公開日 2025/03/19

【医師解説】おむつかぶれを防ぐには?知っておきたい予防と対策法

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武田 賢大 先生

赤ちゃんの肌はとてもデリケートで、わずかな刺激や湿気でトラブルを起こしやすいものです。特に、おむつが常に触れるおしりまわりはムレやすく、便や尿による刺激も受けやすいため、「おむつかぶれ」に悩むパパ・ママは多いでしょう。おむつかぶれが進行すると、赤くただれて痛みやかゆみが強くなり、赤ちゃんも不快そうに泣いてしまうことがあります。

そこで本記事では、小児科医の立場から、おむつかぶれの原因や具体的な症状、予防のポイント、受診のタイミングなどを詳しく解説します。

おむつかぶれとは?原因と症状を知って正しく対処しよう

赤ちゃんのおしりに起こりやすい肌のトラブルが「おむつかぶれ」です。症状や原因をしっかり把握することで、適切に対処できるようになります。ここからは、おむつかぶれの基本的な概念を確認していきましょう。

おむつかぶれってどんな症状?赤ちゃんの肌に起こる変化

おむつかぶれとは、おむつに触れるおしりまわりが赤くなって炎症を起こしている状態のことです。医学的には「おむつ皮膚炎」と呼ばれますが、原因はおしっこやうんち、汗による刺激です。、おしっこやうんち、汗やムレが原因で皮膚のバリア機能が損なわれ、炎症が起きます。赤ちゃんの肌はとても薄くてデリケートなので、大人よりも刺激を受けやすく、些細な刺激でも注意が必要です。おむつを取り替えた際におしりや腰回りが赤くなっていたり、小さな湿疹が散らばっていたりするのを見つけたときは、おむつかぶれを疑ってください。軽い炎症ならおうちでできるケアで改善することも多いですが、悪化すると皮膚がむけてただれたり、場合によっては出血したりするので、早めに対処することが大切です。

おむつかぶれの主な原因は?尿・便・ムレ・摩擦が引き起こす肌トラブル

おむつかぶれにはいくつかの要因が重なっていますが、1番の原因は長時間おむつを交換しないことで長時間尿や便に暴露されていることです。大人に比べて薄い赤ちゃんの肌は、尿や便に含まれる刺激物質にさらされると、すぐに炎症を起こしやすいのです。尿には老廃物が含まれ、皮膚に長く触れているとその成分が分解されて刺激が強まります。また便には細菌や消化酵素が多く含まれており、それが刺激になることであっという間におしりがただれてしまうことがあります。おむつが蒸れやすい季節や、体温の高い赤ちゃんが汗をかきやすい状況も、おしりまわりが湿った環境を長く維持してしまう要因のひとつです。そこにさらに、おしりふきなどによる摩擦が加わり、皮膚に目に見えない小さな傷ができることで、肌荒れなどの皮膚トラブルが起きやすくなってしまいます。

赤ちゃんが嫌がる?おむつかぶれの症状と進行リスク

初期のおむつかぶれでは、おむつが触れる部分に赤みや小さな湿疹が出てきます。赤ちゃんがおむつ替えのときに嫌がり、泣き声が強まったり、入浴の際にお湯がしみて泣いたりするようになれば、すでに痛みやかゆみが出始めているかもしれません。夏場はあせもと見分けにくいですが、あせもは通気の悪い首やわきの下などにもよく見られ、おむつと直接触れる部分だけに集中して赤みや湿疹がある場合はおむつかぶれを考えて対処してみてください。また、下痢をしたときにおむつかぶれが急に悪化するケースも少なくありません。便の量や回数が増えるので、便に含まれる刺激物質でおむつかぶれになりやすいです。便に触れている時間が長くなりやすいので交換を少し怠るだけでも一気に症状が進行する場合があります。これらのリスクを踏まえ、おむつ替えの際には便や尿のあとが残っていないか、肌の様子がいつもと変わっていないかをしっかり観察することが大切です。

治りにくいおむつかぶれは「カビ」が原因かも?見分け方と対処法

おむつかぶれとひとくちに言っても、時にはカビの一種である「カンジダ」が原因となる場合があります。カンジダの感染があると、しわの奥にも赤みや発疹が広がりやすいのが特徴です。普通のおむつかぶれの治療をしてもなかなか改善しないときや、皮膚のただれがしわの内側まで広がっている場合、カンジダの要素が加わっている可能性を疑います。このようにカンジダ皮膚炎を合併している場合には、病院で診てもらい、カンジダを抑えるお薬や炎症を抑えるお薬を使うことになります。一見、普段のおむつかぶれと似ているようでいて進行が早いこともあるため、お尻のケアを続けていても皮膚の赤みが一向に改善しない、赤ちゃんの仕草や反応がおかしいと感じたら、早めに小児科や皮膚科で診てもらうのが安心です。

