公開日 2025/04/10

【医師解説】赤ちゃんの脱水症状に気をつけよう|症状・予防・応急処置について

thumbnail

武田 賢大 先生

赤ちゃんの身体は大人と比べて水分の割合が多く、一見すると脱水しにくいように思えるかもしれません。ところが実際は、赤ちゃんは脱水症状になりやすい特徴を持っています。特に生後間もない赤ちゃんは体の仕組みが未熟なため、ちょっとした体調不良が重症化しやすいのです。
そのため、日頃から脱水症状に対する正しい知識を持ち、早期に対応することが赤ちゃんの健康を守る大切なポイントとなります。
この記事では、赤ちゃんの脱水症状の見分け方から予防法、家庭でできる応急処置まで、赤ちゃんを守るために大切な知識をお伝えします。いざという時に慌てないよう、ぜひ最後までお読みください。

赤ちゃんの脱水症状とは?知っておきたい特徴と見分け方

赤ちゃんの脱水症状とは、体内の水分バランスが崩れた状態を指します。大人であれば「喉が渇いた」と自分で訴えることができますが、赤ちゃんは自分の状態を言葉で伝えることができません。
そのため、パパ・ママが日頃の様子と比べて変化に気づいてあげることが重要です。脱水症状は進行すると危険な状態に陥ることもあるため、早期発見と適切な対応が必要です。

脱水症状のレベル別チェックポイント|軽度〜重度の違いとは

脱水症状は軽度、中等度、重度の3段階に分けることができます。
軽度の脱水では、普段より元気がなくなったり、おしっこの回数が減ったりといった変化が現れます。
中等度になると、ぐったりとした様子や機嫌の悪さが目立つようになり、おむつが長時間濡れないこともあります。
重度の脱水症状になると、皮膚の弾力が失われ、大泉門(頭の前部分の柔らかい部分)がへこんだり、手足が冷たくなったりします。また、泣いても涙が出ない、口の中が乾燥している、目が窪んで見えるといった症状も脱水のサインです。
赤ちゃんの様子がいつもと違うと感じたら、脱水症状を疑ってみることが大切です。

すぐ病院へ!赤ちゃんの危険な脱水サインとは

赤ちゃんの脱水症状の中には、すぐに医療機関を受診すべき緊急性の高いサインがあります。
例えば、いつもより明らかに元気がなく、声かけやオモチャへの反応が鈍い場合や、不機嫌で抱いてもあやしても泣き止まない場合は注意が必要です。また、意識がない、けいれんがある、呼吸が早くて荒い、手足が冷たくまだらな皮膚模様が見られるといった状態は危険信号です。
生後32ヶ月未満の赤ちゃんや基礎疾患のある赤ちゃんは特に注意が必要で、少しでも気になる症状があれば迷わず医療機関に相談しましょう。赤ちゃんの状態は急速に変化することがあるため、様子見は避け、早めの受診を心がけましょう。

元気に見えても要注意!軽度・中等度の脱水に気づくには

軽度から中等度の脱水症状では、赤ちゃんの機嫌や活動性は保たれていることが多いものの、いくつかの変化が現れます。例えば、おしっこの回数が減る、おしっこの色が濃くなる、皮膚の弾力が少し低下する、口の中がやや乾燥気味になるといった症状です。また、いつもより眠りがちになったり、授乳量が減ったりすることもあります。

こうした症状が見られたら、自宅での水分補給を丁寧に行いながら、症状の変化に注意しましょう。軽度から中等度の脱水であれば、適切な水分補給で回復することが多いですが、症状が悪化したり、24時間以上改善が見られない場合は医療機関を受診することをお勧めします。特に発熱を伴う場合や、嘔吐や下痢が続く場合は注意が必要です。

赤ちゃんを脱水から守るには?日常でできる予防対策まとめ

赤ちゃん 帽子

赤ちゃんの脱水症状を予防するためには、日常生活の中での配慮が欠かせません。一度脱水になると赤ちゃんは水分摂取が困難になっていくため、予防は治療よりも大切です。胃腸炎などの体調不良の時や、特に暑い季節や体調を崩しやすい時期には、より一層の注意が必要です。
ここでは、赤ちゃんの脱水を防ぐための具体的な方法をご紹介します。

水分補給だけじゃない!日常生活でできる脱水予防法

日常生活における脱水予防の基本は、定期的な水分補給です。
授乳中の赤ちゃんであれば、母乳やミルクを欲しがるタイミングで十分に与えることが大切です。離乳食が始まっている赤ちゃんには、離乳食の合間にスプーンやマグで水分を与えましょう。
また、起床時や離乳食の時間、おやつの時間、入浴後などの定期的なタイミングでの水分補給を心がけましょう。水分として与えるものは、湯冷まし(軟水がおすすめ)や薄めの麦茶が適しています。ほうじ茶、番茶、玄米茶なども離乳食開始時期から与えることができます。
ただし、甘い飲み物やカフェインを含む飲み物は避けましょう。また、赤ちゃんの様子をよく観察し、ぐずりや不機嫌さが水分不足のサインかもしれないと意識することも大切です。おむつの状態をチェックし、おしっこの回数や色を確認することで、水分バランスを把握することができます。

季節ごとの脱水対策ポイント|夏も冬も油断禁物!

