公開日 2025/03/19

【医師解説】赤ちゃんの目やにが多い原因は?正しいケアと対処法について

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武田 賢大 先生

赤ちゃんの目やには、多くの育児中のパパ・ママがまず気になることのひとつです。実際目やについての相談は、普段の健診や診療でもよく受ける相談の一つです。寝起きに少しついている程度なら問題ないことが多いのですが、目やにが多い、色が黄色や緑色に変わってきた、両目から出るようになった、などの症状がみられると不安になりますよね。特に赤ちゃんは鼻涙管が狭いため、大人よりも目やにが出やすい傾向がありますが、なかには感染症などが潜んでいる場合もあります。

本記事では小児科医の視点から、赤ちゃんに見られる目やにの原因や正しいケアの仕方、受診の目安や注意点について解説します。

赤ちゃんの目やにが増えるのはなぜ?

赤ちゃんは大人に比べると、涙の通り道がまだ十分に空いていないために、涙に含まれる老廃物やほこりがうまく排出されず、目やになりやすいです。特に、生後間もない時期は朝起きたときなどに目やにが目立ちやすい傾向があります。一方で、黄色や緑色っぽいドロっとした目やには、感染症が原因のこともあります。ここからは、赤ちゃんの目やにが増える具体的な理由や特徴について見ていきましょう。

目やにが増える理由は?涙の通り道と赤ちゃんの体の変化

鼻涙管は、涙が鼻に流れるための小さな管です。赤ちゃんは、鼻涙管が生後もしばらく狭い状態が続きます。そのため、生後間もない赤ちゃんには涙が目頭に溜まりやすく、混ざり合ったホコリや老廃物が目やにとして表面化します。特に片目だけ目やにが多いケースは、片側の鼻涙管が狭いまたは閉塞している可能性があります。加えて、赤ちゃんは大人よりまばたきが少ないので、涙がうまく流れないことがあります。

ただし、こうした症状は成長とともに自然に改善するケースが多いです。目やにが少なくて、拭き取るとすぐに目が開いて元気なら、あまり心配しなくても大丈夫です。ただし、生後6ヶ月を過ぎても片目だけ目やにがずっと多い場合は、先天性鼻涙管閉塞症の可能性もあるので、小児科や小児眼科を受診してください。

目やにが増えたときに考えられる病気とは?

赤ちゃんの目やにが増える原因の一つには、結膜炎が挙げられます。目の病気の中でも、風邪のような感染症では、ここに炎症が起きると充血やかゆみ、粘度の高い目やにが出やすくなります。ウイルス性の結膜炎では、高熱やのどの痛みを伴う場合もあり、家族内感染が広がるケースもあります。細菌感染が原因の場合は、赤ちゃんが目をこするなどして細菌が入った結果、黄緑や黄色っぽい目やにが多量に出ることが特徴的です。また、風邪の原因となるウイルスが目に感染し、風邪症状とともに目やにが増加する例も少なくありません。

もう一つ、先天性鼻涙管閉塞症は、生後しばらく経っても鼻涙管の膜が開通せず、涙や分泌物が常にあふれて目やにが続く状態をいいます。大半は1歳前後までに自然に治癒することが多いのですが、生後6ヶ月を過ぎても改善が見られず、加えて炎症症状を繰り返すようであれば小児眼科で鼻涙管を開通させる処置(ブジーやプロービングと呼ばれる手法)を検討します。鼻涙管閉塞による目やには、一方の目のみが長期間にわたって粘っこい分泌物を出し続けることが特徴となりやすいのがポイントです。

目やにの色や量でわかる!チェックすべきポイント

赤ちゃんの目やにが多くなったときは、まず「色」と「量」をチェックしてみましょう。寝起きに少しだけ白っぽい、もしくは薄い黄色くらいの目やにがついている程度なら、鼻涙管の狭さに起因する生理的な範囲で生じる目やにのことが多いです。また生理的な目やにの場合には、白目や瞼の充血や腫れは見られないか、軽度です。一方、ドロッとした黄緑色や黄色い粘度の高い目やにが四六時中出ている場合は、 感染症による結膜炎などが疑われます。両目ともに同様の目やにが多くなり、赤ちゃんに発熱や、かゆがったり機嫌が悪くなったりするケースでは、アデノウイルスなどの感染が原因となっている可能性も考えられます。あわせて白目の充血やまぶたの腫れも強く見られる場合が多く、時間外でも早めに受診した方が安心です。

