公開日 2024/12/05
【医師解説】赤ちゃんのお座りはいつから?練習法と注意点について解説
目次
武田 賢大 先生
「うちの赤ちゃんはいつ頃お座りができるようになるのかな?」ママ・パパなら気になるポイントですよね。この記事では、赤ちゃんがお座りを始める時期や練習の方法について、詳しく解説します。お座りの発達段階やサインを知ることで、我が子の成長を安心して見守ることができるでしょう。そして、無理のない遊びを通じてお座りをサポートする方法や、お座り期の安全対策もお伝えします。
赤ちゃんがお座りを始める時期はいつ?
お座りができるようになる時期はいつ頃なのでしょうか。また、お座りを始める時期に個人差はあるのでしょうか。赤ちゃんがお座りを始める平均的な時期について詳しく解説します。
一般的なお座りの時期は6〜10ヶ月が目安
一般的に、赤ちゃんがお座りを始めるのは生後6〜8ヵ月頃と言われています。この時期になると、支えがあればお座りができるようになります。生後8〜9ヵ月頃になると、赤ちゃんは両手を前について体を支えながら、不安定ながらも短時間のお座りが可能になります。そして、生後9〜10ヵ月頃には、支えなしでも安定したお座りができるようになるでしょう。厚生労働省の「平成22年乳幼児身体発育調査」によると、生後10〜11ヵ月の時点で97.5%の赤ちゃんが支えなしでお座り可能だそうです。つまり、多くの赤ちゃんが1歳になる前にお座りを習得しているといえます。
お座りの開始時期は個人差があるので心配不要
ただし、赤ちゃんの発達には個人差があるのでお座りを始める時期も、赤ちゃんによって異なります。例えば、生後6ヵ月の時点でまだお座りができない赤ちゃんがいても、それは決して問題ではありません。赤ちゃんの成長スピードはそれぞれ違います。焦らずに、赤ちゃんの成長を温かく見守りましょう。一方で、早い子では生後5ヵ月頃からお座りを始める場合もあります。しかし、あまりに早すぎるお座りは腰への負担が大きいので注意が必要になります。無理にお座りをさせるのではなく、赤ちゃんのペースに合わせてサポートしていきましょう。
赤ちゃんのお座り発達ステップと成長のサイン
ここでは、お座りの発達過程について詳しく見ていきましょう。
赤ちゃんのお座りの成長ステップ
赤ちゃんのお座りは、いくつかの段階を経て発達していきます。最初は、両手を前につき、背中を丸めた姿勢でバランスを取る段階から始まります。次第に、両手を離して背中を伸ばして座れるようになり、最終的には長時間安定した姿勢を保てるようになります。
お座りを始める準備サインとは?
赤ちゃんがお座りを始める準備ができたことを示すサインがあります。例えば、床に座らせたときに両手を前について体を支えようとする動作や、腰回りの安定感が増してくることなどが挙げられます。
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お座りとはいはいの関係性
お座りとはいはいの関係性についても触れておきましょう。多くの赤ちゃんは、お座りができるようになった後にはいはいを始める傾向にあります。はいはいを始める一般的な時期は生後7~10ヵ月頃です。ただし、中にははいはいをせずに直接歩き始める赤ちゃんもいます。お座りとはいはいの順序は、赤ちゃんによって異なります。
赤ちゃんのお座りをサポートする練習方法
赤ちゃんがお座りを始める時期は個人差が大きく、無理に練習をする必要はありません。お子さまのペースに合わせ、自然な成長を見守ることが大切です。一方で、お座りをし出したら、遊びを通じて練習をしていくことは、赤ちゃんの発達を助けます。日常の遊びの中で、お座りに必要な筋力や体幹のバランス感覚を養うことができるでしょう。ここでは、お座りの練習に役立つ具体的な遊びをいくつかご紹介します。赤ちゃんが楽しみながら、自然とお座りに近づいていけるようサポートしましょう。
うつぶせ遊びで体幹を鍛えよう
お座りの練習として特に重要なのが、うつぶせ遊びです。うつぶせの姿勢は、首や背中、腹筋を鍛えるのに最適な姿勢といえます。赤ちゃんをうつぶせに寝かせ、目の前におもちゃを置いてあげましょう。おもちゃに手を伸ばそうと頭を上げ、上半身を支えようとする動きが、お座りに必要な筋力アップにつながります。うつぶせ遊びを積極的に取り入れることが、お座りへの第一歩になるでしょう。