おむつかぶれを予防する5つのポイント

赤ちゃん おむつ替え

日常的に行えるちょっとした工夫で、おむつかぶれのリスクは大きく減らせます。肌への刺激を最小限に抑え、清潔さを保つことが予防の鍵です。まずは、一番身近でありながら見落としがちな「こまめなおむつ交換」の重要性を押さえていきましょう。

こまめなおむつ替えが鍵!理想の交換頻度とタイミング

おむつかぶれを予防するために大切なことは、いかに肌を清潔な状態に保つかという点です。おしっこやうんちが肌に長く触れていると、炎症を引き起こすリスクが高まります。授乳の前後や、離乳食が始まっている場合は食後、さらに赤ちゃんが起きたタイミングなどで意識的におむつが汚れていないかチェックしてあげてくださいね。交換の回数が増えると大変かもしれませんが、短いスパンでおむつを替えてあげることで、肌への刺激が軽減され、おむつかぶれの発生率を大きく下げられます。

おしり拭きは優しく!摩擦を減らすお手入れ方法

おむつ替えの際、おしりふきで清潔に保ちたい気持ちはよくわかりますが、強くこすりすぎると皮膚が傷つきやすくなります。赤ちゃんの肌は大人よりもデリケートなので、少しの摩擦でも細かな傷ができ、そこから炎症が広がる可能性があります。なるべく柔らかいおしりふきを選び、ぬるま湯を含ませたコットンなどで優しく拭く方法を心がけましょう。男の子であればおちんちんの先に尿が残らないよう、女の子であれば外陰部を前から後ろへと傷つけないようゆっくり拭き取るのが基本です(逆向きに拭くと尿路感染症を引き起こすきっかきになることがあります)。汚れがこびりついている場合はこすりすぎず、何度かコットンを換えて少しずつ拭き取ったり、お湯を使って洗い流すと赤ちゃんの肌へのダメージを減らすことができます。

下痢のときは要注意!おしりの洗い方と乾燥のコツ

下痢になった赤ちゃんのおむつ替えは、特に気を遣う必要があります。便が水っぽく広範囲に広がりやすいため、おしり全体が便に触れる時間が長くおむつかぶれが急速に悪化してしまいます。下痢が広範囲に広がってしまった時には、おしりふきだけで取り切れない場合が多いので、は、シャワーや洗面器を使ってやさしく洗い流す方法の方が早く優しくきれいになります。洗い流したあとはしっかり水分を拭き取り、肌を乾かすことが大切です。慌ただしい日々の中でおむつ替えの頻度が多くなると、つい手短に拭いて終わらせたいという気持ちも出てきますが、下痢のときは特にしっかりきれいにしてあげることが大切です。

皮膚の乾燥を防ぐ!保湿剤の選び方と使い方

おむつ替えでしっかり汚れを拭き取ったあと、皮膚に水分が残ったままおむつを装着すると、その湿気がさらにムレを引き起こす原因にもなります。おしりまわりは、湿っているとふやけやすく、わずかな刺激で炎症を起こしやすくなってしまうのです。しっかりと乾かすためには、おむつをつける前に数秒から数十秒程度でも風を当てるつもりで肌を乾かすと良いでしょう。乾燥させた後に上からワセリンを使用すると、便や尿から肌をガードしてくれるため、少しかぶれが出てきた時などには、きれいにした後にカバーするように塗布することで、お家でできるセルフケアになります。肌が荒れが強い場合は、小児科医と相談して保湿剤や皮膚の保護剤を処方してもらうといいでしょう。

おむつかぶれがひどいときの病院受診の目安は?

軽い症状なら家でのお手入れで早く治ることも多いおむつかぶれですが、状態が重くなると専門的な治療が必要になるケースもあります。赤ちゃんの肌を守るためにも、医師の診察が必要なタイミングを見極めることが大切です。ここからは、どの程度までがセルフケアで対応できるのか、目安をご紹介します。

おうちでできる!セルフケアの限界を見極めるポイント

軽いおむつかぶれであれば、パパ・ママが自宅でこまめにおむつを替えたり、やさしく洗ってあげたりすると、数日で良くなることがほとんどです。しかし、赤い湿疹が広範囲に広がってきたり、皮膚がむけて痛そうにしていたりする場合は、早めに医師の診察を受けたほうが安心です。赤ちゃんは症状が進むと痛みから泣き止まなくなったり、ぐずりがひどくなったりして普段の生活リズムにも支障をきたします。そのため、「いつもより赤みが強いか」「おむつ交換やお風呂で触れると痛がるか」「いつものスキンケアで悪化傾向か」といった点を目安に、セルフケアだけで対応できるかどうかを見極めるといいでしょう。