赤ちゃんは具合が悪いことを言葉で伝えられないので、パパ・ママがしっかり見守ってあげることが大切です。目やにだけでなく、発熱、咳、鼻水などの全身症状や、いつもより授乳量が減っている・寝付きが悪いなど、体調が変化していないかどうかを丁寧に見てあげてください。そのうえで「どの程度で受診すればよいか」について迷うのであれば、まずは小児科やかかりつけ医に電話で相談をするのも一つの方法です。

目やにが悪化するとどうなる?リスクや合併症に注意

赤ちゃんの目やには普段のケアで自然に落ち着くことが多いですが、放置すると悪化してしまうケースも考えられます。例えば、感染症が原因の結膜炎を長期間そのままにすると、角膜やまぶたの裏に炎症が広がって視力発達に影響する恐れもあります。鼻涙管閉塞を伴う場合は、涙や汚れがうまく排出されないために細菌が繁殖しやすく、目の周囲が腫れてしまったり、膿が出てきたりするリスクが高まります。赤ちゃんの場合、免疫力が弱いこともあり、感染が悪化して症状が広範囲に広がることもあるため、ただの目やにと侮らず、いつもと違うなと感じる場合は早めの受診が望ましいでしょう。また、まぶたの裏や角膜に傷がつくと、炎症が広がって視力に影響が出ることもあるので注意が必要です。赤ちゃんがかゆがって目をこすったり、爪で傷をつけたりすると、症状が悪化することがあるので気をつけましょう。少しでも不安があれば、掛かりつけの小児科医、あるいは眼科専門医に相談してみてください。

赤ちゃんの正しい目やにケア

赤ちゃんの目やにが気になるときは、まずは自宅で清潔にケアしながら変化を見てあげましょう。 沸騰させたお湯を冷ました水(湯冷まし)を含ませてしぼった清潔なガーゼを用意し、赤ちゃんの目頭から目じりに向かってやさしく一方向で拭き取ります。使い捨ての清浄綿でも問題ありません。両目を同じガーゼで拭かず、それぞれ新しいガーゼで片目ずつ拭いてください。特に目やにが多いほうの目は、感染を広げないためにも最後に拭くほうが安心です。赤ちゃんの皮膚は大人よりも薄く、デリケートなので、ゴシゴシと強くこすらないように気をつけましょう。目が開きにくくなるほど大量の目やにが出る場合や、拭き取りの際に激しく嫌がるような場合は、結膜炎や鼻涙管閉塞、その他の炎症が進んでいるかもしれません。

目やにはどう拭き取る?

赤ちゃんの目やにを拭き取るときは、お湯で軽く絞った清潔なガーゼや清浄綿を使いましょう。ガーゼを使う際は、必ず手を洗ってから触れるようにして、目頭から目じりへ向けて一方向にそっと拭き取ります。何度も同じ部分でこすると目の周囲に雑菌が広がったり、皮膚を傷つけたりする可能性があります。もしも感染が心配な場合は、タオルや洗面器を家族と共有しないようにし、拭いた後のガーゼやティッシュはすぐに廃棄し、再利用しないことが大切です。赤ちゃんの目に触れた後は、パパ・ママ自身も手を洗うか、消毒用アルコールを含むウェットティッシュで拭くなどして、感染を広げないような配慮を心がけましょう。

目やにが多いとき、受診すべき症状の見極め方

赤ちゃんの目やには、生理的な範囲内であれば特に心配はいりませんが、以下のような兆候がみられた場合は早めの受診が必要です。まず目やにの色が明らかに黄緑や黄色に濁り、ネバネバと粘度が高く、拭き取ってもすぐに大量の目やにが出てくる場合です。また目の周りが赤く腫れていたり、まぶたが熱を持っているときは細菌やウイルスによる結膜炎、あるいは角膜への炎症が進んでいる可能性があります。両目から大量に分泌物が出る時や、発熱や咳、鼻水などの全身症状を併発している場合も注意が必要となります。夜間や休日であっても、赤ちゃんの目が完全に開かないほど目やにが酷いとき、あるいは強い痛がり方や嫌がり方をする時は、時間外でも医療機関に相談すると安心です。

