公開日 2025/01/30
【医師解説】生後8ヶ月の赤ちゃんの特徴は?離乳食やミルク量などお世話のポイントを解説
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目次
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武田 賢大 先生
生後8ヶ月を迎えた赤ちゃんは、どのくらい成長しているのでしょうか。離乳食は順調に進んでいますか?ミルクの量は適切でしょうか。赤ちゃんの発達に合わせて、お世話の方法も変化していきます。本記事では、生後8ヶ月の赤ちゃんの発達の特徴や、離乳食とミルクについてのポイント、安全と健康管理、ママのセルフケアなどを詳しく解説します。赤ちゃんの成長に寄り添いながら、楽しく育児をしていきましょう。
生後8ヶ月の赤ちゃんの発達とお世話のポイント
生後8ヶ月の赤ちゃんは、寝返りやおすわりに加えて、ハイハイやつかまり立ちなど行動範囲が大きく広がります。ただし、個人差が大きい時期でもあるため、焦らずに赤ちゃんのペースを見守りながら、離乳食やミルクとのバランスも含めて生活リズムを整えていくことが大切です。ここでは、身体的・精神的な発達の特徴や、毎日のお世話で気をつけたいポイントを詳しく見ていきましょう。
生後8ヶ月の赤ちゃんの身体的発達
生後8ヶ月の赤ちゃんは、身長や体重の個人差が大きくなる時期です。厚生労働省の平成22年乳幼児身体発育調査報告書によると、男児の平均身長は66.3~75.0cm、女児は64.4~73.2cmです。体重は男児が7.0~10.1kg、女児が6.5~9.6kgとなっています。ただし、これらの数値はあくまで平均値であり、赤ちゃんの発達には生後8ヶ月といっても個人差が大きいので、数字にとらわれすぎず見守ることが大切です。この時期の赤ちゃんは、首すわりから下半身への体の発達が進んで、おすわりが安定してきます。また、ハイハイを始める赤ちゃんも多くなりますが、一方でハイハイしないまま次のステップに移行する赤ちゃんもいます。赤ちゃんの発達はそれぞれ違うので、あせらず見守りましょう。
生後8ヶ月の赤ちゃんの体重や身長の目安を、以下の表にまとめました。
項目 | 男の子 | 女の子 |
体重 | 7.0~10.1kg | 7.0~10.1kg |
身長 | 66.3~75.0cm | 64.4~73.2cm |
おむつのサイズ | Mサイズ | |
服のサイズ | 70~80センチ |
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生後8か月の運動機能と手先の成長
生後8ヶ月の赤ちゃんは、移動方法が多様化してきます。通常のハイハイに加えて、ずりばい(ひじを使って体をひきずる)やシャフリング(おすわり姿勢で足をこぐ)など、様々なバリエーションが見られるようになります。 また、手先の発達も著しく、親指を器用に使えるようになり、上手に小さな物をつかめるようになります。両手の協調性も高まり、玩具を持ち替えたり、両手で積み木を打ち合わせたりするようになります。服の飾り、ヒモ、ボタンを引っ張ることにも興味を示すようになるでしょう。 ただし、手先の発達に伴い、事故のリスクも高まります。電気製品やコードの管理、調理器具や文具の適切な保管、毒性物質の管理など、十分に気をつけましょう。特にボタン電池や洗剤、漂白剤、消臭剤、防虫剤、家族の薬、タバコなどは、赤ちゃんが触れられない場所にしまっておくと安心です。
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生後8か月の情緒とおしゃべりの発達
生後8ヶ月の赤ちゃんは、名前を呼ばれると反応したり、「まんま」など簡単な言葉を理解し始めます。赤ちゃん特有の言葉である喃語が増え、抑揚をつけておしゃべりを楽しむ姿もよく見られます。
情緒面では、親しい人に笑顔を向ける一方、見知らぬ人に警戒する「人見知り」や「ママやパパと離れることを不安がる気持ち」が現れることがあります。これは愛着形成の一環で、赤ちゃんが安心できるよう、やさしく声をかけたり抱っこしたりすることを心がけましょう。