こんな症状は要注意!病院受診を考えるタイミング

おむつかぶれは小児科ではよく相談がある内容です。気になるようであれば気軽に相談して大丈夫です。お家でできるセルフケアをしていながらも、おむつかぶれが長引いてよくならないとき、皮膚がただれて浸出液が出ているような重症の状態になっているとき、赤ちゃんが痛みやかゆみを訴えるように泣いたり、夜も頻繁に起きたりするようなことがあれば、セルフケアで対処できる限界と考えられます。こういった状況に陥った場合には、抗炎症作用のある外用薬などを使用して計画的に治療する必要があるため、できるだけ早く小児科か皮膚科を受診するようにしてください。

お医者さんに処方される薬の種類と使い方のポイント

病院での診察を受けると、おむつかぶれの程度に応じて適切なお薬が処方されることがあります。軽症の場合にはワセリンや、亜鉛華軟膏などの保護剤を処方します。炎症が強く保護剤のみでは治癒に時間がかかることが予想される場合には、一般的な炎症やかゆみを抑えるためにステロイド外用薬が用いられることがあります。が、これは短期間で炎症を素早く鎮めるのに有効です。一方、カンジダが原因の場合は抗真菌薬を併用する必要があり、通常のおむつかぶれと同じ薬のみでは逆に悪化するケースもあります。適切に治療することで多くの場合には1週間程度で改善傾向となるので、指示どおりに薬を塗ることが回復への近道です。赤ちゃんの皮膚は急激に状態が変わる場合もあるため、症状が軽くなってきたときこそ自己判断で薬の使用を中断せず、指示を受けた期間はしっかり塗り続けましょう。

おむつかぶれが長引くときに考えられる原因

おむつかぶれが長引く際には何かの原因があると考えます。 多い理由としては、自分では頑張って頻繁に変えているつもりでも、おむつを替える頻度として不足していることがあげられます。おむつの排尿サインが出ているのに気づいた時に交換していると、意外と尿便の暴露時間が長くなることがあります。目安としては毎回授乳の度に交換するくらいの頻度であれば十分だと思います。頻繁に交換していても、下痢の症状が続いているような時には、どうしても皮膚への刺激が繰り返し加わってしまうため、若干荒れてしまうことはあります。コンスタントに交換しながら、悪化傾向がないかどうかを観察しましょう。また、長引く際にはカビや細菌による二次感染が疑われる場合もありますし、生活リズムが乱れると、お肌の回復が遅れることもあるので注意しましょう。薬を使ってもなかなか良くならず、赤ちゃんの不快感が続くようなら、別の原因が隠れているかもしれません。赤ちゃんの体調や皮膚の状態をこまめにチェックしながら、小児科医と相談していきましょう。

パパ・ママに知ってほしい!おむつかぶれを防ぐ日常ケア

赤ちゃ おしり おむつかぶれ

おむつかぶれは、普段の生活習慣やおむつ選びを少し見直すだけでも大きく予防・改善が期待できます。赤ちゃんの肌を守るために、今すぐ取り入れやすいポイントを知っておきましょう。まずは「おむつ選びとサイズ調整」のコツから解説していきます。

サイズ選びが重要!赤ちゃんに合ったおむつの選び方

おむつのサイズが赤ちゃんに合っていないと、ゴムがきつすぎて肌に擦れやすくなる一方、大きすぎると隙間から便や尿が漏れやすくなり、肌に触れる範囲が広がって炎症が進む原因になります。月齢や体重の目安を確認しつつ、太ももまわりや腰まわりがちょうどよくフィットするかどうかが重要です。おむつ選びの際には、赤ちゃんの体型に合わせて何種類か試してみることをおすすめします。吸収力の高いおむつを使うのも一つの手ですが、こまめなおむつ替えと併用してこそ効果を発揮するので、吸収力に頼りすぎないよう注意しましょう。

おむつ替え時の正しい洗浄方法&肌に優しい拭き方

おむつ替えをするときには、汚れた部分に直接シャワーなどを当てると素早く洗い流せて、摩擦を最小限に抑えることができます。特に便が多いときや下痢のときには、シャワーや洗面器で洗浄してあげると、肌に残る便や菌の量が減り、おむつかぶれの改善を早める可能性があります。洗い流した後には、清潔なタオルやガーゼで優しく押さえるように水分を取ってからおむつを装着すると、肌がふやけにくくなり安心です。