結膜炎・鼻涙管閉塞の検査と診断の流れ

赤ちゃんの結膜炎は、小児科または眼科で診断を受けます。ウイルス性か細菌性かによって、使用する点眼薬や治療方針が変わるため、自己判断で市販の目薬を使用するのは避けてください。ウイルス性の場合は自然治癒を待つこともありますが、細菌性結膜炎の場合は抗菌点眼薬などでの治療が中心になります。鼻涙管閉塞が疑われる場合は、小児眼科で管の開通状態をチェックする検査が行われ、涙囊マッサージと抗生剤点眼による治療や、必要に応じてブジーやプロービングと呼ばれる処置で鼻涙管を開通させます。

赤ちゃんが目をこすらないための工夫と予防策

結膜炎やかゆみが生じると、赤ちゃんはどうしても手で目をこすりがちになります。こするとさらに刺激を受けて症状が悪化し、目やにが増えるという悪循環に陥りやすくなるので注意が必要です。赤ちゃんの手の爪はこまめに切り、先端を滑らかにしておくと、目をこすったときに傷をつけるリスクが減らせます。また、清潔な冷たいタオルをまぶたの上に当ててあげると、かゆみや炎症が少し落ち着くことがありますが、口や鼻を覆うことのないよう目を離さないことが重要です。さらに、寝かしつけのときなど、どうしても目をこすってしまう子の場合は、腕を優しくホールドして落ち着かせ、気が紛れるようにあやしてあげましょう。

赤ちゃんの目やにがひどいときに疑われる病気と治療法

赤ちゃん 目やに 対策

赤ちゃんが目やにを頻繁に出しているとき、その原因によって治療の進め方が異なります。結膜炎と鼻涙管閉塞のどちらに当てはまるのか、あるいは逆さまつげなど物理的刺激によるものかを見極めるため、医療機関で適切な検査を受けることが重要です。以下では、代表的な病気別の治療と管理について見ていきましょう。

結膜炎(細菌性・ウイルス性)|目やにの特徴と対処法

感染性結膜炎は、ウイルス性と細菌性に大別されます。ウイルス性では高熱やのどの痛みを伴うこともあり、家族内感染が広がりやすい点が特徴です。例えばアデノウイルスによる感染症(プール熱、流行性角結膜炎など)の場合、赤ちゃんだけでなくパパ・ママ自身も感染のリスクがあります。ウイルス性の場合は基本的に対症療法となり、赤ちゃん自身の免疫力でウイルスを排除する過程を待つと同時に、症状を悪化させないための点眼薬や冷罨法(冷たいタオルを当てるなど)で対処します。細菌性結膜炎では、黄色っぽい粘り気のある目やにが特徴的であり、抗菌点眼薬を用いることで多くは数日から1週間ほどで改善が見られます。感染が疑われる場合は、タオルや洗面器を分けて使用し、手指の消毒を徹底してウイルスや細菌を拡散させないように努めましょう。

先天性鼻涙管閉塞症|片目だけ目やにが続く原因とは?

先天性鼻涙管閉塞症は、文字通り鼻涙管が閉塞しているか非常に狭い状態にあり、赤ちゃんの涙や目やにが排出されにくい病態です。生後すぐから片方の目に目やにが多い場合、あるいは両目から大量の目やにが出続ける場合などは、この先天性鼻涙管閉塞症を疑うことがあります。大半の子は成長過程で自然に鼻涙管が開通し、1歳前後には症状が落ち着くケースが多いですが、生後6ヶ月を過ぎても改善が見られず、炎症を起こしやすい状態が続くようであれば、小児眼科でのブジーやプロービングによる処置が選択肢となります。処置自体は短時間で済むことが多いですが、小児眼科が混雑している場合は受診までに時間がかかる可能性もあるため、早めに相談しておくことをおすすめします。

逆さまつげやアレルギーによる目やにの見分け方

赤ちゃんのまつ毛が目の中に向かう、いわゆる“逆さまつげ”が原因で目やにが出ることもあります。逆さまつげはまつ毛が角膜に触れてしまい、常に細かい刺激が目にかかっている状態です。刺激を受けることで涙や目やにの分泌が増え、結膜炎を起こすこともあります。特に目の充血やかゆみが強い場合、爪でひっかいて角膜に傷をつける症状が悪化しやすいので、早めに受診しましょう。成長とともにまぶたの形が変わり改善することもあれば、強い刺激が続く場合は小児科や眼科で必要なケアを受ける場合があります。メガネタイプの保護具を使うことはあまりありませんが、赤ちゃんがあまりにも目をこする際には、かゆみや痛みの程度を医師と相談しながら工夫を検討すると良いでしょう。

