。その助けになれるというところに、やはりやりがいを感じますね。

診察の時に心がけていることは何ですか?

まずは子供と同じ目線に立つこと、そしてお母さんともしっかりと目を見て話すことを大切にしています。多くのお母さんが不安を抱えていていろんな相談を受けますので、安心してもらえるように心掛けています。また、高度な医療が必要な病気を見逃さないようにすることが重要だと考えています。気になることがあればすぐに調べ、他の専門医に相談するようにしています。

頭の形外来を始めようと思ったきっかけは何ですか?

最初のきっかけは、近年のヘルメット治療の需要の高まりを感じたことでした。頭の形外来を始める前はヘルメット治療には美容の側面が強いイメージがあり、高額ということもあって今でも積極的におすすめしているというわけではないのですが、実際に治療を始めるとお母さんたちの満足度がとても高くてやって良かったなと思うようになりました。最近はご相談も多いですし、乳児検診がきっかけで来られる方が多いですね。お母さんの関心が高いということもありますが、産院や先生の理解も深まってきているのだと思います。

頭の形外来にはいつ頃受診するのがいいですか?

個人的には月齢3ヶ月くらいからが良いかなと思います。理想はもっと月齢の早い段階で頭の変形が予防できることで、助産師さんたちにも頭の変形についてもっと知ってもらい、頭の向きがずっと同じ方向にならないようにするなどの理学療法をお母さんにあらかじめ伝えていただけるようになると良いなと思います。その上で良くならなければ、3ヶ月くらいで頭の形外来に受診できるような流れになればと思っています。遅くても6ヶ月くらいまでに来ていただけると良いですね。

頭の形外来の具体的な初診の流れについて教えていただけますか?

最初にレントゲンを撮り、頭蓋骨縫合早期癒合症などの病気がないか確認をします。その後の診察ではノギスという計測器で頭の形の歪みを確認し、重症度を評価します。その上でヘルメット治療などの治療方法についてご説明し、お母さんと一緒に治療方針を決めていきます。初診は約30~40分かかることが多いです。ヘルメット治療を行う場合、4週~6週に1回再診に来ていただいています。頭の形のスキャンはヘルメット作成時と、2回目・4回目の受診時に行いますが、3~4回目の受診で卒業される方が多いです。

頭の歪みの度合いの計測方法を教えていただけますでしょうか?

まずは視診とノギスの計測で頭の歪みの重症度を診断します。中等症以上の場合はヘルメット治療の適応範囲になります。自由診療のため患者さんの意思で治療するかどうかは決めていただきますが、患者さんから聞かれた場合には、最重症の場合はヘルメット治療を検討しても良いかもしれないとお話しています。最終的に、やるにせよやらないにせよ納得していただくことが大切だと思っています。

ヘルメット治療の効果はいかがですか?

もちろん個人差はありますが、治療の効果は実感しています。正直、初めは本当に効果があるのかな?と思っていましたが、治療後はポジティブな反応が多く、中等症や最重症の子供たちでも治療が進むにつれてお母さんたちは満足してくれることが多いです。

ヘルメット治療する上で大変なことはなんですか?

夏場は汗をかくので、臭いは気になる方がいるかもしれないですね。あとは、始めたての頃はズレ防止のパッドが付いていたとしても、上を向いたり動いたりするとヘルメットがずれてしまうことがあって、それが気になって夜も数時間ごとに起きてヘルメットを戻しているという方がいらっしゃいました。頭が大きくなってくればだんだんフィットしてズレなくなってくるので、起きた時に気づいたら直す程度で、あまり意識しなくて大丈夫です。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

気になったら早めに受診することが大切です。頭の形がずっと気になってはいたけどこのタイミングになってしまった、と月齢が10~11カ月くらいのころに受診される方が結構いらっしゃり、この時期からのヘルメット治療は難しいとお伝えすると、もっと早くこればよかったとおっしゃいます。受診が遅れてしまって何もできないのはもったいない気がしますので、少しでも気になることがあればまずは相談に来てください。来ていただいた上で問題がなければそれで良いですし、治療を検討した方が良さそうであれば、その時に改めて考えれば良いのではないかと思います。