入浴時にできる!おむつかぶれを悪化させない洗い方

おむつかぶれがあるときは、入浴でもしみたり痛がることがあるため、できるだけ低刺激の石けんを使い、ぬるめのお湯で洗うように心がけてください。洗うときもスポンジやナイロンタオルを使わず、パパ・ママの手のひらや柔らかいガーゼでそっと洗ってあげるのが良いでしょう。また、入浴後はしっかり身体を拭き、陰部や太もものくびれなど、湿気がたまりやすいところをしっかり乾かすことが大事です。おむつかぶれがひどく痛そうなときは泡タイプのベビー用の石鹸を使用して、泡で洗い清潔を保つことが重要です。こすると痛いので泡を転がすようにして洗うのがコツです。 清潔に保ちつつ、赤ちゃんがの痛みを感じづらいように入浴させてあげましょう。

赤ちゃんの肌を守るために大切な生活習慣とは?

おむつかぶれを繰り返さないためには、肌そのものの抵抗力を高める生活習慣も大切です。適度な睡眠や授乳リズムは、赤ちゃんの免疫力や皮膚の回復力にも関係しています。長時間の外出などでおむつ替えが十分にできない状況が続くと、おむつかぶれが再発しやすくなるので長時間外出するときは、こまめにおむつ替えをしてあげましょう。家の中でも、おむつ替えをするときに部屋の温度や湿度を調整し、赤ちゃんが快適に過ごせる環境を整えることで、汗やムレを減らし、予防効果を高めることができます。

頭の形測定

おむつかぶれに関するよくある

おむつかぶれは赤ちゃんの肌トラブルの中でも特に多くのパパ・ママが悩む問題です。「おむつかぶれができたらすぐに病院へ行くべき?」「どんな薬を塗ればいいの?」「長引くのは何が原因?」など、気になることがたくさんありますよね。

ここでは、おむつかぶれに関するよくある疑問をQ&A形式でわかりやすく解説します。赤ちゃんの肌を守るための正しいケア方法や、症状が悪化したときの対処法をチェックして、日々の育児に役立ててください。

Q.おむつかぶれの対処法は?

A.おむつかぶれが起きたときは、まずこまめなおむつ替えを徹底し、皮膚を清潔に保つことを意識してください。便や尿をやさしく拭き取り、必要に応じてシャワーや洗面器を使って洗い流し、その後はしっかり乾かしてから新しいおむつをつけます。初期症状であれば、清潔と乾燥を心がけるだけでも徐々に改善していくことが多いです。しかし、痛がるほど炎症が強い場合や、赤みや湿疹が治まらない場合は、自己判断に頼りすぎず小児科や皮膚科を受診しましょう。

Q.おむつかぶれで受診する目安はありますか?

A.通常のケアを数日続けても赤みが引かず、むしろ範囲が広がったり、皮膚がただれているような状況が見られた場合は、できるだけ早く医師に相談することが望ましいです。おむつ交換の際に赤ちゃんが激しく泣き、痛みやかゆみが強いことをうかがわせる場合も同様です。また、入浴時にお湯がしみて泣くときや、赤ちゃんがおむつを外すときにしきりにおしりを触るようなしぐさが見られるときも、ただれや感染が起きている可能性がありますので、受診のタイミングだと考えてください。

Q.おむつかぶれが長引く場合はどうしたら良いですか?

A.おむつかぶれが長引くときは、皮膚のバリア機能が著しく低下しているか、カンジダなどの感染症が併発している可能性があります。医師のもとで適切な外用薬を使用し、通気性の良い環境を心がけながらこまめなおむつ替えを続けてください。生活リズムが乱れて赤ちゃんの体力や免疫力が落ちているケースもあるため、授乳や睡眠時間の確保にも注意を払いましょう。どうしても改善しない場合は、再度受診して治療方針を見直すことが大切です。

正しいケアでおむつかぶれを防ぎ、赤ちゃんの肌を守ろう

おむつかぶれは赤ちゃんにとって身近な皮膚トラブルですが、原因を把握し、正しい予防・対策を行うことで、症状の悪化を防ぎ、早期改善につなげることができます。特にこまめなおむつ替えや、汚れを丁寧に洗い流すなどの日頃のケアがしっかりできているかどうかがとても大切なことなので、ぜひ意識してみてください。赤ちゃんの皮膚はとても敏感である一方、適切なケアを行えば回復力も高いです。それでも赤みや湿疹が引かないときや、痛みやかゆみが強くて赤ちゃんが辛そうな場合は、なるべく早めに小児科や皮膚科を受診して、適切な治療を受けてください。ちょっとしたお世話の工夫と、早めに病院へ行く行動が赤ちゃんの快適な毎日につながりますよ。赤ちゃんのおしりを健やかな状態に保ち、笑顔の多い育児ライフを過ごしてくださいね。