目やにが増えるその他の原因

上記以外にも、風邪など全身のウイルス感染症の影響で目やにが増加することがあります。特に発熱や鼻水、咳などの症状が同時に見られる場合は、総合的に小児科医に診てもらい、必要に応じて内服や点眼などの処方を受けることになるかもしれません。アレルギーの症状の一環として目やにが増える子もいますが、赤ちゃんはまだ免疫が未発達であるため、アレルギー性結膜炎かどうかの見分けが難しい部分もあります。いずれにせよ、長引く場合には自己判断せず早めに医療機関を受診し、適切な診断と治療方針を決定してもらうのが安心です。

赤ちゃんの頭の形測定

赤ちゃんの目やにに関するよくある疑問

「うちの赤ちゃん、目やにが多いけど大丈夫?」「片目だけ目やにが出るのは問題ない?」「黄色や緑色の目やには病気?」など、赤ちゃんの目やにについて不安を感じるパパ・ママは多いものです。

ほとんどのケースでは、生後間もない赤ちゃんは鼻涙管が狭いため、目やにが出やすい傾向がありますが、なかには結膜炎や鼻涙管閉塞など、受診が必要なケースもあります。

ここでは、赤ちゃんの目やにに関するよくある疑問にQ&A形式でわかりやすく解説します。

Q.生まれてすぐから目やにが多いのですが大丈夫でしょうか?

A.生後間もない時期は鼻涙管が狭く、白い目やにが目頭にたまりやすいことがよくあります。片目あるいは両目ともに目やにが目立つ場合でも、赤ちゃんが痛がったり嫌がったりしておらず、色も透明〜白っぽい程度であれば、生理的な現象の可能性が高いです。こまめに湯冷ましを含ませてしぼった清潔なガーゼを使い、優しく拭き取って様子を見てください。ただし、黄色や緑色っぽい目やにが増えたり、目が開きにくいほど固まる場合は結膜炎などの炎症を考え、早めに小児科や眼科を受診すると安心です。

Q.最近、両目から目やにが出るようになったのですが、どの程度で受診するのが良いでしょうか?

A.まずは赤ちゃんが痛がっていないか、まぶたや白目に赤みや腫れがないかを観察しましょう。両目から同時に大量の黄緑色や黄色い粘度の高い目やにが出ている場合は、感染性結膜炎の可能性があります。朝起きたときに目がくっついて開けられないほど大量に分泌されるようなら、かかりつけの小児科や眼科に早めに相談することをおすすめします。一方、生理的な範囲内である程度目やにが出ても、拭き取れば落ち着き、赤ちゃんの機嫌も良いようなら、少し様子を見つつ定期健診や予防接種の際に相談してもよいでしょう。

赤ちゃんの目やにを正しくケアして健康な目を守ろう

赤ちゃんの目やには、鼻涙管がまだ十分に発達していない生後0〜6ヶ月頃には多く見られる症状であり、適切なケアを続けていれば多くの場合は自然に改善していくものでもあります。しかし、黄緑色や黄色でねばりのある大量の目やにや、赤ちゃんがかゆがっている様子、目の充血・まぶたの腫れなどが伴う場合は、結膜炎や先天性鼻涙管閉塞症などの病気が隠れている可能性があるため要注意です。こうした症状が長引いたり、日増しに悪化したりする場合には、自己流のケアに頼りすぎず、早めに医療機関を受診するのがおすすめです。

目やにの症状は生理的な場合もあれば、感染症のこともあり心配になると思いますが、日常的なケアを行う中で、いつもと違うな、元気がないな、など普段見ているパパ・ママの感覚がとても役に立ちます。もし少しでもおかしいなと感じることがあれば、かかりつけの小児科や眼科に相談しましょう。目やに自体は過度に心配する必要はなく、ご紹介した日常的なケアの方法を実践しながら見守ってみてあげてください。