ヘルメット治療について

治療の流れ

初診ではレントゲンを撮り、頭蓋骨縫合早期癒合症などの病気がないか確認をします。その後計測器で頭の形の歪みを確認し、重症度を評価します。治療方法についてご説明し、一緒に治療方針を決めていきます。

費用

スタッフまでお尋ねください。

診察日時

火曜日

予約

まずはお電話でお問い合わせください。

相談窓口

042-558-0321

アクセス

電車・バスでお越しの方: ■電車をご利用の方 JR武蔵五日市線 武蔵引田駅より 徒歩約5分 ■バスをご利用の方 JR武蔵五日市線 秋川駅より 「阿伎留医療センター、日の出折り返し場」行きバスにて約10分 「阿伎留医療センター」下車 JR青梅線 福生駅より 「阿伎留医療センター、日の出折り返し場」行きバスにて約25分 「阿伎留医療センター」下車 JR青梅線・八高線・武蔵五日市線、西武拝島線 拝島駅より 「阿伎留医療センター」行きバスにて約30分 「阿伎留医療センター」下車

お車でお越しの方:圏央道 日の出インターより 約3分

公開日2024年10月22日

頭の形の悩みは早期相談がカギ。一和多先生が語る赤ちゃんの頭蓋変形と治療のタイミング

公立阿伎留医療センター
一和多 信孝先生
「公立阿伎留医療センター」は大正12年から長きにわたって地域住民の健康を守り続けてきた。小児科の一和多信孝先生は、頭蓋変形外来を担当し多くの子供たちの頭の形を診察している。そんな一和多先生に病院の特徴や頭蓋変形外来についていろいろと教えていただきました。(取材日2024年6月17日)

先生のこれまでのご経歴を教えてください。

出身大学は獨協医科大学で、卒業後は板橋区医師会病院で研修を行いました。その後日大の板橋病院に入局し、2年間初期研修を行った後、小張総合病院で4年間勤務しました。現在は小張総合病院と公立阿伎留医療センターの両院で診療を行っています。

公立阿伎留医療センター

医師を目指したきっかけを教えてください。

両親が医師であったため、自然と医師を目指すようになりました。特に父の病院を引き継ぐことが大きな動機となりましたね。小児科医を目指したのは、子供たちのために働きたいという思いが強かったからです。子供たちは自分よりも将来長く生きていくことになりますので、彼らを治療することはこれからの未来を見据えることだと思っています。その助けになれるというところに、やはりやりがいを感じますね。

診察の時に心がけていることは何ですか?

まずは子供と同じ目線に立つこと、そしてお母さんともしっかりと目を見て話すことを大切にしています。多くのお母さんが不安を抱えていていろんな相談を受けますので、安心してもらえるように心掛けています。また、高度な医療が必要な病気を見逃さないようにすることが重要だと考えています。気になることがあればすぐに調べ、他の専門医に相談するようにしています。

頭の形外来を始めようと思ったきっかけは何ですか?

最初のきっかけは、近年のヘルメット治療の需要の高まりを感じたことでした。頭の形外来を始める前はヘルメット治療には美容の側面が強いイメージがあり、高額ということもあって今でも積極的におすすめしているというわけではないのですが、実際に治療を始めるとお母さんたちの満足度がとても高くてやって良かったなと思うようになりました。最近はご相談も多いですし、乳児検診がきっかけで来られる方が多いですね。お母さんの関心が高いということもありますが、産院や先生の理解も深まってきているのだと思います。

頭の形外来にはいつ頃受診するのがいいですか?