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公開日 2025/03/19

【医師解説】おむつかぶれを防ぐには?知っておきたい予防と対策法

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武田 賢大 先生

赤ちゃんの肌はとてもデリケートで、わずかな刺激や湿気でトラブルを起こしやすいものです。特に、おむつが常に触れるおしりまわりはムレやすく、便や尿による刺激も受けやすいため、「おむつかぶれ」に悩むパパ・ママは多いでしょう。おむつかぶれが進行すると、赤くただれて痛みやかゆみが強くなり、赤ちゃんも不快そうに泣いてしまうことがあります。

そこで本記事では、小児科医の立場から、おむつかぶれの原因や具体的な症状、予防のポイント、受診のタイミングなどを詳しく解説します。

おむつかぶれとは?原因と症状を知って正しく対処しよう

赤ちゃんのおしりに起こりやすい肌のトラブルが「おむつかぶれ」です。症状や原因をしっかり把握することで、適切に対処できるようになります。ここからは、おむつかぶれの基本的な概念を確認していきましょう。

おむつかぶれってどんな症状?赤ちゃんの肌に起こる変化

おむつかぶれとは、おむつに触れるおしりまわりが赤くなって炎症を起こしている状態のことです。医学的には「おむつ皮膚炎」と呼ばれますが、原因はおしっこやうんち、汗による刺激です。、おしっこやうんち、汗やムレが原因で皮膚のバリア機能が損なわれ、炎症が起きます。赤ちゃんの肌はとても薄くてデリケートなので、大人よりも刺激を受けやすく、些細な刺激でも注意が必要です。おむつを取り替えた際におしりや腰回りが赤くなっていたり、小さな湿疹が散らばっていたりするのを見つけたときは、おむつかぶれを疑ってください。軽い炎症ならおうちでできるケアで改善することも多いですが、悪化すると皮膚がむけてただれたり、場合によっては出血したりするので、早めに対処することが大切です。

おむつかぶれの主な原因は?尿・便・ムレ・摩擦が引き起こす肌トラブル

おむつかぶれにはいくつかの要因が重なっていますが、1番の原因は長時間おむつを交換しないことで長時間尿や便に暴露されていることです。大人に比べて薄い赤ちゃんの肌は、尿や便に含まれる刺激物質にさらされると、すぐに炎症を起こしやすいのです。尿には老廃物が含まれ、皮膚に長く触れているとその成分が分解されて刺激が強まります。また便には細菌や消化酵素が多く含まれており、それが刺激になることであっという間におしりがただれてしまうことがあります。おむつが蒸れやすい季節や、体温の高い赤ちゃんが汗をかきやすい状況も、おしりまわりが湿った環境を長く維持してしまう要因のひとつです。そこにさらに、おしりふきなどによる摩擦が加わり、皮膚に目に見えない小さな傷ができることで、肌荒れなどの皮膚トラブルが起きやすくなってしまいます。

赤ちゃんが嫌がる?おむつかぶれの症状と進行リスク

初期のおむつかぶれでは、おむつが触れる部分に赤みや小さな湿疹が出てきます。赤ちゃんがおむつ替えのときに嫌がり、泣き声が強まったり、入浴の際にお湯がしみて泣いたりするようになれば、すでに痛みやかゆみが出始めているかもしれません。夏場はあせもと見分けにくいですが、あせもは通気の悪い首やわきの下などにもよく見られ、おむつと直接触れる部分だけに集中して赤みや湿疹がある場合はおむつかぶれを考えて対処してみてください。また、下痢をしたときにおむつかぶれが急に悪化するケースも少なくありません。便の量や回数が増えるので、便に含まれる刺激物質でおむつかぶれになりやすいです。便に触れている時間が長くなりやすいので交換を少し怠るだけでも一気に症状が進行する場合があります。これらのリスクを踏まえ、おむつ替えの際には便や尿のあとが残っていないか、肌の様子がいつもと変わっていないかをしっかり観察することが大切です。

治りにくいおむつかぶれは「カビ」が原因かも?見分け方と対処法

おむつかぶれとひとくちに言っても、時にはカビの一種である「カンジダ」が原因となる場合があります。カンジダの感染があると、しわの奥にも赤みや発疹が広がりやすいのが特徴です。普通のおむつかぶれの治療をしてもなかなか改善しないときや、皮膚のただれがしわの内側まで広がっている場合、カンジダの要素が加わっている可能性を疑います。このようにカンジダ皮膚炎を合併している場合には、病院で診てもらい、カンジダを抑えるお薬や炎症を抑えるお薬を使うことになります。一見、普段のおむつかぶれと似ているようでいて進行が早いこともあるため、お尻のケアを続けていても皮膚の赤みが一向に改善しない、赤ちゃんの仕草や反応がおかしいと感じたら、早めに小児科や皮膚科で診てもらうのが安心です。