また、自分でやりたがる気持ちが芽生える時期でもあり、自主性を尊重しつつ、安全のためのルールを柔軟に設けることが求められます。赤ちゃんの気持ちを汲み取りながら、安心感と自立心を育むことが大切です。
生後8か月の生活リズム:昼寝と夜間の睡眠を整えるポイント
生後8ヶ月の赤ちゃんは、1日の睡眠時間が徐々に短くなり、夜にまとまって眠る時間が長くなる子もいますが、これはあくまで一般的な傾向です。日中は2~3回の昼寝をすることが多いものの、昼寝の回数や1回あたりの長さは赤ちゃんによってさまざまなので、無理にスケジュールを合わせるより、赤ちゃんのリズムを大切にしましょう。夜間の授乳を減らしながら、昼間にしっかり遊ばせて生活リズムを整えていくとスムーズですが、焦らずゆっくり進めて大丈夫です。
また、この時期は赤ちゃんの活動量が増えることで、どうしてもお世話にかかる時間が多くなったと感じるかもしれません。しかし、負担が増えるタイミングやその度合いはご家庭によって違います。夜泣きが減って楽になるケースもあれば、動きが活発になり常に目を離せず大変に感じるケースもあるでしょう。もし疲れを感じたら、育児の方法を見直したり、家族や専門家の手を借りるなどの工夫をしてみてください。ママ自身も正しい抱っこの姿勢を身につけたり、ストレッチを取り入れたりして、体調管理に気を配ることが大切です。
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生後8か月の赤ちゃんに合わせた離乳食とミルクの進め方
生後8ヶ月を迎えると、離乳食は1日2~3回ほどになり、食材のバリエーションも増やしやすくなってきます。ただし、赤ちゃんの消化機能やアレルギーのリスクには個人差があるため、新しい食材を試すときは赤ちゃんの反応をよく観察しながら少しずつ進めることが大切です。離乳食が増えても母乳やミルクは依然として大切な栄養源であり、赤ちゃんの情緒面でも重要な役割を担っています。
離乳食の進め方やおすすめメニュー、ミルクとの上手な組み合わせ方などを詳しく解説していきます。赤ちゃんの様子を見ながら、無理なくバランスよく食事をとらせるためのポイントを一緒に見ていきましょう。
生後8か月の赤ちゃんに適した離乳食の進め方と注意点
赤ちゃんの消化器官が発達するこの時期は、離乳食ではいろいろな食材や調理法を試してみると、赤ちゃんの好みを発見しやすいです。野菜や果物をみじん切りにしたり、柔らかく煮込んだ肉を与えたりして、咀嚼機能を発達させます。卵や乳製品、小麦などアレルギーが起こりやすい食材は、まずは少しだけ与えてみて、ハチミツや生魚など感染症リスクのあるものは避けてください。
生後8か月の赤ちゃんが必要とする離乳食の回数と量
1日の離乳食の回数は2~3回、1回の量は約50~80gが目安です。赤ちゃんの食欲や成長に合わせて量を調整し、赤ちゃんが嫌がるときは無理をせず、食べ物に興味を持ったときに少しずつ進めていきましょう。食欲があるようなら少し量を増やしてみて、体重の増え具合を見ながら調整していきましょう。
生後8か月の赤ちゃんにおすすめの離乳食メニューと調理方法
生後8ヶ月の赤ちゃんには、栄養バランスが良く、かつ消化に優しいメニューを意識するのがポイントです。たとえば、やわらかく煮た野菜を裏ごししたスープや、細かく刻んだ鶏ささみと野菜の煮物、骨を取り除いて蒸した白身魚、絹ごし豆腐に野菜あんをかけたもの、すりおろしたバナナやりんごと混ぜたフルーツヨーグルトなどは、どれも胃腸への負担が少なく、赤ちゃんが食べやすいでしょう。調理の際は食材をしっかり加熱し、塩や砂糖などの調味料は極力控えるのが基本です。
一方で、「炭水化物は必要ないの?」という疑問を持つパパ・ママもいるかもしれません。炭水化物は赤ちゃんが成長するためのエネルギー源となる大切な栄養素です。米やパン、うどん、オートミールなどを、赤ちゃんが食べやすいように柔らかく調理して取り入れてみましょう。たとえば、お粥や軟飯に野菜スープやおかずを組み合わせたり、パンがゆにバナナを加えたりするなど、少しずつ赤ちゃんの好みに合わせてアレンジしていくと食の幅が広がります。
