公開日 2023/09/27
【医師解説】6,7ヶ月健診の受診は義務?健診の内容や費用について
目次
さの赤ちゃんこどもクリニック 院長
佐野 博之 先生
Q.6,7ヶ月健診とはどのようなものでしょうか?
A.生後6,7ヶ月頃の赤ちゃんが受ける発育や発達、栄養状態の確認や先天的な病気の有無・早期発見などを目的とする乳幼児健康診査で、一般的には、乳児健診や乳幼児健診と呼ばれます。自治体が必要に応じて行っている健診で受診義務はありませんが、生後6〜7ヶ月の赤ちゃんは、成長と発達の面でさまざまな重要な変化が起きる時期です。身体的な成長や発達、健康状態を確認するなど、ご家族にとって大切な情報を提供する大事な機会になります。
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Q.6,7ヶ月健診では何をチェックするのでしょうか?
A.ミルクや離乳食の量、進み具合、排尿・排泄の回数、1日の生活リズム、ママ・パパの呼びかけに反応するかなど、普段の赤ちゃんの様子を伺います。また、身体測定・おすわりの確認・反射反応の確認(引き起こし反射など)・追視の確認・ハンカチテスト・乳歯の生え具合などをチェックします。細かい内容は医療機関によって異なることもあります。
身体測定
赤ちゃんの身長、体重、頭囲などを計測し結果を、母子健康手帳に記載します。
参考:生後6ヶ月 身長・体重の目安
■男の子/身長63.6~72.1cm 体重6.44~9.57kg
■女の子/身長61.7~70.4cm 体重6.06~9.05kg
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参考:生後7ヶ月 身長・体重の目安
■男の子/身長66.3~73.6cm 体重6.73~9.87kg
■女の子/身長63.1~71.9cm 体重6.32~9.37kg
※厚生労働省 平成22年乳幼児身体発育調査報告書
おすわりの確認
A.生後6ヶ月頃であれば、両手をついて一人で数秒間座れれば、おすわりできていると判断します。生後7ヶ月頃であれば、背を伸ばして一人で座ることができるようになる子もいます。突然バランスを崩してしまうこともあるので、一人で座らせる際には注意が必要です。
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反射反応の確認(引き起こし反射)
引き起こすときに、始めから頭が身体と平行してつ いてくる。上肢は屈曲して腕に力が入る。 下肢は屈曲して腹部に近づくかどうかを確認します。引き起こすとき、棒 のように立ってしまったり、逆に、上肢の屈曲がみられず、頭が背屈してしまう場合は注意が必要です。
追視の確認
生後6ヶ月ころになると、追視も上下左右と細かくできたり、動くものに対しても目で追いかけたりできるようになってくるので、動くものに対して、しっかり目で追いかけているかどうかをチェックします。
ハンカチテスト
赤ちゃんを仰向けに寝せたうえで、顔にハンカチをかぶせ、自分の手で払いのけることができるかをチェックします。6ヶ月未満の赤ちゃんにはこの動作がなかなかできません。ハンカチを払いのけることができるということは、ハンカチを脳で認知し、手で掴みとるという協調運動が正常に働き、知能発達ができているということになります。物を認識し、掴めるようにならないと掴まり立ちができないので、この時期にハンカチテストが上手くできないのであれば、精密検査が必要になることもあります。
乳歯の確認
生後6か月頃から、下の前歯から順番に生えてくるので、乳歯が生えてきているかどうかを確認します。歯の生えるタイミングは個人差が大きいので、このタイミングで生えていなくても問題ありませんが、ご不安でしたらかかりつけの医師に相談してみてください。
Q.当日必要な持ち物を教えてください。
A.必要なものは事前に各医療機関から伝えられます。他の健診の時と持ち物は大きく変わらず、概ね以下のものを持っていけば大丈夫です。
<必ず必要な持ち物>
- 母子健康手帳
- 健康保険証
- 乳幼児医療費受給者証
- 乳幼児健康診査受診票
- 診察券
- 問診票
- 健診の費用
<その他必要な持ち物>
- 着替え 1~2セット(肌着1枚+ベビー服1枚で1セット)
- おむつ 最低でも3~5枚
- おしりふき
- ビニール袋2〜3枚
- ガーゼ 1~2枚
- おくるみor大きめのバスタオル
- 授乳ケープ
- 哺乳びん
- 授乳用ミルク
- 調乳用のお湯
Q.健診の費用を教えてください。
A.自治体で実施される乳幼児健診は、 基本的には無料です。ただし、自治体から指定されている期間外に任意で乳幼児健診を受ける場合は、数千円程度がかかるケースもあります。任意の乳幼児健診の費用については、自治体によって対応が異なるため、お住まいの自治体公式ホームページ等で確認してみてください。
Q.赤ちゃんの服装について教えてください。
A.診察や測定時はすぐにおむつ1枚になれるよう、前開きタイプの着脱しやすい服装がおすすめです。また保温や日除けのためにおくるみが1枚あると便利です。
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Q.6,7ヶ月健診ではどのような相談が多いですか?
A.離乳食に関する相談や、夜泣き、湿疹などの皮膚トラブルのご相談をよくいただきます。他には向き癖や頭のゆがみなどに関する相談もあります。
生後3ヶ月頃までであれば、体位変換やタミータイムなどを適切に行うことで頭の歪みが改善することもありますが、生後6ヶ月頃になってくると自然経過の中での改善はむずかしくなってきます。もし、頭の変形や左右差が気になるようでしたら、早めに専門の病院に相談することをおすすめいたします。
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