季節によって脱水予防のポイントは異なります。
夏場は高温多湿の環境で、赤ちゃんは汗をかきやすくなります。この時期は普段よりも頻繁に水分補給を行い、涼しい服装や環境を整えることが重要です。直射日光を避け、外出時は日陰を選んで移動するよう心がけましょう。
一方、冬場は室内の暖房で空気が乾燥するため、赤ちゃんの皮膚や粘膜からの水分蒸発が増えます。適切な湿度(50〜60%程度)を保つために加湿器を使用することをお勧めします。また、冬場でも十分な水分補給を忘れないようにしましょう。
季節の変わり目は体調を崩しやすい時期でもあるため、赤ちゃんの様子をより注意深く観察する必要があります。発熱や風邪の症状がある場合は、通常よりも水分補給の頻度を増やし、体温調節にも気を配りましょう。
季節に関わらず、赤ちゃんの体調や環境の変化に合わせて柔軟に対応することが脱水予防の鍵となります。

外出中の脱水対策|ベビーカー・車での注意点とは

外出時は特に脱水予防に気を配る必要があります。特に暑い季節の外出では、ベビーカー内の温度は大人が感じる温度よりも高くなりがちです。道路からの照り返しの熱も加わるため、できるだけ日陰を選んで移動し、外出時間も朝や夕方など比較的涼しい時間帯にしましょう。保冷剤を併用するなども有効です。
長時間の外出時には、赤ちゃん用の経口補水液や湯冷まし、麦茶などを持参し、定期的に水分補給をする時間を設けましょう。
また、車での移動時には特に注意が必要です。短時間であっても、赤ちゃんだけを車内に残すことは絶対に避けてください。車内は短時間で高温になり、赤ちゃんの体温調節機能では対応できず、重度の脱水や熱中症につながる危険があります。世界中で車内放置による悲しい事故が報告されていますので、どんなに短時間でも赤ちゃんを車内に一人にしないよう徹底しましょう。
外出先では定期的に赤ちゃんの様子を確認し、ぐったりしていたり顔色が悪かったりする場合は、すぐに涼しい場所に移動して水分補給を行いましょう。

室内も脱水に注意!温度・湿度の最適バランスとは

赤ちゃんが過ごす室内環境も脱水予防に重要な要素です。
室温は夏場で26〜28℃、冬場で20〜22℃程度を目安に調整しましょう。湿度は年間を通して50〜60%程度が理想的です。
エアコンや暖房を使用する際は、風が直接赤ちゃんに当たらないように注意し、乾燥しすぎないように加湿器を併用すると良いでしょう。
また、室内でも定期的に赤ちゃんの衣服や布団を調整し、汗をかいていないか確認することが大切です。就寝中は特に注意が必要で、布団や枕が汗で濡れていないか、体温が高くなっていないかをチェックしましょう。赤ちゃんの汗を早めに拭き取り、必要に応じて衣服を着替えさせることで、不快感を減らし、皮膚トラブルも予防できます。
ヘルメット治療を受けている赤ちゃんは特に頭部の汗に注意が必要です。ヘルメットの下は蒸れやすく、汗をかきやすいため、定期的にヘルメットを外して頭を拭いてあげましょう。

室内環境の調整は、季節や天候、時間帯によって柔軟に変えることが大切です。赤ちゃんの様子を見ながら、最適な環境を整えてあげましょう。

脱水かな?と思ったらすぐ実践!家庭でできる対応方法

脱水症状に気づいたら、速やかに適切な対応をすることが重要です。脱水の程度によって対応方法は異なりますが、基本は水分補給です。ただし、単なる水分補給ではなく、体内の電解質バランスも考慮した補給が必要になります。
ここでは、脱水症状が現れた時の家庭での対応方法から医療機関を受診すべき状況までを詳しく解説します。

軽い脱水ならこれでOK!おうちでの応急処置のコツ

軽度から中等度の脱水症状であれば、家庭での応急処置が可能です。
まず、赤ちゃんを涼しい環境に移し、余分な衣服を脱がせて体温の上昇を抑えましょう。
次に、適切な水分補給を行います。母乳やミルクを飲んでいる赤ちゃんであれば、通常よりも頻繁に授乳することで水分と栄養を補給できます。離乳食が始まっている赤ちゃんには、経口補水液を少量ずつ頻繁に与えることが効果的です。
ただし、水やお茶だけでは電解質のバランスが取れないため、経口補水液を使用することをお勧めします。経口補水液は薬局やドラッグストアで購入できますので、家庭の救急セットとして常備しておくと安心です。
水分補給は一度に大量に与えるのではなく、小さじ1杯程度から始めて、5〜10分おきに少しずつ量を増やしていきましょう。急に大量の水分を与えると、嘔吐を誘発する可能性があるので注意が必要です。
また、脱水症状と同時に発熱がある場合は、体を冷やす処置も行いましょう。ぬるま湯で体を拭いたり、脇の下や首、足の付け根などに冷たいタオルを当てたりするのが効果的です。応急処置を行っても症状が改善しない場合や、悪化する場合は迷わず医療機関を受診してください。

