公開日2025年1月23日
赤ちゃんの頭の形が気になる方へ ー 吉澤先生が教える治療の流れとタイミング
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先生が診察の時に心がけていることを教えてください。
患者さんが何を望んでいるのかをきちんと理解することですね。同じ病気にかかっている人だとしても、それぞれの患者さんの望むポイントはすこしずつ違っているので、その方にとって何が心配なのかということをうまく汲み取れるように心がけています。
あとは、明確な回答をすることです。私は小児外科の専門ですが、外科の診察では、手術をするかしないかを判断しなければならない状況が多々あります。今すぐに手術をしないといけないのか、それとも今の時点では手術する必要が無いのか、2択に分かれるので、どちらでもないということは有り得ません。今の段階で何をしなくてはいけないのかを明確にし、患者さんにも分かりやすく伝えることが重要です。
クリニックの特徴を教えてください。
クリニックの特徴としては、大学病院から小児科の専門医と小児外科の専門医、両方が来て診療をしていることだと思います。
他には、小児外科では機能的に問題が無くても見た目が気になるという悩みで手術することは結構ありますので、そういった悩みに対する治療は積極的に行っています。例えば顔のあざなどに対してのレーザー治療や、いわゆるでべその手術などです。でべそに関しても特に体に害があるわけではないのですが、水泳やダンスの発表会、バレエなどでレオタードを着るときなどにおへそが気になるという人がいます。あと、胸の真ん中がへこんでいる漏斗胸や、女の子に多い体毛の悩みで小学校の高学年くらいで脱毛に来る方もいます。一昔前までは、子どもたちの見た目の悩みはそこまで重要視されていませんでしたが、そういった悩みを解決してあげたいと思っています。頭のゆがみに関する治療についても、そのような思いから始めました。
ご希望があれば日曜日に日帰り手術を行ったり、頭のゆがみを診たりすることもできます。
ヘルメット治療を始めた経緯を教えてください。
知り合いの先生がヘルメット治療を行っていたこともあり、存在については以前から知っていました。ただ、私は保育園に行って診察をすることもあるのですが、当初は保育園の子どもたちがヘルメットをかぶっていると汗をすごくかいてしまっているのを見て、汗だくになってまで効果があるものなのか疑問がだったんです。ただ、より良いヘルメットが開発されてそれもだんだん改善されてきていることがわかったので、それならやってみようと思いました。
もう一つは、ベビーバンドは経済面や治療中の手間などが患者さんにとって負担軽減できているのも大きいです。
頭のゆがみの診療を始めてみて、何か感じられたことがあれば教えてください。
頭のゆがみの相談に来られる方は、ここに来るまでに結構悩んでから来られるようです。治療があることは知っていたけれど、どうしようかと考えているうちに治療可能な月齢が過ぎてしまうことがあります。だから、最初に頭のゆがみに気が付いた段階ですぐにクリニックを受診し、写真を撮って精密に評価することをお勧めします。早い段階で来ていただいた方が治療期間も短く、形もより良くなることが多いです。クリニックに来るハードルをもう少し下げて、健診のつもりで来ていただければと思っています。
親御さんが躊躇される理由として、1つは、人は良い方に解釈しがちなので、自然に治るかもしれないという考えに引っ張られてしまうことですね。だいたいみんな良い方向に考えて、なかなか良くならないから来院するという流れになるわけです。それから、命にかかわることであればすぐに対応される方が多いですが、元気な子どもの頭が少しゆがんでいても、今すぐ具合が悪くなるわけじゃなければ、優先順位は下がってしまいますよね。
少しでも気になるようであれば、3か月健診と同時くらいに、頭の形を評価するために来ていただければと思います。
頭のゆがみの診察の流れを教えてください。
初診ではまず専用のカメラで写真を撮り、頭の3Dデータやゆがみの重症度を解析している間に、首の超音波をして斜頸の有無をチェックさせてもらっています。
斜頸があると向き癖がついてしまうのでお顔や頭が歪んでしまうケースがあります。頭の形だけじゃなくて、周辺の病気があるかないかというのはチェックしています。解析には30分ほど時間がかかるので、お待ちいただいている間は少し外出していただいて構いません。近くに公園もありますし、スタバもあるのでお茶など自由にしていただければと思っています。戻られる頃には結果が出ています。結果のご説明をし、ゆがみの程度が中等度、重症、最重症の場合はヘルメット治療の適応になりますので、ご希望があればヘルメット治療に進んでいただく流れです。1~2週間後には実際にヘルメットを装着して治療ができます。
受診をする月齢はどのくらいからがよいですか?
特に縛りはないですが、ヘルメット治療を開始するのは3ヶ月くらいの首が座るころを目安にしています。頭の歪みがある場合、もしかすると斜頸があるかもしれないのでそのチェックや、向き癖への対処などのアドバイスができますので、気になるようであればもちろんそれより早めに来てもらって構いません。
頭のゆがみの診察の予約の取り方を教えてください
電話でもWebでも予約可能です。
少し気になる程度でも計測したほうがよいのでしょうか?
もし解析をした結果、頭のゆがみが軽症だった場合もそれはそれで治療の必要がないことがわかり安心できるのは良いことだと思います。「頭のゆがみの治療をやらなくちゃいけないかもしれない」とずっと不安に思っているよりは、一度計測をしてみれば、規定がはっきりしているので必要ないようであればそれは安心できる材料になりますし、やったほうがいいということであれば、それは早く始めたほうがいい。結果が早くわかることが次のステップと安心への材料になりますから。
再診はどのくらいの頻度ですか?
1ヶ月に1回くらい来ていただいて、その時はカメラで撮影して計測を行い、頭の形の経過を確認します。あとは、肌に赤みや湿疹などのトラブルがないかどうかもチェックします。
親御さんへのメッセージをお願いします。
まず、悩まず行動することですね。自分たちだけで悩まずに、受診するという行動に移すことが大切です。そんなにハードル高く考えず、気軽に受診していただければと思います。自然に治るだろうと良い方向だけに考えるのではなく、一度来院していただいて、今の状態を正しく評価するということをおすすめします。
ヘルメット治療について
治療の流れ
初診ではまず専用のカメラで写真を撮り、頭の3Dデータやゆがみの重症度を解析している間に、首の超音波をして斜頸の有無をチェックします。 ヘルメット治療の適応の場合、ご希望があれば治療に進んでいただく流れです。
費用
当院スタッフまでお尋ねください。
診察日時
月~金曜日 午前 (日曜日ご希望の場合はご相談ください。)
予約
電話・Webでご予約を承っています。
相談窓口
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アクセス
電車・バスでお越しの方: 池袋地下道39番出口から徒歩2分
お車でお越しの方: 最寄りのパーキングに駐車ください。