公開日 2025/03/04
【医師解説】赤ちゃんの歯が生える時期と歯固めの選び方|歯磨きを始めるための基本ポイント

目次

久保田産婦人科病院
西野 枝里菜 先生
生後まもない赤ちゃんをお世話しているパパ・ママの中には、「いつから歯が生えてくるの?」「歯固めって必要?」「歯磨きはいつからスタートしたらいいの?」など、歯にまつわる疑問を抱える方も多いのではないでしょうか。特に0〜6カ月頃の赤ちゃんは、日々の成長に合わせて身体の変化が目まぐるしく、気になることがあると、つい心配になってしまいますよね。この記事では、赤ちゃんの歯が生え始める時期の目安や、歯固めの選び方、そして歯磨きをスタートするためのポイントをわかりやすくまとめました。
乳歯の特徴赤ちゃんの歯が生え始めるのはいつ?兆候とタイミングをチェック
「子育ては初めて」という新米ママ・パパは赤ちゃんの歯がどのように発達していくのかわからないという方も多いのではないでしょうか。はじめに赤ちゃんの歯が生えるタイミングや全部で何本の歯が生えるのかについて、わかりやすく説明します。
赤ちゃんの歯が生える時期はいつ?個人差があるので焦らなくてOK
赤ちゃんの歯が生えてくる時期は、一般的には生後6カ月頃から9カ月頃にかけてだといわれています。しかしそこには個人差があり、4カ月頃から生えてくる子もいれば、1歳を過ぎてもなかなか歯が見えてこない子もいます。早い子と比べて「うちの子は遅いのでは?」と心配になることもあるかもしれませんが、赤ちゃんの成長スピードはそれぞれ違います。歯が1本も生えてこなくても、1歳くらいまでは様子を見て問題ないといわれています。ただし1歳を過ぎてもまったく歯が生えてこない場合には、念のため小児歯科などで診てもらうと安心です。
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歯が生える前兆を見逃さない!赤ちゃんのよくあるサインとは
赤ちゃんの歯が生え始めるころになると、歯ぐきがむずがゆくなるため、口のまわりや首もとに唾液(よだれ)が増えたり、何かを強くかむようになることがあります。赤ちゃんによっては、歯ぐきが刺激されて少し熱が出ることもありますし、むずがゆさから機嫌が悪くなることもよくあります。そうしたサインが見られるときは、「もしかして歯が生えてくるかな?」と考えてあげてください。ちょっとぐずりやすくなるかもしれませんが、むずがゆさや違和感による一時的なものが多いので、パパ・ママもあまり神経質にならず見守ってあげましょう。
赤ちゃんの乳歯は全部で何本?生え方の順番と時期の目安

赤ちゃんの歯は「乳歯」と呼ばれ、20本生えます。生え始めは下の前歯(乳中切歯)2本、次に上の前歯(乳中切歯)2本が生えることが多いです。
1歳前後になってくると上下それぞれもう2本ずつ増えて(乳側切歯)合計8本ほどになり、1歳半ごろには最初の奥歯(第1乳臼歯)が生えてくる子がほとんどです。
2歳前後になるとさらに前歯と奥歯の間にある歯(乳犬歯)や、奥歯(第2乳臼歯)が生えてきて、2歳半くらいで20本の乳歯が揃う子が多いとされています。
「うちの子、まだ歯が生えない?」と心配なママ・パパへ。見守るポイント
赤ちゃんの歯は、生える時期にも順番にも幅があります。周りの赤ちゃんが歯が生えてきたからといって、あまり比較しすぎると不安になってしまうかもしれません。大切なのは、「いつかはちゃんと生えてくる」という気持ちで少し長い目で見守ることです。また、歯が生え始めるまでは歯磨きの習慣もスタートしにくいですが、歯ぐきや口まわりのお手入れを簡単にしてあげるだけでも、赤ちゃんが口に触れられることに慣れやすくなります。歯が一本でも見えてきたら、赤ちゃん用歯ブラシや濡らしたガーゼでやさしくお口を拭いてあげるなど、小さなステップから歯のケアを始めてみましょう。
歯固めについて歯固めは必要?選び方と使い方のコツ