 経口補水療法のやり方|赤ちゃんに安心して与える方法

経口補水療法とは、適切な濃度の糖分と電解質(ナトリウム、カリウムなど)を含んだ溶液を経口摂取することで、脱水状態を改善する方法です。市販の経口補水液(OS-1など)を使用するのが最も簡単で確実ですが、手元にない場合は一時的に代用できる方法もあります。
母乳やミルクだけの時期の赤ちゃんは、そのまま母乳やミルクを継続できます。離乳食を併用しているお子さんであれば、50%に薄めたリンゴジュース、お味噌汁の上澄みなども代用できます。ただし、これらは一時的な対応であり、できるだけ早く適切な経口補水液を準備することをお勧めします。
経口補水液の与え方は、赤ちゃんの年齢や脱水の程度によって異なりますが、基本的には少量から始めて徐々に増やしていきます。哺乳瓶ではなく、スプーンやコップを使用し、むせないように注意しながら3〜4時間かけて少しずつ与えましょう。
経口補水療法中も赤ちゃんの様子をよく観察し、嘔吐や下痢が続く場合、機嫌が悪化する場合、水分を受け付けない場合などは医療機関を受診する必要があります。経口補水療法で症状が改善した後も、しばらくは通常よりも頻繁に水分を与え、赤ちゃんの様子を注意深く観察しましょう。

こんな時は迷わず病院へ!脱水で受診が必要なサイン

脱水症状が現れた場合、以下のような状況では速やかに医療機関を受診することをお勧めします。まず、重度の脱水症状のサインが一つでもある場合は緊急性が高いため、時間外や休日でも小児科や救急外来を受診してください。
具体的には、意識がない、けいれんがある、呼吸が早くて荒い、手足が冷たくまだらな皮膚模様がある、大泉門がへこんでいる、泣いても涙が出ないといった症状です。また、持続する嘔吐や大量の下痢(5回以上)がある場合も受診が必要です。
生後32ヶ月未満の赤ちゃんや基礎疾患のある赤ちゃんは脱水症状が急速に悪化する可能性があるため、早めの受診をお勧めします。
さらに、生後3ヶ月未満の赤ちゃんの38度以上の発熱、黄色や緑色の嘔吐(胆汁性嘔吐)や血性嘔吐、血便や黒色便、強い腹痛などがある場合も速やかに受診してください。経口補水療法を行っても症状が改善しない場合や、一度医療機関で治療を受けた後も症状が改善しない、または悪化している場合も再度受診が必要です。
医療機関に連絡する際は、赤ちゃんの症状(発熱の有無、嘔吐や下痢の頻度、水分摂取の状況など)を具体的に伝えるようにしましょう。


 脱水症状と間違えやすい病気|判断に迷ったらなるべく早く診察を

脱水症状と似た症状を示す病気もあるため、注意が必要です。
例えば、感染症の初期症状として元気がなくなったり、食欲が低下したりすることがあります。特に注意が必要なのは髄膜炎やウイルス性脳炎などの中枢神経系の感染症で、ぐったりした様子やけいれん、異常な泣き方などが見られることがあります。また、腸重積という腸が折り重なって詰まる病気では、間欠的な激しい腹痛と嘔吐が特徴で、進行すると血便が見られることもあります。
さらに、糖尿病や尿崩症などの内分泌疾患でも多飲多尿の症状から脱水に似た状態になることがあります。喉の痛みによる経口摂取困難から脱水をきたすヘルパンギーナや手足口病、熱中症、心筋炎や不整脈などの心臓病も注意が必要です。
赤ちゃんの状態を総合的に判断するためには、脱水症状だけでなく、発熱の有無、嘔吐や下痢の性状や頻度、痛みの様子などを詳しく観察することが大切です。判断に迷う場合は、小児科医に相談することをお勧めします。脱水の評価は小児科医でも難しいことがあるため、自己判断は避け、専門家の意見を求めることが赤ちゃんの安全を守るために重要です。

赤ちゃんの頭の形 測定

よくあるQ&A|赤ちゃんの脱水症状に関する疑問を解決!