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公開日 2025/03/19

【医師解説】赤ちゃんの目やにが多い原因は?正しいケアと対処法について

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武田 賢大 先生

赤ちゃんの目やには、多くの育児中のパパ・ママがまず気になることのひとつです。実際目やについての相談は、普段の健診や診療でもよく受ける相談の一つです。寝起きに少しついている程度なら問題ないことが多いのですが、目やにが多い、色が黄色や緑色に変わってきた、両目から出るようになった、などの症状がみられると不安になりますよね。特に赤ちゃんは鼻涙管が狭いため、大人よりも目やにが出やすい傾向がありますが、なかには感染症などが潜んでいる場合もあります。

本記事では小児科医の視点から、赤ちゃんに見られる目やにの原因や正しいケアの仕方、受診の目安や注意点について解説します。

赤ちゃんの目やにが増えるのはなぜ?

赤ちゃんは大人に比べると、涙の通り道がまだ十分に空いていないために、涙に含まれる老廃物やほこりがうまく排出されず、目やになりやすいです。特に、生後間もない時期は朝起きたときなどに目やにが目立ちやすい傾向があります。一方で、黄色や緑色っぽいドロっとした目やには、感染症が原因のこともあります。ここからは、赤ちゃんの目やにが増える具体的な理由や特徴について見ていきましょう。

目やにが増える理由は?涙の通り道と赤ちゃんの体の変化

鼻涙管は、涙が鼻に流れるための小さな管です。赤ちゃんは、鼻涙管が生後もしばらく狭い状態が続きます。そのため、生後間もない赤ちゃんには涙が目頭に溜まりやすく、混ざり合ったホコリや老廃物が目やにとして表面化します。特に片目だけ目やにが多いケースは、片側の鼻涙管が狭いまたは閉塞している可能性があります。加えて、赤ちゃんは大人よりまばたきが少ないので、涙がうまく流れないことがあります。

ただし、こうした症状は成長とともに自然に改善するケースが多いです。目やにが少なくて、拭き取るとすぐに目が開いて元気なら、あまり心配しなくても大丈夫です。ただし、生後6ヶ月を過ぎても片目だけ目やにがずっと多い場合は、先天性鼻涙管閉塞症の可能性もあるので、小児科や小児眼科を受診してください。

目やにが増えたときに考えられる病気とは?

赤ちゃんの目やにが増える原因の一つには、結膜炎が挙げられます。目の病気の中でも、風邪のような感染症では、ここに炎症が起きると充血やかゆみ、粘度の高い目やにが出やすくなります。ウイルス性の結膜炎では、高熱やのどの痛みを伴う場合もあり、家族内感染が広がるケースもあります。細菌感染が原因の場合は、赤ちゃんが目をこするなどして細菌が入った結果、黄緑や黄色っぽい目やにが多量に出ることが特徴的です。また、風邪の原因となるウイルスが目に感染し、風邪症状とともに目やにが増加する例も少なくありません。

もう一つ、先天性鼻涙管閉塞症は、生後しばらく経っても鼻涙管の膜が開通せず、涙や分泌物が常にあふれて目やにが続く状態をいいます。大半は1歳前後までに自然に治癒することが多いのですが、生後6ヶ月を過ぎても改善が見られず、加えて炎症症状を繰り返すようであれば小児眼科で鼻涙管を開通させる処置(ブジーやプロービングと呼ばれる手法)を検討します。鼻涙管閉塞による目やには、一方の目のみが長期間にわたって粘っこい分泌物を出し続けることが特徴となりやすいのがポイントです。

目やにの色や量でわかる!チェックすべきポイント

赤ちゃんの目やにが多くなったときは、まず「色」と「量」をチェックしてみましょう。寝起きに少しだけ白っぽい、もしくは薄い黄色くらいの目やにがついている程度なら、鼻涙管の狭さに起因する生理的な範囲で生じる目やにのことが多いです。また生理的な目やにの場合には、白目や瞼の充血や腫れは見られないか、軽度です。一方、ドロッとした黄緑色や黄色い粘度の高い目やにが四六時中出ている場合は、 感染症による結膜炎などが疑われます。両目ともに同様の目やにが多くなり、赤ちゃんに発熱や、かゆがったり機嫌が悪くなったりするケースでは、アデノウイルスなどの感染が原因となっている可能性も考えられます。あわせて白目の充血やまぶたの腫れも強く見られる場合が多く、時間外でも早めに受診した方が安心です。