おむつかぶれを予防する5つのポイント

赤ちゃん おむつ替え

日常的に行えるちょっとした工夫で、おむつかぶれのリスクは大きく減らせます。肌への刺激を最小限に抑え、清潔さを保つことが予防の鍵です。まずは、一番身近でありながら見落としがちな「こまめなおむつ交換」の重要性を押さえていきましょう。

こまめなおむつ替えが鍵!理想の交換頻度とタイミング

おむつかぶれを予防するために大切なことは、いかに肌を清潔な状態に保つかという点です。おしっこやうんちが肌に長く触れていると、炎症を引き起こすリスクが高まります。授乳の前後や、離乳食が始まっている場合は食後、さらに赤ちゃんが起きたタイミングなどで意識的におむつが汚れていないかチェックしてあげてくださいね。交換の回数が増えると大変かもしれませんが、短いスパンでおむつを替えてあげることで、肌への刺激が軽減され、おむつかぶれの発生率を大きく下げられます。

おしり拭きは優しく!摩擦を減らすお手入れ方法

おむつ替えの際、おしりふきで清潔に保ちたい気持ちはよくわかりますが、強くこすりすぎると皮膚が傷つきやすくなります。赤ちゃんの肌は大人よりもデリケートなので、少しの摩擦でも細かな傷ができ、そこから炎症が広がる可能性があります。なるべく柔らかいおしりふきを選び、ぬるま湯を含ませたコットンなどで優しく拭く方法を心がけましょう。男の子であればおちんちんの先に尿が残らないよう、女の子であれば外陰部を前から後ろへと傷つけないようゆっくり拭き取るのが基本です(逆向きに拭くと尿路感染症を引き起こすきっかきになることがあります)。汚れがこびりついている場合はこすりすぎず、何度かコットンを換えて少しずつ拭き取ったり、お湯を使って洗い流すと赤ちゃんの肌へのダメージを減らすことができます。

下痢のときは要注意!おしりの洗い方と乾燥のコツ

下痢になった赤ちゃんのおむつ替えは、特に気を遣う必要があります。便が水っぽく広範囲に広がりやすいため、おしり全体が便に触れる時間が長くおむつかぶれが急速に悪化してしまいます。下痢が広範囲に広がってしまった時には、おしりふきだけで取り切れない場合が多いので、は、シャワーや洗面器を使ってやさしく洗い流す方法の方が早く優しくきれいになります。洗い流したあとはしっかり水分を拭き取り、肌を乾かすことが大切です。慌ただしい日々の中でおむつ替えの頻度が多くなると、つい手短に拭いて終わらせたいという気持ちも出てきますが、下痢のときは特にしっかりきれいにしてあげることが大切です。

皮膚の乾燥を防ぐ!保湿剤の選び方と使い方

おむつ替えでしっかり汚れを拭き取ったあと、皮膚に水分が残ったままおむつを装着すると、その湿気がさらにムレを引き起こす原因にもなります。おしりまわりは、湿っているとふやけやすく、わずかな刺激で炎症を起こしやすくなってしまうのです。しっかりと乾かすためには、おむつをつける前に数秒から数十秒程度でも風を当てるつもりで肌を乾かすと良いでしょう。乾燥させた後に上からワセリンを使用すると、便や尿から肌をガードしてくれるため、少しかぶれが出てきた時などには、きれいにした後にカバーするように塗布することで、お家でできるセルフケアになります。肌が荒れが強い場合は、小児科医と相談して保湿剤や皮膚の保護剤を処方してもらうといいでしょう。

おむつかぶれがひどいときの病院受診の目安は?

軽い症状なら家でのお手入れで早く治ることも多いおむつかぶれですが、状態が重くなると専門的な治療が必要になるケースもあります。赤ちゃんの肌を守るためにも、医師の診察が必要なタイミングを見極めることが大切です。ここからは、どの程度までがセルフケアで対応できるのか、目安をご紹介します。

おうちでできる!セルフケアの限界を見極めるポイント

軽いおむつかぶれであれば、パパ・ママが自宅でこまめにおむつを替えたり、やさしく洗ってあげたりすると、数日で良くなることがほとんどです。しかし、赤い湿疹が広範囲に広がってきたり、皮膚がむけて痛そうにしていたりする場合は、早めに医師の診察を受けたほうが安心です。赤ちゃんは症状が進むと痛みから泣き止まなくなったり、ぐずりがひどくなったりして普段の生活リズムにも支障をきたします。そのため、「いつもより赤みが強いか」「おむつ交換やお風呂で触れると痛がるか」「いつものスキンケアで悪化傾向か」といった点を目安に、セルフケアだけで対応できるかどうかを見極めるといいでしょう。