続いて、歯が生え始めた赤ちゃんの不快感を和らげる「歯固め」について、メリットから具体的なやり方まで詳しく解説します。
歯固めってなに?赤ちゃんにとってのメリットとは
歯ぐきがムズムズする時期の赤ちゃんは、とにかく何でも噛みたがります。口の中に入るものであれば何でもかんでも噛んでしまうので、パパ・ママが焦ってしまうこともあるかもしれません。そこで活躍するのが「歯固め」と呼ばれる赤ちゃん用のおもちゃです。
歯固めは、赤ちゃんが安全に噛むことができるように作られたおもちゃで、歯ぐきのむずがゆさを落ち着かせる手助けをしてくれます。歯がまだ生えていなくても、「なんだか歯ぐきがむずがゆそう」と感じるころから、歯固めを使い始める保護者の方も多いです。
歯固めの種類と選び方|赤ちゃんにぴったりのものを見つけよう
歯固めには、シリコンやゴム、木製、水やジェルが入ったものなど、いろんな種類があります。どのタイプも赤ちゃんがかみやすいように作られているので、「これが絶対におすすめ」というよりも、赤ちゃんの反応を見ながら使いやすいものを選ぶといいでしょう。たとえばシリコンやゴム製は柔らかいため、歯茎への当たりがソフトで初めての子にも扱いやすいです。木製は噛み応えや手触りが独特なので、むずがゆさをしっかり和らげたい子に向いています。また、水やジェルが入ったタイプは、冷蔵庫で冷やして使うことで、ひんやりとした感触が歯ぐきに心地よい刺激を与えてくれます。形も輪っか型や持ち手付き、音が鳴るものなどさまざまです。複数のタイプを用意して、赤ちゃんがいちばん落ち着くものを見つけてあげるのもよいでしょう。
歯固めの安全な使い方|誤飲・破損を防ぐチェックポイント
赤ちゃんが歯固めを使うときは、とにかく「安全第一」です。口に入れて噛むものなので、破損して小さな部品が外れたり、異物としてのどに詰まったりしないように、日常的にチェックしてあげてください。使っていると劣化したり、傷ついたりすることもあります。特に木製の歯固めは、傷がついていないか、ささくれがないかを確認してあげましょう。もし少しでも不安な点があれば、そのときは新しいものに買い替えたほうが安心です。
歯固めは清潔が大事!衛生管理のポイントとお手入れ方法
歯固めを清潔に保つためには、使った後は、軽く洗ったり、時々お湯で消毒したりしましょう。素材によっては高温消毒ができないものもあるので、取り扱い説明を読んで、適切なお手入れ方法を選んでください。歯固めはほぼ毎日使うものです。せっかくむずがゆさをやわらげるために使っているのに、雑菌がついたままだと赤ちゃんの身体にもよくありません。歯固めの汚れや傷みをチェックしながら、適度に交換しましょう。
歯磨きをしてみよう赤ちゃんの歯磨き、いつから始める?スムーズに慣れさせる方法

赤ちゃんの歯磨きをいつから始め、どのような道具を選び、どう習慣づけていくかは多くの親御さんが気にすることです。ここでは赤ちゃんの歯磨きの始め方から歯科受診のタイミングまで、実践的なポイントを紹介します。
歯磨きを始めるタイミングはいつ?1本生えたらスタートしよう
赤ちゃんの歯が1本でも顔をのぞかせ始めたら、歯磨きの準備を始めましょう。まだしっかりと歯が生えきっていなくても、歯ブラシに慣れるために、やさしく歯ぐきを撫でるだけでも大丈夫です。早めに歯ブラシの感触に慣れることで、あとから本格的に歯磨きをスタートしたときに赤ちゃんが抵抗を示しにくいメリットがあります。歯磨きといっても、最初は本当に「練習」です。無理やり磨こうとすると赤ちゃんが怖がって泣いてしまうこともあるので、やさしく声をかけながら、遊びの延長線上で少しずつ習慣にしていくイメージで取り組んでみてください。
初めての歯ブラシ選び|赤ちゃんの月齢別おすすめタイプ
歯磨きを始めるときは、赤ちゃん用の小さな歯ブラシを使うのがおすすめです。子ども用といっても月齢によってサイズや形が異なるため、いまの月齢に合ったタイプを選んであげましょう。ブラシ部分が極端に硬いと歯ぐきを傷つけやすいので、やわらかめの毛質のものがいいです。
歯ブラシの柄がループ状になっているタイプは、赤ちゃんが自分で握りやすい工夫がされていたり、喉の奥まで入らないようにストッパーがついていたりするものもあります。赤ちゃんが口に入れやすくて安全な形状になっているかどうか、購入前に確かめてあげると安心です。
赤ちゃんが歯磨きを嫌がる…楽しく習慣化するコツとは?
パパ・ママが赤ちゃんの歯磨きをはじめるとき、最初のうちは嫌がって泣いてしまう赤ちゃんも少なくありません。まだ慣れない口の中にブラシが入ってくるのですから、赤ちゃんにとってはびっくりする体験かもしれません。そのため、初めは一気に磨こうとするのではなく、「今日はちょこっと歯ブラシに触れるだけ」「今日は歯の表面をすっと撫でるだけ」という具合にステップを踏んでください。お風呂上がりやミルクの後など、赤ちゃんがリラックスしているタイミングを狙うとスムーズなこともあります。声かけをしながらお口を開けてもらう練習をして、赤ちゃんが「歯ブラシ=嫌なもの」という印象を持たないように、やさしく導いてあげるのがポイントです。
小児歯科はいつ行く?赤ちゃんの歯の健康チェックの目安
赤ちゃんの歯が生えてきて少しずつ歯磨きに慣れてきたら、タイミングを見て小児歯科や歯医者さんに行ってみるのもいいでしょう。赤ちゃんの頃から歯の定期検診を受けると、虫歯予防や歯並びのチェックをしてもらえて安心です。特に家族の中に虫歯が多い方がいる場合は、赤ちゃんが乳歯の段階でリスクを把握しておくとケアの目安がわかりやすいです。また、1歳を過ぎても歯が1本も出てこない場合や、歯の生え方に強い不安がある場合などは、かかりつけの小児科や小児歯科に相談してください。