離乳食の進め方は赤ちゃんの個人差が大きいので、無理に同じメニューや量を続けるよりも、赤ちゃんの反応や体調に合わせることが大切です。初めて食べる食材には少量から慣らし、アレルギーの有無にも注意を払いつつ、赤ちゃんの様子を観察しながら少しずつバリエーションを増やしていきましょう。もし疑問や不安があるときは、かかりつけの小児科や保健センターなどに相談してみると安心です。
生後8か月の赤ちゃんに必要なミルクの役割とバランスの取り方
生後8ヶ月になっても、母乳やミルクは赤ちゃんの重要な栄養源であり続けます。この時期のミルクは、離乳食で不足しがちな栄養素を補うだけでなく、赤ちゃんの情緒面での安定にも役立ちます。授乳のひと時は、赤ちゃんとママにとってとても大切なスキンシップの時間にもなります。生後8ヶ月の赤ちゃんの1日のミルク量は、600~800ml程度が目安とされています。ただし、離乳食の量や間隔によって、ミルクの必要量は個人差が大きくなります。赤ちゃんの様子を見ながら、離乳食とミルクのバランスを調整していくことが大切です。また、ミルクは赤ちゃんの喉の渇きを癒すこともできるので、食事の合間や寝る前などに、必要に応じて与えるとよいでしょう。
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生後8か月の赤ちゃんの安全と健康管理のポイント
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生後8ヶ月になると、ハイハイやおすわりなどで赤ちゃんの行動範囲が一気に広がり、転落や誤飲、やけどなど思わぬ事故のリスクも高まります。本章では、家庭内の環境整備やよくある事故の予防策、歯のケアなど、安全と健康を守るために知っておきたいポイントをまとめました。予防接種や定期検診を上手に活用しながら、赤ちゃんの健康管理と安心できる生活環境づくりを進めていきましょう。
生後8か月の赤ちゃんを守る家庭内環境の整え方
生後8ヶ月の赤ちゃんはハイハイや伝い歩きなどで行動範囲が広がるため、家庭内での事故リスクも増えます。電気ポットやトースターなどの家電は手の届かない場所に置き、コード類も整理してやけどを防ぎましょう。ストーブやファンヒーターには安全柵を設置し、テーブルクロスを使わないなどの工夫で熱い飲み物をこぼす事故を防ぐことができます。包丁やガラス製品はロック付きの引き出しに保管し、洗剤や薬品、タバコなどの毒性物質は厳重に管理しておきましょう。赤ちゃんの行動をこまめに観察し、成長に合わせて危険物の置き場所を見直すことで、安心して過ごせる環境を作ることができます。
生後8か月によくある事故と安全対策の基本
この時期によく起こる事故としては、転倒・転落、やけど、誤飲、窒息などが挙げられます。転落防止には、ベビーゲートを設置して階段や危険な場所への立ち入りを制限したり、ベビーベッドの柵を忘れずに上げるなどの対策が大切です。やけどを防ぐにはお風呂やキッチンまわりの温度管理に注意し、赤ちゃんを入浴させる際は大人が先に入って湯加減を確かめておきましょう。誤飲や窒息防止には、小さな玩具やビニール袋、コインなどを手の届くところに置かないことが基本です。食事のときは大人がそばにつき、食べ物を小さく切ってあげるなどの配慮をしながら安全に食べさせてください。
生後8か月の赤ちゃんの歯を守る口腔ケアの始め方
生後8ヶ月頃になると、下の前歯が生え始める赤ちゃんも増えてきます。最初はお茶や水を飲ませて、口の中を軽くすすぐようなイメージでケアを始めましょう。その後、ガーゼや綿棒、歯のお手入れティッシュなどを使って、優しく歯を拭くとよいでしょう。歯ブラシを使うタイミングは個人差がありますが、この時期から少しずつ慣らしても問題ありません。赤ちゃんが歯磨きを嫌がる場合は、無理せず表情や声かけを工夫しながら、少しずつ楽しい印象を持たせることが大切です。歯のケアを習慣づけることで、口腔トラブルの予防にもつながります。