「これって大丈夫?」「こんなときはどうしたらいいの?」と、具体的な疑問を持つパパ・ママも多いはずです。ここでは、保護者の方からよく寄せられる質問にわかりやすくお答えします。

Q. 赤ちゃんの脱水症状を家庭で見分けるポイントは何ですか?

A. 赤ちゃんの脱水症状を家庭で見分けるポイントはいくつかあります。まず、おむつの状態を確認しましょう。6時間以上おむつが濡れていない、おしっこの色が濃く量が少ない場合は脱水の可能性があります。
次に、口の中や唇の乾燥具合をチェックしてください。口の中が粘つきがなくカラカラに乾いている場合は注意が必要です。また、赤ちゃんの全体的な様子も重要なポイントです。普段より元気がない、ぐったりしている、不機嫌で泣き止まない、あるいは逆に無反応といった変化が見られる場合は脱水を疑いましょう。泣いても涙が出ない、皮膚の弾力が低下している(つまんだ皮膚がゆっくり戻る)、大泉門がへこんでいるといった症状も脱水のサインです。
これらの症状が見られたら、水分補給を試みながら、改善が見られない場合は医療機関を受診することをお勧めします。

Q. スポーツドリンクは赤ちゃんの脱水予防や治療に適していますか?

A. スポーツドリンクは赤ちゃんの脱水予防や治療には適していません。スポーツドリンクは糖分が多く含まれており、消化管からの水分吸収が悪くなり、却って下痢が増悪することがあります。
また、電解質のバランスも赤ちゃんに最適化されていないため、脱水治療には不向きです。さらに、スポーツドリンクを日常的に飲ませることで甘味に慣れてしまい、将来の食習慣にも影響を与えたり、虫歯のリスクも高まります。
長期的に大量摂取すると、栄養バランスの偏りからビタミンB12不足につながり、ウエルニッケ脳症という神経障害を引き起こす可能性もあります。
脱水予防には母乳やミルク、湯冷まし、薄めの麦茶が適しています。脱水症状が現れた場合は、市販の経口補水液(OS-1など)を使用するのが最も効果的です。どうしてもこれらがない場合には、緊急時の一時的な代用としてスポーツドリンクを使用する場合は、半分に薄めて、塩をひとつまみ加えて電解質バランスを調整するとよいでしょう。

Q. 赤ちゃんが嘔吐や下痢をしている時の水分補給はどうすればよいですか?

A. 赤ちゃんが嘔吐や下痢をしている時の水分補給は、少量ずつ頻繁に行うことが基本です。一度に大量の水分を与えると、胃に負担がかかり、さらに嘔吐を誘発する可能性があります。
まず、5〜10分おきに小さじ1杯程度の経口補水液を与え、これを受け付けるようであれば徐々に量を増やしていきましょう。母乳やミルクを飲んでいる赤ちゃんであれば、通常よりも短い時間で少量ずつ授乳することも効果的です。
嘔吐が続く場合は、嘔吐してから30分ほど胃を休ませた後に水分補給を再開しましょう。下痢の場合は、消化器系が弱っているため、水やお茶ではなく電解質バランスの整った経口補水液を使用することが重要です。経口補水液がない場合は、スポーツドリンクに塩をひとつまみ加えたものや、50%に薄めたリンゴジュース、お味噌汁の上澄みなどで代用できますが、できるだけ早く適切な経口補水液を準備しましょう。
嘔吐や下痢が24時間以上続く場合、または水分補給を試みても症状が改善しない、あるいは悪化する場合は医療機関を受診してください。

Q. 赤ちゃんの脱水症状と熱中症の違いは何ですか?

A. 赤ちゃんの脱水症状と熱中症は密接に関連していますが、いくつかの違いがあります。脱水症状は体内の水分が失われた状態を指し、様々な原因(発熱、嘔吐、下痢、不十分な水分摂取など)で起こります。
一方、熱中症は高温環境下で体温調節機能が追いつかなくなり、体内に熱がこもった状態を指します。熱中症の初期症状として脱水症状が現れることが多いため、両者は重なる部分が多いのです。
熱中症に特徴的な症状としては、皮膚の熱感、体温上昇、顔の紅潮などがあります。重症になると意識障害やけいれんを起こすこともあります。
対処法にも違いがあり、脱水症状の場合は水分と電解質の補給が中心となりますが、熱中症の場合はそれに加えて体を冷やす処置も重要になります。
ただし、赤ちゃんの場合は症状から両者を明確に区別することが難しいことも多いため、高温環境での体調不良が見られた場合は、水分補給と体を冷やす処置を並行して行い、症状が重い場合や改善が見られない場合は速やかに医療機関を受診することをお勧めします。

 5. 赤ちゃんの脱水は早めの気づきと対応がカギ

赤ちゃんは体の機能が未発達なため、脱水になりやすく、重症化も急速に進むことがあります。予防のためには、こまめな水分補給と赤ちゃんの様子を注意深く観察することが大切です。
軽度から中等度の脱水であれば、家庭での経口補水療法で改善が期待できますが、重度の脱水や危険なサインが見られる場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。特に、生後2ヶ月未満の赤ちゃんや基礎疾患のある赤ちゃんは、より慎重な対応が必要です。
正しい知識を身につけ、落ち着いて対処することで、安心して育児を続けられます。赤ちゃんの健康を守るためにも、早めの対応と専門家への相談を心がけていきましょう。