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クッションや大人のサポートで安定感を養う
赤ちゃんが自力でお座りができるようになるまでの間は、サポート付きの座位を活用するのも効果的です。クッションや大人の膝で体を支えてあげることで、安定した座位を保つ練習ができます。サポート付き座りに慣れてきたら、徐々に支えを減らしていきましょう。赤ちゃんが自分の力でバランスを取ろうとする機会を増やすことで、お座りに必要な体幹の安定性が養われていきます。
おもちゃを活用した楽しいお座り練習
お座りの姿勢で遊べるようになってきたら、おもちゃを活用した練習も取り入れてみましょう。赤ちゃんの前に、少し手を伸ばさないと届かない位置におもちゃを置いてあげてください。おもちゃを取ろうと前かがみになる動作は、お座りの安定性を高めるのに役立ちます。転倒しないよう見守りつつ、おもちゃで遊ぶ楽しさを通じてお座りの練習をしていきましょう。
お座り期の赤ちゃんを守る安全対策
赤ちゃんがお座りを始めると、活動範囲が本格的に広がっていきます。一方で、まだバランスが不安定な時期でもあるため、安全面への配慮が欠かせません。ここでは、お座り期の赤ちゃんを守るための安全対策について、3つ紹介します。転倒時の安全確保、危険物の適切な管理、ベビー用品や家具の調整など、日常生活の中で実践できるポイントを押さえておきましょう。
安全マットやクッションを活用した環境づくり
お座りを始めたばかりの赤ちゃんは、ふらつきやすく転倒のリスクが高くなります。転倒による怪我を防ぐためには、赤ちゃんの周りに柔らかいマットやクッションを敷き詰めることがおすすめです。また、家具の角にはクッションガードを取り付け、鋭利な部分をカバーしましょう。赤ちゃんが這い回る範囲には、できるだけ障害物を置かないようにすることも忘れてはいけません。万が一の転倒に備え、安全な環境を整えておきましょう。
誤飲やケガを防ぐための危険物管理
お座りができるようになると、赤ちゃんは手を伸ばして周りのものを掴もうとします。そのため、小さなパーツや危険な物を赤ちゃんの手の届く場所に置かないよう注意が必要です。特に、ボタン電池や薬品、尖った物など、誤飲や怪我につながる恐れのあるものは、しっかりと管理しましょう。
ベビーベッドや家具の配置見直しで安全を確保
お座りを始める頃には、ベビーベッドの高さを調整し、赤ちゃんが乗り越えられないようにしましょう。テレビや本棚などの大型家具は壁にしっかりと固定し、倒れてくる危険性がないように対策しておきましょう。赤ちゃんがつかまり立ちを始める時期に備え、家具の配置を見直すことも検討するのもよいでしょう。
赤ちゃんのお座りに関するよくある質問
赤ちゃんのお座りに関して、寄せられる質問はたくさんあります。ここでは、赤ちゃんのお座りに関するよくある質問に答えながら、成長を安心して見守るためのヒントをお伝えします。
Q.お座りが不安定です。どう練習すれば良いですか?
A.無理な練習は控え、うつぶせ遊びやサポート付き座りなど、遊びの中で自然とお座りを促す工夫が効果的です。おもちゃを使って前かがみの姿勢を取る機会を増やすのもおすすめです。
Q.早くにおすわりしたら、腰に悪影響は出ますか?
A.あまりに早すぎるお座りは、腰への負担が大きくなる可能性があります。無理にお座りをさせるのではなく、赤ちゃんのペースに合わせてサポートするのがよいでしょう。
Q.生後6ヶ月でお座りができません。問題ありますか?
A.6ヶ月でお座りができなくても心配ありません。赤ちゃんの発達速度には個人差があります。ただし、他の発達指標にも遅れがみられる場合は、小児科医に相談することを検討しましょう。
赤ちゃんのお座りは焦らず成長を見守ろう
本記事では、赤ちゃんのお座りについて、始める時期や発達過程、練習方法、安全対策など、詳しく解説してきました。お座りは、生後6〜8ヶ月頃から徐々に始まり、10ヶ月頃にはほとんどの赤ちゃんが安定してお座りができるようになります。赤ちゃんの成長には個人差があります。発達の目安はあくまで参考程度と捉え、我が子のペースに合わせて見守ることが何より大切です。親子で楽しい時間を過ごしながら、赤ちゃんの興味や好奇心に寄り添っていきましょう。もし赤ちゃんの発達で気になる点があれば、かかりつけ医に相談するのも良いでしょう。