生後8か月の赤ちゃんを病気から守るための予防と対応方法
生後8ヶ月の赤ちゃんは免疫システムが未熟なため、風邪、中耳炎、胃腸炎などの病気にかかりやすい時期です。健康を守るためには、以下のポイントに注意しましょう。
生後8か月の赤ちゃんの病気を防ぐための環境づくり
適切な衣服選びや室内の温度・湿度管理を心がけ、赤ちゃんが快適に過ごせる環境を整えましょう。湿度は50~60%程度が目安です。外出時には天候に応じた防寒対策を行い、人混みを避けることで感染リスクを減らすことができます。
また、定期的な予防接種は必須です。B型肝炎、ロタウイルス、ヒブ、小児用肺炎球菌、四種混合(ジフテリア、百日咳、破傷風、不活化ポリオ)、または五種混合(四種混合+ヒブ)、BCG、麻しん風しん混合(MR)などの接種スケジュールを確認し、適切な時期に接種を行いましょう。順調にワクチンが進んでいればB型肝炎の3回目が終了して1歳前に予定されているワクチンが全て終了する時期です。1歳から始まる麻しん風しん混合(MR)などのスケジュールも確認しておきましょう。
生後8か月の赤ちゃんが病気の兆候を示したときの正しい対応
赤ちゃんが病気の兆候を示した場合は、早めに医療機関を受診してください。特に、高熱、嘔吐、下痢、咳込み、呼吸困難などの症状がある場合は、速やかな診察が必要です。病気が進行すると、赤ちゃんに大きな負担がかかるため、自己判断で薬を使うことは避け、医師の指示に従いましょう。
生後8か月の赤ちゃんの健康を守るための日々の観察とケア
赤ちゃんの体調を日々注意深く観察することが大切です。元気がない、ぐったりしている、食欲が落ちているといった小さな変化も見逃さないようにしましょう。また、病気予防には、毎日の離乳食で栄養をしっかりとり、十分に休むことも、赤ちゃんが病気に負けない力をつけるポイントです。
産後8か月のママが健康でいるためのセルフケア方法
産後8ヶ月を迎えると、赤ちゃんの成長がいっそうめざましくなる一方で、ママの疲れや体の不調が気になり始める時期でもあります。ここでは、産後の体調管理や心のケア、疲れをやわらげる過ごし方など、ママ自身をいたわるためのセルフケアについてご紹介します。5この章では、肩こりや腰痛対策、栄養バランスのとり方、リフレッシュのヒントなどを詳しく解説していきましょう。
産後8か月のママの体を回復させるために取り組むべきこと
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産後8ヶ月は体が徐々に妊娠前の状態に戻る時期ですが、完全な回復には時間がかかります。骨盤底筋体操や軽いウォーキングで骨盤の回復を促しましょう。また、授乳後は適切なブラを着用してバストケアを忘れずに行いましょう。
肩こりや腰痛を予防するための対策とケア方法
赤ちゃんの抱っこで肩こりや腰痛が起きやすい時期です。ストレッチや肩甲骨の運動、赤ちゃんを抱き上げる際の正しい姿勢を心がけましょう。無理せず、必要に応じてサポートを受けることも大切です。
産後8か月のママに必要な栄養バランスの整え方
授乳や育児で忙しい中でも、たんぱく質、鉄分、カルシウム、ビタミンを意識した食事を心がけましょう。肉や魚、野菜、果物をバランスよく摂り、水分補給も忘れずに行いましょう。栄養のある食事は、体力回復と母乳の質向上に役立ちます。
忙しい育児中でもできるママのリフレッシュとストレス解消法
育児の疲れを癒すため、ぬるめのお風呂やアロマでリラックスしましょう。趣味の時間を作ることも効果的です。赤ちゃんが寝ている間に好きなことをすることで、心身のリフレッシュが図れます。
生後8か月の赤ちゃんとの楽しい育児を続けるために
生後8ヶ月を迎えた赤ちゃんは、身体的にも精神的にも大きな発達を遂げます。離乳食の進め方やミルクの適量、運動機能や手先の発達など、成長に合わせたお世話が求められるでしょう。事故防止のための環境整備や、歯のケア、病気の予防と対処法にも注意が必要ですね。ママ自身も産後の体の変化や育児疲れに向き合いながら、バランスの取れた食事とリフレッシュを心がけましょう。赤ちゃんの成長に寄り添い、楽しく育児をしていきましょう。