ヘルメット治療 シナぷしゅ

公開日 2025/04/10

【医師解説】赤ちゃんの脱水症状に気をつけよう|症状・予防・応急処置について

thumbnail

武田 賢大 先生

赤ちゃんの身体は大人と比べて水分の割合が多く、一見すると脱水しにくいように思えるかもしれません。ところが実際は、赤ちゃんは脱水症状になりやすい特徴を持っています。特に生後間もない赤ちゃんは体の仕組みが未熟なため、ちょっとした体調不良が重症化しやすいのです。
そのため、日頃から脱水症状に対する正しい知識を持ち、早期に対応することが赤ちゃんの健康を守る大切なポイントとなります。
この記事では、赤ちゃんの脱水症状の見分け方から予防法、家庭でできる応急処置まで、赤ちゃんを守るために大切な知識をお伝えします。いざという時に慌てないよう、ぜひ最後までお読みください。

赤ちゃんの脱水症状とは?知っておきたい特徴と見分け方

赤ちゃんの脱水症状とは、体内の水分バランスが崩れた状態を指します。大人であれば「喉が渇いた」と自分で訴えることができますが、赤ちゃんは自分の状態を言葉で伝えることができません。
そのため、パパ・ママが日頃の様子と比べて変化に気づいてあげることが重要です。脱水症状は進行すると危険な状態に陥ることもあるため、早期発見と適切な対応が必要です。

脱水症状のレベル別チェックポイント|軽度〜重度の違いとは

脱水症状は軽度、中等度、重度の3段階に分けることができます。
軽度の脱水では、普段より元気がなくなったり、おしっこの回数が減ったりといった変化が現れます。
中等度になると、ぐったりとした様子や機嫌の悪さが目立つようになり、おむつが長時間濡れないこともあります。
重度の脱水症状になると、皮膚の弾力が失われ、大泉門(頭の前部分の柔らかい部分)がへこんだり、手足が冷たくなったりします。また、泣いても涙が出ない、口の中が乾燥している、目が窪んで見えるといった症状も脱水のサインです。
赤ちゃんの様子がいつもと違うと感じたら、脱水症状を疑ってみることが大切です。

すぐ病院へ!赤ちゃんの危険な脱水サインとは

赤ちゃんの脱水症状の中には、すぐに医療機関を受診すべき緊急性の高いサインがあります。
例えば、いつもより明らかに元気がなく、声かけやオモチャへの反応が鈍い場合や、不機嫌で抱いてもあやしても泣き止まない場合は注意が必要です。また、意識がない、けいれんがある、呼吸が早くて荒い、手足が冷たくまだらな皮膚模様が見られるといった状態は危険信号です。
生後32ヶ月未満の赤ちゃんや基礎疾患のある赤ちゃんは特に注意が必要で、少しでも気になる症状があれば迷わず医療機関に相談しましょう。赤ちゃんの状態は急速に変化することがあるため、様子見は避け、早めの受診を心がけましょう。

元気に見えても要注意!軽度・中等度の脱水に気づくには

軽度から中等度の脱水症状では、赤ちゃんの機嫌や活動性は保たれていることが多いものの、いくつかの変化が現れます。例えば、おしっこの回数が減る、おしっこの色が濃くなる、皮膚の弾力が少し低下する、口の中がやや乾燥気味になるといった症状です。また、いつもより眠りがちになったり、授乳量が減ったりすることもあります。

こうした症状が見られたら、自宅での水分補給を丁寧に行いながら、症状の変化に注意しましょう。軽度から中等度の脱水であれば、適切な水分補給で回復することが多いですが、症状が悪化したり、24時間以上改善が見られない場合は医療機関を受診することをお勧めします。特に発熱を伴う場合や、嘔吐や下痢が続く場合は注意が必要です。

赤ちゃんを脱水から守るには?日常でできる予防対策まとめ

赤ちゃん 帽子

赤ちゃんの脱水症状を予防するためには、日常生活の中での配慮が欠かせません。一度脱水になると赤ちゃんは水分摂取が困難になっていくため、予防は治療よりも大切です。胃腸炎などの体調不良の時や、特に暑い季節や体調を崩しやすい時期には、より一層の注意が必要です。
ここでは、赤ちゃんの脱水を防ぐための具体的な方法をご紹介します。

水分補給だけじゃない!日常生活でできる脱水予防法

日常生活における脱水予防の基本は、定期的な水分補給です。
授乳中の赤ちゃんであれば、母乳やミルクを欲しがるタイミングで十分に与えることが大切です。離乳食が始まっている赤ちゃんには、離乳食の合間にスプーンやマグで水分を与えましょう。
また、起床時や離乳食の時間、おやつの時間、入浴後などの定期的なタイミングでの水分補給を心がけましょう。水分として与えるものは、湯冷まし(軟水がおすすめ)や薄めの麦茶が適しています。ほうじ茶、番茶、玄米茶なども離乳食開始時期から与えることができます。
ただし、甘い飲み物やカフェインを含む飲み物は避けましょう。また、赤ちゃんの様子をよく観察し、ぐずりや不機嫌さが水分不足のサインかもしれないと意識することも大切です。おむつの状態をチェックし、おしっこの回数や色を確認することで、水分バランスを把握することができます。

季節ごとの脱水対策ポイント|夏も冬も油断禁物!