赤ちゃんは具合が悪いことを言葉で伝えられないので、パパ・ママがしっかり見守ってあげることが大切です。目やにだけでなく、発熱、咳、鼻水などの全身症状や、いつもより授乳量が減っている・寝付きが悪いなど、体調が変化していないかどうかを丁寧に見てあげてください。そのうえで「どの程度で受診すればよいか」について迷うのであれば、まずは小児科やかかりつけ医に電話で相談をするのも一つの方法です。

目やにが悪化するとどうなる?リスクや合併症に注意

赤ちゃんの目やには普段のケアで自然に落ち着くことが多いですが、放置すると悪化してしまうケースも考えられます。例えば、感染症が原因の結膜炎を長期間そのままにすると、角膜やまぶたの裏に炎症が広がって視力発達に影響する恐れもあります。鼻涙管閉塞を伴う場合は、涙や汚れがうまく排出されないために細菌が繁殖しやすく、目の周囲が腫れてしまったり、膿が出てきたりするリスクが高まります。赤ちゃんの場合、免疫力が弱いこともあり、感染が悪化して症状が広範囲に広がることもあるため、ただの目やにと侮らず、いつもと違うなと感じる場合は早めの受診が望ましいでしょう。また、まぶたの裏や角膜に傷がつくと、炎症が広がって視力に影響が出ることもあるので注意が必要です。赤ちゃんがかゆがって目をこすったり、爪で傷をつけたりすると、症状が悪化することがあるので気をつけましょう。少しでも不安があれば、掛かりつけの小児科医、あるいは眼科専門医に相談してみてください。

赤ちゃんの正しい目やにケア

赤ちゃんの目やにが気になるときは、まずは自宅で清潔にケアしながら変化を見てあげましょう。 沸騰させたお湯を冷ました水(湯冷まし)を含ませてしぼった清潔なガーゼを用意し、赤ちゃんの目頭から目じりに向かってやさしく一方向で拭き取ります。使い捨ての清浄綿でも問題ありません。両目を同じガーゼで拭かず、それぞれ新しいガーゼで片目ずつ拭いてください。特に目やにが多いほうの目は、感染を広げないためにも最後に拭くほうが安心です。赤ちゃんの皮膚は大人よりも薄く、デリケートなので、ゴシゴシと強くこすらないように気をつけましょう。目が開きにくくなるほど大量の目やにが出る場合や、拭き取りの際に激しく嫌がるような場合は、結膜炎や鼻涙管閉塞、その他の炎症が進んでいるかもしれません。

目やにはどう拭き取る?

赤ちゃんの目やにを拭き取るときは、お湯で軽く絞った清潔なガーゼや清浄綿を使いましょう。ガーゼを使う際は、必ず手を洗ってから触れるようにして、目頭から目じりへ向けて一方向にそっと拭き取ります。何度も同じ部分でこすると目の周囲に雑菌が広がったり、皮膚を傷つけたりする可能性があります。もしも感染が心配な場合は、タオルや洗面器を家族と共有しないようにし、拭いた後のガーゼやティッシュはすぐに廃棄し、再利用しないことが大切です。赤ちゃんの目に触れた後は、パパ・ママ自身も手を洗うか、消毒用アルコールを含むウェットティッシュで拭くなどして、感染を広げないような配慮を心がけましょう。

目やにが多いとき、受診すべき症状の見極め方

赤ちゃんの目やには、生理的な範囲内であれば特に心配はいりませんが、以下のような兆候がみられた場合は早めの受診が必要です。まず目やにの色が明らかに黄緑や黄色に濁り、ネバネバと粘度が高く、拭き取ってもすぐに大量の目やにが出てくる場合です。また目の周りが赤く腫れていたり、まぶたが熱を持っているときは細菌やウイルスによる結膜炎、あるいは角膜への炎症が進んでいる可能性があります。両目から大量に分泌物が出る時や、発熱や咳、鼻水などの全身症状を併発している場合も注意が必要となります。夜間や休日であっても、赤ちゃんの目が完全に開かないほど目やにが酷いとき、あるいは強い痛がり方や嫌がり方をする時は、時間外でも医療機関に相談すると安心です。