こんな症状は要注意!病院受診を考えるタイミング

おむつかぶれは小児科ではよく相談がある内容です。気になるようであれば気軽に相談して大丈夫です。お家でできるセルフケアをしていながらも、おむつかぶれが長引いてよくならないとき、皮膚がただれて浸出液が出ているような重症の状態になっているとき、赤ちゃんが痛みやかゆみを訴えるように泣いたり、夜も頻繁に起きたりするようなことがあれば、セルフケアで対処できる限界と考えられます。こういった状況に陥った場合には、抗炎症作用のある外用薬などを使用して計画的に治療する必要があるため、できるだけ早く小児科か皮膚科を受診するようにしてください。

お医者さんに処方される薬の種類と使い方のポイント

病院での診察を受けると、おむつかぶれの程度に応じて適切なお薬が処方されることがあります。軽症の場合にはワセリンや、亜鉛華軟膏などの保護剤を処方します。炎症が強く保護剤のみでは治癒に時間がかかることが予想される場合には、一般的な炎症やかゆみを抑えるためにステロイド外用薬が用いられることがあります。が、これは短期間で炎症を素早く鎮めるのに有効です。一方、カンジダが原因の場合は抗真菌薬を併用する必要があり、通常のおむつかぶれと同じ薬のみでは逆に悪化するケースもあります。適切に治療することで多くの場合には1週間程度で改善傾向となるので、指示どおりに薬を塗ることが回復への近道です。赤ちゃんの皮膚は急激に状態が変わる場合もあるため、症状が軽くなってきたときこそ自己判断で薬の使用を中断せず、指示を受けた期間はしっかり塗り続けましょう。

おむつかぶれが長引くときに考えられる原因

おむつかぶれが長引く際には何かの原因があると考えます。 多い理由としては、自分では頑張って頻繁に変えているつもりでも、おむつを替える頻度として不足していることがあげられます。おむつの排尿サインが出ているのに気づいた時に交換していると、意外と尿便の暴露時間が長くなることがあります。目安としては毎回授乳の度に交換するくらいの頻度であれば十分だと思います。頻繁に交換していても、下痢の症状が続いているような時には、どうしても皮膚への刺激が繰り返し加わってしまうため、若干荒れてしまうことはあります。コンスタントに交換しながら、悪化傾向がないかどうかを観察しましょう。また、長引く際にはカビや細菌による二次感染が疑われる場合もありますし、生活リズムが乱れると、お肌の回復が遅れることもあるので注意しましょう。薬を使ってもなかなか良くならず、赤ちゃんの不快感が続くようなら、別の原因が隠れているかもしれません。赤ちゃんの体調や皮膚の状態をこまめにチェックしながら、小児科医と相談していきましょう。

パパ・ママに知ってほしい!おむつかぶれを防ぐ日常ケア

赤ちゃ おしり おむつかぶれ

おむつかぶれは、普段の生活習慣やおむつ選びを少し見直すだけでも大きく予防・改善が期待できます。赤ちゃんの肌を守るために、今すぐ取り入れやすいポイントを知っておきましょう。まずは「おむつ選びとサイズ調整」のコツから解説していきます。

サイズ選びが重要!赤ちゃんに合ったおむつの選び方

おむつのサイズが赤ちゃんに合っていないと、ゴムがきつすぎて肌に擦れやすくなる一方、大きすぎると隙間から便や尿が漏れやすくなり、肌に触れる範囲が広がって炎症が進む原因になります。月齢や体重の目安を確認しつつ、太ももまわりや腰まわりがちょうどよくフィットするかどうかが重要です。おむつ選びの際には、赤ちゃんの体型に合わせて何種類か試してみることをおすすめします。吸収力の高いおむつを使うのも一つの手ですが、こまめなおむつ替えと併用してこそ効果を発揮するので、吸収力に頼りすぎないよう注意しましょう。

おむつ替え時の正しい洗浄方法&肌に優しい拭き方

おむつ替えをするときには、汚れた部分に直接シャワーなどを当てると素早く洗い流せて、摩擦を最小限に抑えることができます。特に便が多いときや下痢のときには、シャワーや洗面器で洗浄してあげると、肌に残る便や菌の量が減り、おむつかぶれの改善を早める可能性があります。洗い流した後には、清潔なタオルやガーゼで優しく押さえるように水分を取ってからおむつを装着すると、肌がふやけにくくなり安心です。