季節によって脱水予防のポイントは異なります。
夏場は高温多湿の環境で、赤ちゃんは汗をかきやすくなります。この時期は普段よりも頻繁に水分補給を行い、涼しい服装や環境を整えることが重要です。直射日光を避け、外出時は日陰を選んで移動するよう心がけましょう。
一方、冬場は室内の暖房で空気が乾燥するため、赤ちゃんの皮膚や粘膜からの水分蒸発が増えます。適切な湿度(50〜60%程度)を保つために加湿器を使用することをお勧めします。また、冬場でも十分な水分補給を忘れないようにしましょう。
季節の変わり目は体調を崩しやすい時期でもあるため、赤ちゃんの様子をより注意深く観察する必要があります。発熱や風邪の症状がある場合は、通常よりも水分補給の頻度を増やし、体温調節にも気を配りましょう。
季節に関わらず、赤ちゃんの体調や環境の変化に合わせて柔軟に対応することが脱水予防の鍵となります。

外出中の脱水対策|ベビーカー・車での注意点とは

外出時は特に脱水予防に気を配る必要があります。特に暑い季節の外出では、ベビーカー内の温度は大人が感じる温度よりも高くなりがちです。道路からの照り返しの熱も加わるため、できるだけ日陰を選んで移動し、外出時間も朝や夕方など比較的涼しい時間帯にしましょう。保冷剤を併用するなども有効です。
長時間の外出時には、赤ちゃん用の経口補水液や湯冷まし、麦茶などを持参し、定期的に水分補給をする時間を設けましょう。
また、車での移動時には特に注意が必要です。短時間であっても、赤ちゃんだけを車内に残すことは絶対に避けてください。車内は短時間で高温になり、赤ちゃんの体温調節機能では対応できず、重度の脱水や熱中症につながる危険があります。世界中で車内放置による悲しい事故が報告されていますので、どんなに短時間でも赤ちゃんを車内に一人にしないよう徹底しましょう。
外出先では定期的に赤ちゃんの様子を確認し、ぐったりしていたり顔色が悪かったりする場合は、すぐに涼しい場所に移動して水分補給を行いましょう。

室内も脱水に注意!温度・湿度の最適バランスとは

赤ちゃんが過ごす室内環境も脱水予防に重要な要素です。
室温は夏場で26〜28℃、冬場で20〜22℃程度を目安に調整しましょう。湿度は年間を通して50〜60%程度が理想的です。
エアコンや暖房を使用する際は、風が直接赤ちゃんに当たらないように注意し、乾燥しすぎないように加湿器を併用すると良いでしょう。
また、室内でも定期的に赤ちゃんの衣服や布団を調整し、汗をかいていないか確認することが大切です。就寝中は特に注意が必要で、布団や枕が汗で濡れていないか、体温が高くなっていないかをチェックしましょう。赤ちゃんの汗を早めに拭き取り、必要に応じて衣服を着替えさせることで、不快感を減らし、皮膚トラブルも予防できます。
ヘルメット治療を受けている赤ちゃんは特に頭部の汗に注意が必要です。ヘルメットの下は蒸れやすく、汗をかきやすいため、定期的にヘルメットを外して頭を拭いてあげましょう。

室内環境の調整は、季節や天候、時間帯によって柔軟に変えることが大切です。赤ちゃんの様子を見ながら、最適な環境を整えてあげましょう。

脱水かな?と思ったらすぐ実践!家庭でできる対応方法

脱水症状に気づいたら、速やかに適切な対応をすることが重要です。脱水の程度によって対応方法は異なりますが、基本は水分補給です。ただし、単なる水分補給ではなく、体内の電解質バランスも考慮した補給が必要になります。
ここでは、脱水症状が現れた時の家庭での対応方法から医療機関を受診すべき状況までを詳しく解説します。

軽い脱水ならこれでOK!おうちでの応急処置のコツ

軽度から中等度の脱水症状であれば、家庭での応急処置が可能です。
まず、赤ちゃんを涼しい環境に移し、余分な衣服を脱がせて体温の上昇を抑えましょう。
次に、適切な水分補給を行います。母乳やミルクを飲んでいる赤ちゃんであれば、通常よりも頻繁に授乳することで水分と栄養を補給できます。離乳食が始まっている赤ちゃんには、経口補水液を少量ずつ頻繁に与えることが効果的です。
ただし、水やお茶だけでは電解質のバランスが取れないため、経口補水液を使用することをお勧めします。経口補水液は薬局やドラッグストアで購入できますので、家庭の救急セットとして常備しておくと安心です。
水分補給は一度に大量に与えるのではなく、小さじ1杯程度から始めて、5〜10分おきに少しずつ量を増やしていきましょう。急に大量の水分を与えると、嘔吐を誘発する可能性があるので注意が必要です。
また、脱水症状と同時に発熱がある場合は、体を冷やす処置も行いましょう。ぬるま湯で体を拭いたり、脇の下や首、足の付け根などに冷たいタオルを当てたりするのが効果的です。応急処置を行っても症状が改善しない場合や、悪化する場合は迷わず医療機関を受診してください。