個人的には月齢3ヶ月くらいからが良いかなと思います。理想はもっと月齢の早い段階で頭の変形が予防できることで、助産師さんたちにも頭の変形についてもっと知ってもらい、頭の向きがずっと同じ方向にならないようにするなどの理学療法をお母さんにあらかじめ伝えていただけるようになると良いなと思います。その上で良くならなければ、3ヶ月くらいで頭の形外来に受診できるような流れになればと思っています。遅くても6ヶ月くらいまでに来ていただけると良いですね。

頭の形外来の具体的な初診の流れについて教えていただけますか?

最初にレントゲンを撮り、頭蓋骨縫合早期癒合症などの病気がないか確認をします。その後の診察ではノギスという計測器で頭の形の歪みを確認し、重症度を評価します。その上でヘルメット治療などの治療方法についてご説明し、お母さんと一緒に治療方針を決めていきます。初診は約30~40分かかることが多いです。ヘルメット治療を行う場合、4週~6週に1回再診に来ていただいています。頭の形のスキャンはヘルメット作成時と、2回目・4回目の受診時に行いますが、3~4回目の受診で卒業される方が多いです。

頭の歪みの度合いの計測方法を教えていただけますでしょうか?

まずは視診とノギスの計測で頭の歪みの重症度を診断します。中等症以上の場合はヘルメット治療の適応範囲になります。自由診療のため患者さんの意思で治療するかどうかは決めていただきますが、患者さんから聞かれた場合には、最重症の場合はヘルメット治療を検討しても良いかもしれないとお話しています。最終的に、やるにせよやらないにせよ納得していただくことが大切だと思っています。

ヘルメット治療の効果はいかがですか?

もちろん個人差はありますが、治療の効果は実感しています。正直、初めは本当に効果があるのかな?と思っていましたが、治療後はポジティブな反応が多く、中等症や最重症の子供たちでも治療が進むにつれてお母さんたちは満足してくれることが多いです。

ヘルメット治療する上で大変なことはなんですか?

夏場は汗をかくので、臭いは気になる方がいるかもしれないですね。あとは、始めたての頃はズレ防止のパッドが付いていたとしても、上を向いたり動いたりするとヘルメットがずれてしまうことがあって、それが気になって夜も数時間ごとに起きてヘルメットを戻しているという方がいらっしゃいました。頭が大きくなってくればだんだんフィットしてズレなくなってくるので、起きた時に気づいたら直す程度で、あまり意識しなくて大丈夫です。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

気になったら早めに受診することが大切です。頭の形がずっと気になってはいたけどこのタイミングになってしまった、と月齢が10~11カ月くらいのころに受診される方が結構いらっしゃり、この時期からのヘルメット治療は難しいとお伝えすると、もっと早くこればよかったとおっしゃいます。受診が遅れてしまって何もできないのはもったいない気がしますので、少しでも気になることがあればまずは相談に来てください。来ていただいた上で問題がなければそれで良いですし、治療を検討した方が良さそうであれば、その時に改めて考えれば良いのではないかと思います。

ヘルメット治療について

治療の流れ

初診ではレントゲンを撮り、頭蓋骨縫合早期癒合症などの病気がないか確認をします。その後計測器で頭の形の歪みを確認し、重症度を評価します。治療方法についてご説明し、一緒に治療方針を決めていきます。

費用

スタッフまでお尋ねください。

診察日時

火曜日

予約

まずはお電話でお問い合わせください。

相談窓口

042-558-0321

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電車・バスでお越しの方: ■電車をご利用の方 JR武蔵五日市線 武蔵引田駅より 徒歩約5分 ■バスをご利用の方 JR武蔵五日市線 秋川駅より 「阿伎留医療センター、日の出折り返し場」行きバスにて約10分 「阿伎留医療センター」下車 JR青梅線 福生駅より 「阿伎留医療センター、日の出折り返し場」行きバスにて約25分 「阿伎留医療センター」下車 JR青梅線・八高線・武蔵五日市線、西武拝島線 拝島駅より 「阿伎留医療センター」行きバスにて約30分 「阿伎留医療センター」下車

お車でお越しの方: 圏央道 日の出インターより 約3分