赤ちゃんの歯に関するよくある疑問を解決!
赤ちゃんの歯にまつわる疑問や心配ごとは、思わぬタイミングで出てくるものです。ここでは、歯がなかなか生えないケースや、口の中のスジ(小帯)に関する相談など、パパ・ママから寄せられることが多い質問をまとめました。
Q. 1歳過ぎても歯が生えない…小児歯科に行くべきですか?
A.少し遅いと感じるかもしれませんが、個人差があるので1歳数カ月頃までは特に問題ないケースが多いです。それでも気になるときや不安なときは、小児歯科に行ってレントゲンを撮ってもらうと、乳歯のあるなしや生え方の方向などを確認できます。
Q.上唇や舌のスジが短い?小帯異常は治療が必要ですか?
A.これは「小帯異常」と呼ばれ、授乳や発音に支障が出る場合もあれば、何も問題がないまま成長する子もいます。スジが短いことで舌が上手に動かせないと感じたり、歯並びに影響が出そうな場合は、小児科や小児歯科で専門家の意見を聞いてみるのがおすすめです。すぐに手術が必要になるとは限らないので、焦らずお子さんの発語や食べ方を観察しながら相談していきましょう。
Q. 乳歯の本数が少ないけど大丈夫?永久歯に影響しますか?
A.乳歯が最初から作られずに生えてこない先天欠如というケースはありますが、それがそのまま永久歯にも影響するかどうかは、個人差や歯の発育状況によります。6歳前後でレントゲンなどを撮ってみると永久歯の有無がわかりますので、早めに小児歯科で相談しておくと安心です。もし永久歯にも影響がある場合は、今後の歯並びやかみ合わせについて早めに見通しを立てておくことで、矯正治療などを検討しやすくなります。
Q.歯が1本でも生えたら歯磨きは必要ですか?虫歯予防のポイントについて教えてください。
A.はい、できるかぎり早く始めましょう。歯が1本でも生えたら、そこから虫歯になるリスクはゼロではありません。まだしっかり磨けないから…と後回しにすると、赤ちゃんが歯ブラシを嫌がるようになりやすいです。最初は歯磨きというより歯ブラシに慣れるステップとして、お口の中に触れることから少しずつ慣らしていきましょう。
赤ちゃんの歯の成長を見守りながらケアしよう
乳歯の生え始める時期や順番には個人差があり、生後6ヶ月から1歳以降まで幅広く、特に症状がなければ見守って問題ありません。歯が生えるときの不快感には歯固めが効果的で、赤ちゃんに合った安全で清潔なものを選びましょう。歯が生えたら、歯ブラシやガーゼでのケアを習慣づけることが大切です。最初は嫌がっても、遊び感覚で慣れさせていくことがポイントです。歯の生え方が気になる場合は、小児歯科や小児科に相談するのがおすすめです。歯が生えることで離乳食など新しい体験が広がります。赤ちゃんのペースに合わせながら、適切なケアを心がけ、成長を楽しみましょう。