結膜炎・鼻涙管閉塞の検査と診断の流れ

赤ちゃんの結膜炎は、小児科または眼科で診断を受けます。ウイルス性か細菌性かによって、使用する点眼薬や治療方針が変わるため、自己判断で市販の目薬を使用するのは避けてください。ウイルス性の場合は自然治癒を待つこともありますが、細菌性結膜炎の場合は抗菌点眼薬などでの治療が中心になります。鼻涙管閉塞が疑われる場合は、小児眼科で管の開通状態をチェックする検査が行われ、涙囊マッサージと抗生剤点眼による治療や、必要に応じてブジーやプロービングと呼ばれる処置で鼻涙管を開通させます。

赤ちゃんが目をこすらないための工夫と予防策

結膜炎やかゆみが生じると、赤ちゃんはどうしても手で目をこすりがちになります。こするとさらに刺激を受けて症状が悪化し、目やにが増えるという悪循環に陥りやすくなるので注意が必要です。赤ちゃんの手の爪はこまめに切り、先端を滑らかにしておくと、目をこすったときに傷をつけるリスクが減らせます。また、清潔な冷たいタオルをまぶたの上に当ててあげると、かゆみや炎症が少し落ち着くことがありますが、口や鼻を覆うことのないよう目を離さないことが重要です。さらに、寝かしつけのときなど、どうしても目をこすってしまう子の場合は、腕を優しくホールドして落ち着かせ、気が紛れるようにあやしてあげましょう。

赤ちゃんの目やにがひどいときに疑われる病気と治療法

赤ちゃん 目やに 対策

赤ちゃんが目やにを頻繁に出しているとき、その原因によって治療の進め方が異なります。結膜炎と鼻涙管閉塞のどちらに当てはまるのか、あるいは逆さまつげなど物理的刺激によるものかを見極めるため、医療機関で適切な検査を受けることが重要です。以下では、代表的な病気別の治療と管理について見ていきましょう。

結膜炎(細菌性・ウイルス性)|目やにの特徴と対処法

感染性結膜炎は、ウイルス性と細菌性に大別されます。ウイルス性では高熱やのどの痛みを伴うこともあり、家族内感染が広がりやすい点が特徴です。例えばアデノウイルスによる感染症(プール熱、流行性角結膜炎など)の場合、赤ちゃんだけでなくパパ・ママ自身も感染のリスクがあります。ウイルス性の場合は基本的に対症療法となり、赤ちゃん自身の免疫力でウイルスを排除する過程を待つと同時に、症状を悪化させないための点眼薬や冷罨法(冷たいタオルを当てるなど)で対処します。細菌性結膜炎では、黄色っぽい粘り気のある目やにが特徴的であり、抗菌点眼薬を用いることで多くは数日から1週間ほどで改善が見られます。感染が疑われる場合は、タオルや洗面器を分けて使用し、手指の消毒を徹底してウイルスや細菌を拡散させないように努めましょう。

先天性鼻涙管閉塞症|片目だけ目やにが続く原因とは?

先天性鼻涙管閉塞症は、文字通り鼻涙管が閉塞しているか非常に狭い状態にあり、赤ちゃんの涙や目やにが排出されにくい病態です。生後すぐから片方の目に目やにが多い場合、あるいは両目から大量の目やにが出続ける場合などは、この先天性鼻涙管閉塞症を疑うことがあります。大半の子は成長過程で自然に鼻涙管が開通し、1歳前後には症状が落ち着くケースが多いですが、生後6ヶ月を過ぎても改善が見られず、炎症を起こしやすい状態が続くようであれば、小児眼科でのブジーやプロービングによる処置が選択肢となります。処置自体は短時間で済むことが多いですが、小児眼科が混雑している場合は受診までに時間がかかる可能性もあるため、早めに相談しておくことをおすすめします。

逆さまつげやアレルギーによる目やにの見分け方

赤ちゃんのまつ毛が目の中に向かう、いわゆる“逆さまつげ”が原因で目やにが出ることもあります。逆さまつげはまつ毛が角膜に触れてしまい、常に細かい刺激が目にかかっている状態です。刺激を受けることで涙や目やにの分泌が増え、結膜炎を起こすこともあります。特に目の充血やかゆみが強い場合、爪でひっかいて角膜に傷をつける症状が悪化しやすいので、早めに受診しましょう。成長とともにまぶたの形が変わり改善することもあれば、強い刺激が続く場合は小児科や眼科で必要なケアを受ける場合があります。メガネタイプの保護具を使うことはあまりありませんが、赤ちゃんがあまりにも目をこする際には、かゆみや痛みの程度を医師と相談しながら工夫を検討すると良いでしょう。