 経口補水療法のやり方|赤ちゃんに安心して与える方法

経口補水療法とは、適切な濃度の糖分と電解質(ナトリウム、カリウムなど)を含んだ溶液を経口摂取することで、脱水状態を改善する方法です。市販の経口補水液(OS-1など)を使用するのが最も簡単で確実ですが、手元にない場合は一時的に代用できる方法もあります。
母乳やミルクだけの時期の赤ちゃんは、そのまま母乳やミルクを継続できます。離乳食を併用しているお子さんであれば、50%に薄めたリンゴジュース、お味噌汁の上澄みなども代用できます。ただし、これらは一時的な対応であり、できるだけ早く適切な経口補水液を準備することをお勧めします。
経口補水液の与え方は、赤ちゃんの年齢や脱水の程度によって異なりますが、基本的には少量から始めて徐々に増やしていきます。哺乳瓶ではなく、スプーンやコップを使用し、むせないように注意しながら3〜4時間かけて少しずつ与えましょう。
経口補水療法中も赤ちゃんの様子をよく観察し、嘔吐や下痢が続く場合、機嫌が悪化する場合、水分を受け付けない場合などは医療機関を受診する必要があります。経口補水療法で症状が改善した後も、しばらくは通常よりも頻繁に水分を与え、赤ちゃんの様子を注意深く観察しましょう。

こんな時は迷わず病院へ!脱水で受診が必要なサイン

脱水症状が現れた場合、以下のような状況では速やかに医療機関を受診することをお勧めします。まず、重度の脱水症状のサインが一つでもある場合は緊急性が高いため、時間外や休日でも小児科や救急外来を受診してください。
具体的には、意識がない、けいれんがある、呼吸が早くて荒い、手足が冷たくまだらな皮膚模様がある、大泉門がへこんでいる、泣いても涙が出ないといった症状です。また、持続する嘔吐や大量の下痢(5回以上)がある場合も受診が必要です。
生後32ヶ月未満の赤ちゃんや基礎疾患のある赤ちゃんは脱水症状が急速に悪化する可能性があるため、早めの受診をお勧めします。
さらに、生後3ヶ月未満の赤ちゃんの38度以上の発熱、黄色や緑色の嘔吐(胆汁性嘔吐)や血性嘔吐、血便や黒色便、強い腹痛などがある場合も速やかに受診してください。経口補水療法を行っても症状が改善しない場合や、一度医療機関で治療を受けた後も症状が改善しない、または悪化している場合も再度受診が必要です。
医療機関に連絡する際は、赤ちゃんの症状(発熱の有無、嘔吐や下痢の頻度、水分摂取の状況など)を具体的に伝えるようにしましょう。


 脱水症状と間違えやすい病気|判断に迷ったらなるべく早く診察を

脱水症状と似た症状を示す病気もあるため、注意が必要です。
例えば、感染症の初期症状として元気がなくなったり、食欲が低下したりすることがあります。特に注意が必要なのは髄膜炎やウイルス性脳炎などの中枢神経系の感染症で、ぐったりした様子やけいれん、異常な泣き方などが見られることがあります。また、腸重積という腸が折り重なって詰まる病気では、間欠的な激しい腹痛と嘔吐が特徴で、進行すると血便が見られることもあります。
さらに、糖尿病や尿崩症などの内分泌疾患でも多飲多尿の症状から脱水に似た状態になることがあります。喉の痛みによる経口摂取困難から脱水をきたすヘルパンギーナや手足口病、熱中症、心筋炎や不整脈などの心臓病も注意が必要です。
赤ちゃんの状態を総合的に判断するためには、脱水症状だけでなく、発熱の有無、嘔吐や下痢の性状や頻度、痛みの様子などを詳しく観察することが大切です。判断に迷う場合は、小児科医に相談することをお勧めします。脱水の評価は小児科医でも難しいことがあるため、自己判断は避け、専門家の意見を求めることが赤ちゃんの安全を守るために重要です。

赤ちゃんの頭の形 測定

よくあるQ&A|赤ちゃんの脱水症状に関する疑問を解決!