入浴時にできる!おむつかぶれを悪化させない洗い方

おむつかぶれがあるときは、入浴でもしみたり痛がることがあるため、できるだけ低刺激の石けんを使い、ぬるめのお湯で洗うように心がけてください。洗うときもスポンジやナイロンタオルを使わず、パパ・ママの手のひらや柔らかいガーゼでそっと洗ってあげるのが良いでしょう。また、入浴後はしっかり身体を拭き、陰部や太もものくびれなど、湿気がたまりやすいところをしっかり乾かすことが大事です。おむつかぶれがひどく痛そうなときは泡タイプのベビー用の石鹸を使用して、泡で洗い清潔を保つことが重要です。こすると痛いので泡を転がすようにして洗うのがコツです。 清潔に保ちつつ、赤ちゃんがの痛みを感じづらいように入浴させてあげましょう。

赤ちゃんの肌を守るために大切な生活習慣とは?

おむつかぶれを繰り返さないためには、肌そのものの抵抗力を高める生活習慣も大切です。適度な睡眠や授乳リズムは、赤ちゃんの免疫力や皮膚の回復力にも関係しています。長時間の外出などでおむつ替えが十分にできない状況が続くと、おむつかぶれが再発しやすくなるので長時間外出するときは、こまめにおむつ替えをしてあげましょう。家の中でも、おむつ替えをするときに部屋の温度や湿度を調整し、赤ちゃんが快適に過ごせる環境を整えることで、汗やムレを減らし、予防効果を高めることができます。

頭の形測定

おむつかぶれに関するよくある

おむつかぶれは赤ちゃんの肌トラブルの中でも特に多くのパパ・ママが悩む問題です。「おむつかぶれができたらすぐに病院へ行くべき?」「どんな薬を塗ればいいの?」「長引くのは何が原因?」など、気になることがたくさんありますよね。

ここでは、おむつかぶれに関するよくある疑問をQ&A形式でわかりやすく解説します。赤ちゃんの肌を守るための正しいケア方法や、症状が悪化したときの対処法をチェックして、日々の育児に役立ててください。

Q.おむつかぶれの対処法は?

A.おむつかぶれが起きたときは、まずこまめなおむつ替えを徹底し、皮膚を清潔に保つことを意識してください。便や尿をやさしく拭き取り、必要に応じてシャワーや洗面器を使って洗い流し、その後はしっかり乾かしてから新しいおむつをつけます。初期症状であれば、清潔と乾燥を心がけるだけでも徐々に改善していくことが多いです。しかし、痛がるほど炎症が強い場合や、赤みや湿疹が治まらない場合は、自己判断に頼りすぎず小児科や皮膚科を受診しましょう。

Q.おむつかぶれで受診する目安はありますか?

A.通常のケアを数日続けても赤みが引かず、むしろ範囲が広がったり、皮膚がただれているような状況が見られた場合は、できるだけ早く医師に相談することが望ましいです。おむつ交換の際に赤ちゃんが激しく泣き、痛みやかゆみが強いことをうかがわせる場合も同様です。また、入浴時にお湯がしみて泣くときや、赤ちゃんがおむつを外すときにしきりにおしりを触るようなしぐさが見られるときも、ただれや感染が起きている可能性がありますので、受診のタイミングだと考えてください。

Q.おむつかぶれが長引く場合はどうしたら良いですか?

A.おむつかぶれが長引くときは、皮膚のバリア機能が著しく低下しているか、カンジダなどの感染症が併発している可能性があります。医師のもとで適切な外用薬を使用し、通気性の良い環境を心がけながらこまめなおむつ替えを続けてください。生活リズムが乱れて赤ちゃんの体力や免疫力が落ちているケースもあるため、授乳や睡眠時間の確保にも注意を払いましょう。どうしても改善しない場合は、再度受診して治療方針を見直すことが大切です。

正しいケアでおむつかぶれを防ぎ、赤ちゃんの肌を守ろう

おむつかぶれは赤ちゃんにとって身近な皮膚トラブルですが、原因を把握し、正しい予防・対策を行うことで、症状の悪化を防ぎ、早期改善につなげることができます。特にこまめなおむつ替えや、汚れを丁寧に洗い流すなどの日頃のケアがしっかりできているかどうかがとても大切なことなので、ぜひ意識してみてください。赤ちゃんの皮膚はとても敏感である一方、適切なケアを行えば回復力も高いです。それでも赤みや湿疹が引かないときや、痛みやかゆみが強くて赤ちゃんが辛そうな場合は、なるべく早めに小児科や皮膚科を受診して、適切な治療を受けてください。ちょっとしたお世話の工夫と、早めに病院へ行く行動が赤ちゃんの快適な毎日につながりますよ。赤ちゃんのおしりを健やかな状態に保ち、笑顔の多い育児ライフを過ごしてくださいね。

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