目やにが増えるその他の原因

上記以外にも、風邪など全身のウイルス感染症の影響で目やにが増加することがあります。特に発熱や鼻水、咳などの症状が同時に見られる場合は、総合的に小児科医に診てもらい、必要に応じて内服や点眼などの処方を受けることになるかもしれません。アレルギーの症状の一環として目やにが増える子もいますが、赤ちゃんはまだ免疫が未発達であるため、アレルギー性結膜炎かどうかの見分けが難しい部分もあります。いずれにせよ、長引く場合には自己判断せず早めに医療機関を受診し、適切な診断と治療方針を決定してもらうのが安心です。

赤ちゃんの頭の形測定

赤ちゃんの目やにに関するよくある疑問

「うちの赤ちゃん、目やにが多いけど大丈夫?」「片目だけ目やにが出るのは問題ない?」「黄色や緑色の目やには病気?」など、赤ちゃんの目やにについて不安を感じるパパ・ママは多いものです。

ほとんどのケースでは、生後間もない赤ちゃんは鼻涙管が狭いため、目やにが出やすい傾向がありますが、なかには結膜炎や鼻涙管閉塞など、受診が必要なケースもあります。

ここでは、赤ちゃんの目やにに関するよくある疑問にQ&A形式でわかりやすく解説します。

Q.生まれてすぐから目やにが多いのですが大丈夫でしょうか?

A.生後間もない時期は鼻涙管が狭く、白い目やにが目頭にたまりやすいことがよくあります。片目あるいは両目ともに目やにが目立つ場合でも、赤ちゃんが痛がったり嫌がったりしておらず、色も透明〜白っぽい程度であれば、生理的な現象の可能性が高いです。こまめに湯冷ましを含ませてしぼった清潔なガーゼを使い、優しく拭き取って様子を見てください。ただし、黄色や緑色っぽい目やにが増えたり、目が開きにくいほど固まる場合は結膜炎などの炎症を考え、早めに小児科や眼科を受診すると安心です。

Q.最近、両目から目やにが出るようになったのですが、どの程度で受診するのが良いでしょうか?

A.まずは赤ちゃんが痛がっていないか、まぶたや白目に赤みや腫れがないかを観察しましょう。両目から同時に大量の黄緑色や黄色い粘度の高い目やにが出ている場合は、感染性結膜炎の可能性があります。朝起きたときに目がくっついて開けられないほど大量に分泌されるようなら、かかりつけの小児科や眼科に早めに相談することをおすすめします。一方、生理的な範囲内である程度目やにが出ても、拭き取れば落ち着き、赤ちゃんの機嫌も良いようなら、少し様子を見つつ定期健診や予防接種の際に相談してもよいでしょう。

赤ちゃんの目やにを正しくケアして健康な目を守ろう

赤ちゃんの目やには、鼻涙管がまだ十分に発達していない生後0〜6ヶ月頃には多く見られる症状であり、適切なケアを続けていれば多くの場合は自然に改善していくものでもあります。しかし、黄緑色や黄色でねばりのある大量の目やにや、赤ちゃんがかゆがっている様子、目の充血・まぶたの腫れなどが伴う場合は、結膜炎や先天性鼻涙管閉塞症などの病気が隠れている可能性があるため要注意です。こうした症状が長引いたり、日増しに悪化したりする場合には、自己流のケアに頼りすぎず、早めに医療機関を受診するのがおすすめです。

目やにの症状は生理的な場合もあれば、感染症のこともあり心配になると思いますが、日常的なケアを行う中で、いつもと違うな、元気がないな、など普段見ているパパ・ママの感覚がとても役に立ちます。もし少しでもおかしいなと感じることがあれば、かかりつけの小児科や眼科に相談しましょう。目やに自体は過度に心配する必要はなく、ご紹介した日常的なケアの方法を実践しながら見守ってみてあげてください。

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