「これって大丈夫?」「こんなときはどうしたらいいの?」と、具体的な疑問を持つパパ・ママも多いはずです。ここでは、保護者の方からよく寄せられる質問にわかりやすくお答えします。

Q. 赤ちゃんの脱水症状を家庭で見分けるポイントは何ですか?

A. 赤ちゃんの脱水症状を家庭で見分けるポイントはいくつかあります。まず、おむつの状態を確認しましょう。6時間以上おむつが濡れていない、おしっこの色が濃く量が少ない場合は脱水の可能性があります。
次に、口の中や唇の乾燥具合をチェックしてください。口の中が粘つきがなくカラカラに乾いている場合は注意が必要です。また、赤ちゃんの全体的な様子も重要なポイントです。普段より元気がない、ぐったりしている、不機嫌で泣き止まない、あるいは逆に無反応といった変化が見られる場合は脱水を疑いましょう。泣いても涙が出ない、皮膚の弾力が低下している(つまんだ皮膚がゆっくり戻る)、大泉門がへこんでいるといった症状も脱水のサインです。
これらの症状が見られたら、水分補給を試みながら、改善が見られない場合は医療機関を受診することをお勧めします。

Q. スポーツドリンクは赤ちゃんの脱水予防や治療に適していますか?

A. スポーツドリンクは赤ちゃんの脱水予防や治療には適していません。スポーツドリンクは糖分が多く含まれており、消化管からの水分吸収が悪くなり、却って下痢が増悪することがあります。
また、電解質のバランスも赤ちゃんに最適化されていないため、脱水治療には不向きです。さらに、スポーツドリンクを日常的に飲ませることで甘味に慣れてしまい、将来の食習慣にも影響を与えたり、虫歯のリスクも高まります。
長期的に大量摂取すると、栄養バランスの偏りからビタミンB12不足につながり、ウエルニッケ脳症という神経障害を引き起こす可能性もあります。
脱水予防には母乳やミルク、湯冷まし、薄めの麦茶が適しています。脱水症状が現れた場合は、市販の経口補水液(OS-1など)を使用するのが最も効果的です。どうしてもこれらがない場合には、緊急時の一時的な代用としてスポーツドリンクを使用する場合は、半分に薄めて、塩をひとつまみ加えて電解質バランスを調整するとよいでしょう。

Q. 赤ちゃんが嘔吐や下痢をしている時の水分補給はどうすればよいですか?

A. 赤ちゃんが嘔吐や下痢をしている時の水分補給は、少量ずつ頻繁に行うことが基本です。一度に大量の水分を与えると、胃に負担がかかり、さらに嘔吐を誘発する可能性があります。
まず、5〜10分おきに小さじ1杯程度の経口補水液を与え、これを受け付けるようであれば徐々に量を増やしていきましょう。母乳やミルクを飲んでいる赤ちゃんであれば、通常よりも短い時間で少量ずつ授乳することも効果的です。
嘔吐が続く場合は、嘔吐してから30分ほど胃を休ませた後に水分補給を再開しましょう。下痢の場合は、消化器系が弱っているため、水やお茶ではなく電解質バランスの整った経口補水液を使用することが重要です。経口補水液がない場合は、スポーツドリンクに塩をひとつまみ加えたものや、50%に薄めたリンゴジュース、お味噌汁の上澄みなどで代用できますが、できるだけ早く適切な経口補水液を準備しましょう。
嘔吐や下痢が24時間以上続く場合、または水分補給を試みても症状が改善しない、あるいは悪化する場合は医療機関を受診してください。

Q. 赤ちゃんの脱水症状と熱中症の違いは何ですか?

A. 赤ちゃんの脱水症状と熱中症は密接に関連していますが、いくつかの違いがあります。脱水症状は体内の水分が失われた状態を指し、様々な原因(発熱、嘔吐、下痢、不十分な水分摂取など)で起こります。
一方、熱中症は高温環境下で体温調節機能が追いつかなくなり、体内に熱がこもった状態を指します。熱中症の初期症状として脱水症状が現れることが多いため、両者は重なる部分が多いのです。
熱中症に特徴的な症状としては、皮膚の熱感、体温上昇、顔の紅潮などがあります。重症になると意識障害やけいれんを起こすこともあります。
対処法にも違いがあり、脱水症状の場合は水分と電解質の補給が中心となりますが、熱中症の場合はそれに加えて体を冷やす処置も重要になります。
ただし、赤ちゃんの場合は症状から両者を明確に区別することが難しいことも多いため、高温環境での体調不良が見られた場合は、水分補給と体を冷やす処置を並行して行い、症状が重い場合や改善が見られない場合は速やかに医療機関を受診することをお勧めします。

 5. 赤ちゃんの脱水は早めの気づきと対応がカギ

赤ちゃんは体の機能が未発達なため、脱水になりやすく、重症化も急速に進むことがあります。予防のためには、こまめな水分補給と赤ちゃんの様子を注意深く観察することが大切です。
軽度から中等度の脱水であれば、家庭での経口補水療法で改善が期待できますが、重度の脱水や危険なサインが見られる場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。特に、生後2ヶ月未満の赤ちゃんや基礎疾患のある赤ちゃんは、より慎重な対応が必要です。
正しい知識を身につけ、落ち着いて対処することで、安心して育児を続けられます。赤ちゃんの健康を守るためにも、早めの対応と専門家への相談を心がけていきましょう。

ヘルメット治療 シナぷしゅ